ビジネスに欠かせない報連相。報告・連絡・相談の略称ですが、それぞれの違いは何でしょうか。
報告
任務や指示を与えられた人が、経過や結果を上司に知らせること。頼まれた資料が完成した、業務の進捗があった、などがこれにあたります。
連絡
簡単な情報を関係者に知らせること。会議の日時や誰々から電話があった、などがこれにあたります。
相談
判断や意見を仰ぐために話し合うこと。1人で処理できないクレーム、チーム全体に関わるスケジュールの遅延など、自分の判断では進められない事案がこれにあたります。
報告・連絡・相談は、伝える中身によって名称が違うものの、全て情報を上司やチームの仲間に共有することを指しています。
「報連相をしない=情報を自分のところでとどめてしまう」ことで、メンバー間の認識のズレ、チームワークの効率低下など……さまざまな問題を引き起こしてしまいます。報連相は、これらを回避するために欠かせないものなのです。
逆に報連相がスムーズであれば、業務全体がスムーズに回るための、大きな助けになるといえるでしょう。
「伝えました」だけでは不十分。受け取った相手が確認・理解するところまでが報連相です。ここでは伝わりやすい報告・連絡・相談の仕方をご紹介します。
報告の仕方
結論・経過・状況をできるだけ簡潔にすることを心がけましょう。受ける印象が左右されないよう、私見はできるだけ挟まないようにします。もし私見を伝えるときは「これは私の意見ですが……」など、前置きして伝えるのがよいでしょう。
また内容が複雑な場合や、時間や数字といった重要な項目が入る報告は、メールやメモ、印刷した資料など手元に残る方法を選びつつ、緊急度が高い場合は口頭でも伝えます。
連絡の仕方
簡単な連絡は口頭で、必要に応じてメールなどで補足します。口頭では間違いが起きそうなものは、メールや紙ベースで行います。
大勢へ連絡する場合、対象者が集まる会議などで口頭で連絡できますが、不在者へのフォローや念押しを兼ねて、メールや回覧も送っておくと安心です。
相談の仕方
相手の判断材料になるように、持っている情報を全て伝えましょう。その上で、欲しいアドバイスの種類(どんな結果を求めているのか、どこに問題があるのか、何をしたらいいのか)を伝えると、より的確な返事をもらうことができます。
業務中はそれぞれが自分のスケジュールで動いています。作業の手を休めて聞く態勢になってもらえるよう、タイミングをはかり、適切なツールを使って報連相をしましょう。
冒頭で所要時間を伝える
「ちょっといいですか?」では、どのぐらい時間をとる話なのかはっきりしません。「10分ほどお時間よろしいですか?」と具体的な時間を提示する方法は、忙しい相手に効果的です。
何の話か冒頭ではっきりさせる
「◯◯の件で相談したいのですが、お時間ありますか?」など、最初に主題を伝えましょう。話の「難易度」が想像できれば、受け取る側も時間と心の準備をしてくれます。参考になるような資料があれば、事前にプリントアウトするなどして用意しておきましょう。
相手に合わせて保険をかける
あまり席にいない相手は、確認してくれたかどうかわからないことも多いもの。そんな時は「メールを送る+読んでくれるようメモを置く」「メモ+声がけや留守電を残す」など二段構えで保険をかけておきましょう。
報連相のそれぞれの違いは理解できたでしょうか?それぞれの違いを知ると、伝え方のポイントや注意点も納得しやすくなるのではないでしょうか。報連相で一番大切なのは、「伝えた」で終わらせるのではなく、どうしたら相手に伝わるのかを見極めて伝えること。スムーズな業務遂行のために、伝わる報連相を心がけましょう。
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