資格取得は自分が興味関心のある分野で目指すのが基本です。その中でも育休中にチャレンジするなら、「復帰後の仕事に直結する資格」か「家庭や子育てに関わる資格」のどちらかを選ぶのがオススメです。「復帰後の仕事に直結する資格」なら、育休中の漠然とした不安や焦りを解消してくれますし、「家庭や子育てに関わる資格」なら、習ったそばから実生活に役立ってくれます。
また、育休中には、ある程度合格率が高い、スモールステップになるような資格が向いています。この時期は学ぶことによって自分に自信をつけることが大切。育児をしながらの学習はモチベーションの維持も重要なので、合格率の低い難関資格はできるだけ避けるほうがいいでしょう。難易度の高い資格は、子どもがある程度大きくなってから狙ってもいいと思います。
自分にとってのその資格の難易度が不明なら、ネットや図書館、書店などで、過去の試験問題集を見てみましょう。自分でも取得できそうな資格かどうか、おおまかなレベルがわかります。
その1:「MOS」を取得すれば事務職への転換がスムーズ
営業職や販売職に就いていた人も、育休からの復帰後は肉体的な負担軽減のために、事務職への配置転換を望む人も多いですよね。その際に取得しておくといいのが「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」です。事務職に必須のパソコンスキルを証明する国際資格で、幅広い世代の取得者がいます。
合格率は公表されていないのですが、ワードやエクセルなど5つのアプリケーションについて1科目ごとに資格が認定されるので、挑戦しやすい資格でもあります。これまで「なんとなく」使っていた人も、改めて資格を取得すれば、パソコンの操作スキルがあることを客観的に証明でき、事務職への配置転換の希望が通りやすくなります。
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)講座へのリンク
その2:転職を見据えて頑張るなら「保育士」を
育休から復帰後、転職を視野に入れているなら「保育士」がオススメです。合格率10~20%の国家資格で、それほど易しくはないのですが、1回の受験で筆記9科目のすべてに合格しなくてもいい「科目合格制」なのがいいところ。一度合格した科目は3年間有効なので、ロングスパンで合格を目指せるよう、育休が長めに取得できる方に向いています。保育科を卒業していなくても、短大卒業以上なら受験資格があります。
育休中だと、子育ての実体験と紐づけて勉強できるので、内容が頭に入りやすいというメリットもあります。出産前は保育士なんて考えられなかった人でも、我が子が生まれると、自分が子ども好きなことに気付いて資格取得を目指す人も多いようです。
現在、保育業界は人材不足で求人が増えています。保育所だけでなく、児童福祉施設や民間施設など働き口は多い上、今後福祉系の資格と融合する話も出ているので、将来性はかなり高いと言えるでしょう。
保育士講座へのリンク
その3:家庭生活に生かせる「整理収納アドバイザー」
断捨離ブームもあり、今もっとも注目されている資格のひとつが「整理収納アドバイザー」です。片付かない原因や問題点を洗い出し、モノとのかかわり方を見直すことで問題解決する、「お片付けのプロフェッショナル」です。 子どもが成長するにつれて物が増え、部屋が散らかりやすくなるので、今のうちに整理収納の知識を身につけておくと、毎日の家事がずっとラクに! また最近は整理収納関係のブログの人気が高いので、ブログを作って自分自身を発信する際に、アピール材料になる可能性が高いです。
企業内での認知度はまだそれほど高くないですが、デスク周りがすっきりすることで、仕事の効率や生産性アップに役立ちます。総務部に勤務する人が、社内研修に取り入れるために取得することもあるようです。
整理収納アドバイザーには1級と2級があるのですが、1級でも合格率は6~7割程度と、比較的チャレンジしやすい資格でもあります。
整理収納アドバイザー講座へのリンク
中瀬さんご自身も、2回の育休中に「DTPエキスパート」と「キャリアカウンセラー」の資格を取っています。朝、夫を送り出した後や子どもを寝かしつけた後など、スキマ時間を利用して、毎日1~2時間の勉強時間を捻出していたそう。
とはいえ、育休中は毎日想定外のことが起きるもの。子どもを寝かしつける際に自分も寝てしまうなど、予定通りにいかないことも多々あったそう。そんな時でも 落ち込まずに、一週間単位でテキストの目標を決め、トータルで試験日までに課題をこなせばいいと頭を切り換えた結果、合格への道が開けたそうです。
職場復帰後に仕事と子育てをこなしながら勉強するのは、時間的にも精神的にもかなりハード。中瀬さんご自身も、育休中でなかったら、これらの資格を取ることはできなかったと言います。もし育休中で資格取得を迷っているなら、ぜひチャレンジしてみることをオススメします!