「気象予報士の資格を持つ美容ライター」という、稀有な存在である大貫さん。大学卒業後はエステ会社に就職し、主に広告を発注する仕事をしていましたが、「発注する側ではなく、何かを作る側になりたい」と、ライターとしてのキャリアをスタートさせました。
「もともと、大学時代にライター事務所でアルバイトをしていたんです。そこのスタッフの方に、出版社の方を紹介していただき、美容雑誌で記事を書くようになりました」(大貫未記さん)
折しも美容雑誌が続々と創刊されていた時期で、途切れることなく仕事が舞い込んできたと言う大貫さん。何年かしてライターの仕事に慣れてくると、『この記事だったら大貫さんに頼みたい』と思われるような「強み」が欲しいと感じるようになったそうです。
そんな時に、たまたま取材した医師や研究者から、「香水も湿度が高いと香りが強く出る」「低気圧が来ると頭痛が起こりやすくなる」などの話を聞き、「美容」や「健康」と「気象」が、密接に関わり合っていることを知ります。
「例えば、日焼け止めのお話一つをとっても、美容のことだけではなく、紫外線のことも分かる人が解説したほうが、説得力が出ると思ったんです。気象に関する知識は、美容ライターの仕事に十分に活かせると感じました。そこで、気象予報士の資格を目指すため、予備校に通うことを決めたんです」(大貫未記さん)
当時から難関資格と言われていた気象予報士。大貫さんは勉強開始から約1年半で合格したそうですが、その秘訣は何だったのでしょうか?
「予備校には週2回、平日の夕方と土曜日に2時間ずつ通いました。仕事を続けながらの勉強は決して楽ではなく、朝まで原稿を書いた日に授業に出なければならないのは辛かったですね。 挫けそうになったこともありましたが、授業を欠席してしまった時は講義DVDを見て勉強するなど、授業にはきちんとついていくよう努力しました」(大貫未記さん)
予備校で1年、その後、通信講座で半年勉強したそうですが、「独学だと合格は厳しかった」と振り返ります。
「合格できたのは、疑問点についてすぐにクリアにできる環境だったことが大きいですね。また、試験向けの解答の書き方など、合格のためのポイントを効率的に教わることができたのも大きかったと思います。試験のプロのサポートを受けられたことが、難関資格の合格につながりました」(大貫未記さん)
気象予報士の資格を取ったことにより、他の方にはない強みを持った美容ライターとして、仕事をもらえるようになったと言う大貫さん。雑誌でも自分の名前を冠した記事を書かせてもらえるようになるなど、その仕事には大きな影響があったそうです。また、それまではライターとして「取材する側」の仕事が中心だったのが、資格取得後は「取材される側」として、メディアに登場する仕事も入るように。
「例えば、ラジオでは、その日の天気に合わせた肌のケアの仕方を提案する企画を担当しました。他にも、肌と気象に関する専門家として、雑誌の誌面に登場したこともありますね。
これらの企画は、気象予報士の資格を取っていなかったら、お声掛けはなかったと思います。このような、自分にしかできない仕事ができた時は、苦労して資格を取った甲斐があったとうれしくなりますね」(大貫未記さん)
また、肌が天気の影響を大きく受けているということを、多くの方に知ってほしいと言う大貫さん。気象予報士の資格を取ったことで、そのことを伝えられる場が増えたこともうれしいそうです。
「私たちが子どもの頃に比べて、地球環境は肌にとって明らかに過酷になっています。紫外線が徐々に強くなっていることなどは、よく知られていますよね。他にも、アスファルトやコンクリートに囲まれている都市部は、昔に比べて湿度が大幅に低下しているんです。そんな事実を啓蒙しつつ、たくさんの女性がより美しくなるためのヒントを伝えられればいいなと思っています。
ただ、私は天気の予報は行っていないんですが、周りの方から『今年は暑くなりますか?』とか、カメラマンから『明日は晴れる?』とか、よく聞かれるようになってしまったのは想定外でした(笑)」(大貫未記さん)
そして大貫さんいわく、気象予報士の知識はプライベートでも役に立っているそうです。自分自身の美肌づくりにも積極的に活かしていると言います。
「気象予報士の資格を取ってからは、1日3回、湿度をチェックするようになりました。例えば、朝の湿度が低い晴れの日は注意が必要です。日中になって気温が上昇すると、湿度が下がってしまうんですよね。
朝の時点で湿度が60%を切っている場合は、日中の乾燥に備えて、朝から保湿マスクをするなどの対策をしています。他にも、春は風によってほこりが舞いやすく空気が汚れがちなので、定期的な毛穴掃除を習慣にしています」(大貫未記さん)
最後に大貫さんに、気象予報士の資格を取得することで実現した、ご自身のキャリアアップについて振り返っていただきました。
「私は子どもの頃から星を見るのが好きで、お年玉で初めて買ったのが天体望遠鏡だったんです。もともと天体などに興味があったことも、気象予報士の資格を取ることにつながっています。
私自身がそうでしたが、自分が好きなことなら学んでいて楽しいですし、少々大変でも続けられると思います。そうやって自分の興味を掘り下げて学び進めることで、世界が広がったり仕事が楽しくなったりするのはもちろん、自分の思いが形になりやすいんじゃないかなと思います」(大貫未記さん)
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