「私の場合、愛犬のおやつは手作りと市販のものが半々ぐらいです。犬のごはんやおやつ作りを仕事にしていると与えるものはすべて手作りだと思われがちですが、時には市販の犬用おやつをあげることもあります」(いちかわあやこさん)
いちかわあやこさんが実際に愛犬にあげているというおやつをざっくりとご紹介すると、手作りのものには「自分が作ったレシピ全般(焼き菓子、プリンなど)」「温野菜」「茹でたお肉や卵」など、市販のものには「ジャーキー」「ボーロ」「魚の乾物」などがあるそう。毎日のおやつは「必ずコレ!」と決めずに、いろいろな食材や形状のものをローテーションするようにして、いろいろな栄養素を取れるようにしたり、食感の違いを楽しめるよう工夫したりするのがおすすめだと言います。
また、一日中家にいる日のおやつタイムは、大体お昼頃と夕方に与えることが多いそうです。
「我が家の犬たちはかなりの食いしん坊なので、要望のままにおやつを与えてしまうとカロリーオーバーになったり、栄養素の過不足が出てしまいます。『今日はおやつが増えそうだな……』と思う日は朝ごはんを少なめにしたり、おやつに温野菜を取り入れて調整しています。うっかり与えすぎてしまった日は、夜ごはんと翌日の食事を少なくするように心がけています」(いちかわあやこさん)
ちょっぴり手間のかかる愛犬のおやつ作りですが、それでも手作りする人が多いのは、そこに作る理由やメリットがあるからだと考えられます。
①自分で食材や作り方を選べる
愛犬の食の好み、体調、口の大きさなどに合わせて調整できることが手作りおやつの大きなメリットです。食感も硬いほうが好き、軟らかいほうが好きなど、犬によって好みもさまざまなので、そういった視点でレシピを選んだり自分で考えたりすることも可能になります。他にも、アレルギーや病気の関係で特定の食材を食べられない場合、市販のおやつでは対応が難しいことも。愛犬に合うレシピや、アレンジをしやすいレシピが見つかれば、おやつを探すストレスから解放されるかもしれません。
②保存料を使わない愛犬のおやつが作れる
市販の犬用おやつすべてに保存料が使われているわけではありませんが、流通させるにはどうしても保存料が必要になってしまうことがあります。手作りであれば、どのような形状のおやつでも保存料を使わずに作ることができるので、愛犬の健康管理にこだわりたい飼い主さんは、手作りすることも選択肢の一つです。
③愛犬との思い出を作れる
「愛犬の誕生日にケーキを作ってお祝いしてあげたところ、初めての食材を目の前にした愛犬のリアクションに思わず笑ってしまった」「料理中、愛犬が待ち遠しそうにこちらを見ていた」など、愛犬と手作りおやつにはたくさんのストーリーがあります。こうした愛犬との思い出が生まれるのも、犬のおやつを手作りするメリットです。
初めて犬のおやつを作る方、作ったことはあるけれど難しすぎて挫折してしまったという方にもおすすめの簡単なおやつレシピをご紹介します。スーパーマーケットで購入できる食材で、特殊な調理器具は使わないのでぜひ気軽に試してみてくださいね。
大定番!基本の犬用プレーンクッキー
材料:16個分(約5cm×3cmサイズ)
作り方
※レシピでできる量 約107g(1枚 約7g)
ミキサー不要!犬用バナナヨーグルトスムージー
材料:18cm×17cmのファスナー付き袋1つ分
作り方
※レシピでできる量 約170g
フライパンでOK!犬用ジャーキーふりかけ
材料:作りやすい量
作り方
※レシピでできる量 約100g
POINT
<手作りおやつを与える時の注意事項>
上記のレシピは健康な成犬に与えることを想定しています。初めて与える食材が含まれている場合は、必ず少量から与えて様子を見るようにしてください。病気がある、薬を飲んでいる、アレルギーがある場合は、相性の悪い食材もあるので事前にかかりつけの獣医師に相談してください。おやつとして与えることが目的のレシピは、ドライフード(主食)の代わりにはせず、間食として与えるようにしてください。
まずは愛犬の誕生日や家族になった記念日、クリスマスやお正月などイベントの時や、時間のある休日に手軽なレシピから始めてみるのはいかがでしょうか?最近は本や雑誌だけでなく、インターネットやSNS上でも、さまざまな犬用おやつのレシピを知ることができます。
たくさんあるレシピの中で、何を選べばいいか迷ったら、「愛犬の好きな(好みそうな)食材が含まれている」「自分の持っている調理器具で作れる」「材料、分量、作り方が明記されている」「愛犬にどれぐらい与えていいか、目安の量が書かれている」といったことを指標に選んでみてください。
それでも迷った場合、今与えているドッグフードに含まれている食材を使ったレシピを選んでみたり、ドッグフードへのトッピング作りに挑戦してみるみたりするのもおすすめです。
犬のおやつを作れることが飼い主としての評価を左右するものではないので、不安な場合や楽しく作れない時は無理をしないこともポイント。「愛犬と楽しく、健康に暮らす」という気持ちを大切にしてくださいね。