まさに「ピン!」ときた、アロマとの出会い
大学卒業後にOLとして働いていたとき、クーポン誌を見てなんとなくエステサロンに行ったんです。そこでアロマエステの施術を受けたのが、私のアロマテラピーとの出会いでした。アロマテラピーの心地よさ、そして、見えないとらわれから身も心も解放され、リセットされるような感覚……。まさに「ピン!」ときたんです。
たった一度で私に大きなインパクトをもたらしたアロマテラピーを、自分でもできるようになりたいと思い、すぐに趣味として勉強し始めました。そのうちに趣味が高じて、エステやアロマのサロンを経営する会社に転職することに。
最初はなじみのない身体のことを学ぶのは、なかなか頭に入ってこなくて苦労しましたね。でも、エステやアロマサロンで仕事をしていくうちに、実務経験の中で照らし合わせて学べるようになって、徐々に理解が深まっていきました。
資格は自分の力を証明するもの
私がアロマの勉強を始めたり、アロマ関係の仕事を始めたりした頃は、日本ではまだアロマテラピーというものがメジャーではなかったんです。会社にも所属していたので、資格を取得する必要性は特に感じていませんでした。
でも、32歳のときに、勤務していた会社が倒産。そんななか、新たにアロマの仕事をしようと思ったところ、壁にぶつかってしまいました。会社勤めをしているときには、会社名や肩書きというものがあるけれど、個人の立場だと、いざ新しい仕事を始めようとしても、初対面の方に自分の力を証明するものが何もない……。そんな現実に直面してしまいました。
そのときに感じたのは、「最終的に頼りになるのは自分だ」ということ。会社がつぶれても、自分に力があればなんとかなりますし、そうでありたいという意識を新たに持ちましたね。
自分の力を証明し、相手の信用を得るためには何が必要だろうと考えたとき、「資格」だと気付いたんです。その頃はもう、アロマテラピーの検定や資格もメジャーになりつつあり、セラピストという職業も普及してきていました。そして、アロマの仕事をするときには資格が求められることが多くなり、求人の採用条件にも、「資格があれば尚可」といった表記が目につくようになっていました。そこで、勉強をしなおして資格を取得しようと考えたんです。
学びながら自分自身が癒やされる
受検したのは、アロマ業界では会員数が一番多いAEAJアロマ協会のアロマテラピー検定。1級を取得した後は、アロマテラピーアドバイザー、アロマテラピーインストラクターという上級資格も取得していきました。
すでに実務を経験していたということもあり、資格の勉強中は、まったく苦しさを感じませんでした。好きな勉強でしたし、むしろ、勉強していると自分自身がアロマに癒されました。香りが持つ、気持ちを一気にリセットしてくれる効果を、身をもって感じましたね。資格を取ってからは、組織に所属したりせず、個人でアロマの仕事を続けることができています。
やりがいのある仕事ができる幸せ
現在は、カルチャースクールでアロマ講座の講師をしたり、リラクゼーションサロンでトリートメントをしたりすることが中心。また、雑誌や業界紙などにアロマ関連の記事を執筆する仕事もしています。
毎日同じ場所に出勤するのではなく、カルチャースクールや、お客さまのご自宅でのレッスンやトリートメントなどで出張していくことも多いですね。一か所でじっとしているよりも外に出て行くことが好きなので、このような働き方は性に合っていると思います。
資格を取得したことで、仕事の幅は間違いなく広がりました。好きなことを仕事にしているのであまり疲れませんし、何よりやりがいが感じられるのが幸せです。
資格が自分の世界を広げてくれた
アロマは、日々の生活に追われている人たちが、自分でも気づかないストレスをセルフケアできるツール。アロマの資格はもちろん仕事にも役立ちますし、自身がセルフケアするためにも使えるんです。
私も最初は趣味としてアロマを始めましたが、資格を取得したことは、自分の人生を大きく変えるターニングポイントになりました。アロマの専門家として見てもらえるようになったということが大きいかもしれません。
そして、仕事の幅も広がって、OL時代には思ってもみなかったような働き方が実現できています。もちろん、会社員として経験してきたことも、今、活かされていると感じています。
友達からは「自分でどんどん仕事を開拓してすごいね」と言われますが、個人で仕事をしていると、次々にアイデアが湧いてくるんです。これまでの自分の生き方を土台にしながら、資格が世界を広げてくれた結果なのかもしれません。
アロマのすばらしさをもっと広めたい
今のように個人でアロマの仕事を始めて5~6年経った頃から、もっと知識を深めて、いろいろな状況に対応できるようになりたいと思うようになりました。お客さまにトリートメントをするときに、健康面のアドバイスをきちんとできるようになりたいですし、カルチャースクールで教えたり、原稿を通して発信したりする内容の幅を広げていきたいですね。
現在受け持っているカルチャースクールの講座の一つに、「介護アロマ」があります。介護をしていると、気持ちが重くなったりつらくなったりすることがあると思うんです。そうしたときに、香りによって気持ちを和らげることができるということも、アロマの持つ大きな力です。
この講座は、趣味で勉強する方はもちろん、福祉関係や医療関係のお仕事をしている方も受講されています。介護や医療の現場でアロマを使っている方も多いので、そういう現場も見てみたいですね。
そんな思いから、看護師の資格を取ろうと決意し、昨年から学校に通って勉強しているんです。今後、医療の知識を深めて、さらにアロマのよさを世の中に広めていくのに役立てられたらとてもうれしいです。
そして将来は、アロマのすばらしさを、生徒さんやお客さまに直接伝えていくと同時に、次の世代を育てていくことにも力を注いでいけたらいいですね。
自分のインスピレーションを信じよう
「ピン!ときたら、ドンといけ!」という言葉を贈りたいと思います(笑)。「これだ!」というインスピレーションを感じたら、チャレンジできるうちに飛び込んでみてほしいですね。
学ぶことはとても楽しいですし、私自身、身につけた知識を生徒さんやお客さまに伝えていける今の仕事にやりがいを感じています。出会った方々に喜んでいただけることが、私の喜びでもあり、本当にこの仕事は楽しいです。
勉強することはマイナスにはなりませんし、周りの人にもメリットを分けてあげられるはず。そして何より、資格によって自分の世界が大きく広がることを、ぜひ実感してみてほしいと思います。
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