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2017.02.01

育休明けの仕事復帰―不安を解消する5つの知識

育休明けの仕事復帰―不安を解消する5つの知識

初めての仕事復帰を考えると、不安なこともありますよね? 「仕事スタートの前に準備すべきことは?」「復帰後の働き方は?」というような、仕事復帰に関する疑問を解決しておきましょう。復帰前に知っておきたい5つの知識をご紹介します。

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仕事復帰前に知っておきたい! 不安解消のための「5つの知識」とは?

仕事復帰前に知っておきたい! 不安解消のための「5つの知識」とは?

先輩ワーキングマザーに聞いてみると、仕事復帰の前には、こんなお悩みを抱えることがあるようです。

「仕事復帰の前に、何を準備しておけばよいのだろう?」
「他のワーキングマザーは、復帰後どんな時間帯で働いているの?」
「職場の人は理解してくれるのだろうか?」

これらの悩みを抱えたままでいると、復帰へのモチベーションも上がっていきません。
そこで、一足先に育休明けの仕事復帰を済ませた先輩ワーキングマザーたちに話を聞いてみました。
それによると、これらの不安を解消するためには、次の5つの知識(時間・周りの理解・印象アップ・モチベーション・業務の事前準備)を持っておくと良いようです。
具体的には、どんな知識なのでしょうか。

1.先輩ワーキングマザーに習う「勤務時間」

1.先輩ワーキングマザーに習う「勤務時間」

まずはじめに知っておきたいことは「勤務時間」です。復帰後、どのような時間帯で働いているのか、先輩ワーキングマザーに聞いてみました。

「10時から17時で時短勤務しています。育児との両立をしたいので、制度を利用しました。フルタイムですと、保育園代も高額になってきますし、何より子供が寂しがるので時短を選択しています」(Aさん)

「産休前と変わらず、フルタイムで働いています。時短勤務ですと、手当やお給料が減ると説明を受けたからです。ただ定時には上がって、残りの仕事は自宅で行っています。仕事は産休前と変わらずなので、モチベーション高く働いています」(Bさん)

このように、育休明けはフルタイム勤務を選択する人も時短勤務を選択する人も、それぞれであるようです。ただ、前者の「時短勤務」について知識として持っておくことは、働き方を考えるうえで役に立つでしょう。あなたは「時短勤務」とは一体何か、正しく理解できているでしょうか?


時短勤務、つまり短時間勤務制度は1日の労働時間を6時間とするものです。厚生労働省の調査によると、時短勤務の制度を導入している事業所は、全体の61.3%(平成26年調査)。もしかしたら所属している企業で、時短勤務の前例がないかもしれません。しかし、厚生労働省が発表している「育児・介護休業法」という法律では、「短時間勤務制度」が定められています。

この法律のポイントは次の3点です。

  • ・事業主は、3歳に満たない子を養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる、短時間勤務制度を設けなければならない
  • ・就業規則に規定される等、制度化された状態になっていることが必要であり、運用で行われているだけでは不十分
  • ・短時間勤務制度は、1日の労働時間を原則として6時間(5時間45分から6時間まで)とする措置をする


つまりは、もし前例がなくても、仕事と育児の両立が必要な場合は「時短勤務」を選択する権利があるということです。復帰前に知っておきたい知識の一つです。

2.ワーキングマザーに重要な「周りの理解」を得る方法

2.ワーキングマザーに重要な「周りの理解」を得る方法

子育てをしながら働くには、「周りの理解」を得ることも必要です。
例えば、「時短勤務のため、夕方以降の会議や飲み会に参加ができない」「子供が病気になったときに、早退しなくてはならない」「業務時間外の対応が難しい」といった悩みに直面する方も多いようです。そんなとき、一体どのように周りの理解を得たのか先輩ワーキングマザーに聞いてみました。

「私は謙虚な気持ちと感謝の言葉を伝えるように気を付けています。時短勤務が当然の権利という姿勢ではなく、『いつもありがとうございます』という言葉を伝えることで、周りの理解を得やすくなります」(Aさん)

「私は自ら情報発信をするようにしています。同じ部署には社会人歴1年未満だったり、年配の男性だったりと様々な年代のメンバーがいるので、『時短勤務』やワーキングマザーの実態を知らないこともあります。そのため、子供のことや働き方などを時折話すようにしています。また、前例を作るという意気込みを見せるようにすると、若手の女性が味方をしてくれる、なんてこともあります」(Bさん)

このように「周りの理解」を得るためには、自分の姿勢を意識的に変えてみることがコツのようです。

当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、お互い気持ちよく働くためには、「謙虚な気持ちと感謝の心」「働き方についての自分の考え」を、ただ持っているだけではなく、周りに伝えることが大切です。こうした姿勢を持つことで、周囲の理解も変わってくるでしょう。

3.ちょっとした挨拶や振る舞いで「印象アップ」

3.ちょっとした挨拶や振る舞いで「印象アップ」

次に、職場での「印象アップ」の知識です。例えば、復帰前後の職場への挨拶は、誰にどんな挨拶をすればよいのでしょうか。また復帰後の印象を良くするためには直接なのか、メールなのか、という方法も悩ましいものです。先輩ワーキングマザーに聞いてみました。

「職場復帰直前に、赤ちゃんを連れて直接上司や同僚へ挨拶に行きました。これにより、復帰してからも周囲は和やかな雰囲気で迎えてくれるようになり、子育てママに対しての印象がアップしたように思います」(Aさん)

「私は、挨拶のために個別包装しているお菓子と個別のメッセージを用意して配っていきました。職場の近況を聞くこともできて、一石二鳥でした。また振る舞いについては、とにかく周りに感謝を伝えるようにしています。そうすることで、周りも応援してくれるようになります。こういった気持ちを伝えることが、印象アップに繋がったと思います」(Bさん)

このように、「印象アップ」させるためにはコツがあるようです。
職場での挨拶については、次のことも参考にしてみてください。

  • 前日まで:直属の上司へ電話で近況報告を含めて、挨拶をします
  • 当日:まずは上司へ直接挨拶をし、その後に所属部署や社内関係者という順番で挨拶をします。手土産を持っていくと、会話がしやすくなります。


社内への挨拶が済んだら、取引先へまずは電話やメールで仕事復帰をした旨を報告しましょう。誰へどんな内容なのか、または方法は何がベストなのかと考えると悩ましいですが、何より「これからの意気込みを伝える」ということを意識してみるとよいでしょう。

4.仕事と育児の両立の、「モチベーション」の保ち方

4.仕事と育児の両立の、「モチベーション」の保ち方

仕事と育児の両立は、しばらく続いていくものです。これまでよりも、ハードになることには変わりないので、「モチベーション」を保つコツを知っておくとよいでしょう。
経験者に話を聞いてみると、仕事復帰をするまでは「早く仕事を再開したい」と思っていても、復帰後は「こんなはずではなかった……」とモチベーションが下がってしまうこともあるようです。

具体的にはどんな原因で悩みを抱え、どのようにモチベーションアップをしたのでしょうか? 先輩ワーキングマザーに聞いてみました。

「復帰後は時間的にもハードですし、思ったような仕事ができなくて悩んでいました。ただ同じ職場のワーキングマザーの先輩と話をすることで、最初はみんなこんなものだなと吹っ切れました。今はモチベーション高く仕事と育児の両立をしています」(Aさん)

「完璧に両立しようと考えると気を張ってしまうので、週1回は気分転換をするようにしていました。土曜日の数時間は夫に子どもを預けて、ヨガ教室やママサークルに行っています。ワーキングマザー経験者とも話ができて、モチベーションアップに繋がっています」(Bさん)

「自分の仕事であっても、どうしても周りに頼らざるを得ない」「周囲が遠慮しているのか、大きな仕事が回ってこない」「時短勤務が理由からか、仕事の情報が入ってきにくい」など、状況が変わってしまうことがモチベーション低下の原因ということもあります。また、一方で仕事と育児の両立が時間的にも体力的にもハードで、疲れが溜まってしまう場合もあります。そんな状況での仕事と育児の両立ですと、「本当にこれからやっていけるのかな……」と思うこともあるかもしれません。一時的な悩みかもしれませんが、このようなことがあるとあらかじめ理解しておきましょう。しかし、このような悩みは多くのワーキングマザーが経験していることでもあります。モチベーションが下がったときは、先輩の話を聞くことで前向きになれたという方が多いようです。

5.効率UPをするための「業務の事前準備法」

5.効率UPをするための「業務の事前準備法」

「不安を解消するための知識」を4つ目までご紹介しました。
最後にもう一つ、知識としても持っておきたいことが、仕事効率アップの方法です。仕事復帰前には、業務に役立ちそうなパソコンなどのテクニックや知識を取得しておきましょう。そうすることで、職場でも有利な立場に立ちやすくなります。

例えばパソコンのスキルを学ぶなら、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)の資格が役に立ちます。仕事で良く使う「関数」「書式」「置換」等といった実践的なノウハウを学べるので、業務効率が格段にアップするでしょう。

また、ITの知識がつくITパスポートもおすすめです。出題される分野は3つに分かれます。まずITに関する法律や権利、経営戦略についての知識を学ぶことで、日常のIT周りの仕事に活かすことができます。また、システム開発やプロジェクトマネジメントなどといった情報管理を学んでおくと社内やお客様へ伝わりやすい説明や資料作成ができるということもあります。情報技術の習得では、アルゴリズムやプログラミングの知識の習得により、業務効率化や改善に繋げることができます。

これらの知識により、仕事の効率化はもちろんですが、同僚にテクニックを教えてみることで、「IT周辺の知識に詳しい」という印象を与えられたり、そうした影響でワンランク上の仕事が回ってきたりと、きっとプラスになることでしょう。

これらだけではなく、育休前に手を付けられていなかった業務に必要な知識や資格の勉強あるようなら、育休中の時間を使って学んでおくと、復帰後の仕事をより充実させることができるでしょう。

いよいよ仕事再開! 5つの知識を持っておけばもう大丈夫

いよいよ仕事再開! 5つの知識を持っておけばもう大丈夫

ここまで、仕事復帰前に知っておきたい不安解消のための「5つの知識(時間・周りの理解・印象アップ・モチベーション・業務の事前準備)」をご紹介しました。これらは、育休明けにスムーズに仕事復帰し、仕事と育児を両立させるには欠かせない知識です。

育休明けも満足度の高い働き方を実現するために、ぜひ参考にしてみてください。

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