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2020.05.15

シンプルライフのプロ・金子由紀子さんに聞く、「持たない暮らし」のために守りたい4つのルール

シンプルライフのプロ・金子由紀子さんに聞く、「持たない暮らし」のために守りたい4つのルール

毎日忙しい、同居人がモノを捨てない、ミニマリストに憧れる......。モノを持たない暮らしをしたいけど、どうしたらいいかわからないと一歩を踏み出せないあなたのために、誰にでもできて、ずっと続けられる「私流・持たない暮らし」のための、たった4つのルールをご紹介します。

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金子由紀子さん流「ミニマリスト」「持たない暮らし」とは?

自宅にあるほとんどのモノを捨て去り、本当に必要最低限のモノだけで暮らす「ミニマリスト」が人気です。家具も持たず、家電も持たず、食器も衣類もほんの数点だけ。とても美しい暮らしだし、実際暮らせているのがすごい!  カッコいいけれど、忙しい毎日の中で実現しようとすると、なかなか難しい。
また、最近ますます増えつつある自然災害を考えると、あまりにもモノをそぎ落とした暮らしにはちょっぴり不安も……。

私が思う「持たない暮らし」は、年齢や体調に左右されず、時間やお金が必要以上になくても、都会に住んでいなくてもできる暮らし。誰にでも、ごく普通にできる暮らしです。
「持たない」というのは、「何もかも持たない」ことではなく、「好きでもなく、使ってもいないモノを持たない」こと。
例えば、二丁も三丁も持っているハサミを、お気に入りの一丁だけにする。サイズも流行も今の自分に合わなくなってしまった服を処分する。粗品のマグカップや、割れて片方だけになってしまったペアグラスを処分する。これだけでも、十分身の回りはスッキリするものです。
19世紀イギリスの室内装飾家ウイリアム・モリスの言葉、「役に立たないモノ、美しいとは思わないモノを家に置いてはならない」を判断基準にすれば、そんなにたくさんのモノは残らないはずです。

「持たない暮らし」を継続するための基本ルール

「持たない暮らし」を継続するための基本ルール

ごく普通に暮らせる「私流・持たない暮らし」ですが、いくつかのルールがあります。逆に、これさえ守れば不要なモノが生活の中に入ってこないし、出て行きやすいのでラクチンです。ごく普通に暮らしながら、モノが増えすぎることもなく、ずっと続けられます。

(1)もらわない……タダでもらうモノは、気を付けないと家の中をゴチャゴチャにする危険に満ちています。「粗品」「オマケ」「プレゼント」は、必要ないと思ったら「けっこうです」と断りましょう。もし断れない場合は(4)を参考にしてください。

(2)買うハードルを上げる……たとえ100円の商品でも、なるべく一度では買わないこと。ネットのレビューをリサーチするだけではなく、使っている人に実際に尋ねたり、百貨店や専門店の販売員に質問したり、商品についてじっくり調べてから買いましょう。

(3)なしで済ます方法を考える……何とかして、モノを増やさずに乗り切る習慣をつけましょう。安易に買ったりもらったりする前に、今持っているモノで代用できないか工夫したり、レンタルやシェアサービスを利用して借りるなど、モノを増やさずに済む代案を考えましょう。

(4)次の持ち主を探す……かつては愛用していたけれど使わなくなってしまったモノは、リサイクルショップやフリマアプリなどで次の持ち主を探しましょう。それでも引き取り手が見つからなかった時は、自治体のルールに従って廃棄してください。

家族にもルールを敷くべき?

家族にもルールを敷くべき?

自分が持たない暮らしを心掛けていても、家族や同居人がモノを持ちたがるケースは少なくありません。その場合、自分がいくら気を付けていても、家の中はゴチャゴチャしてしまいますね。そんな時はどうしたらいいのでしょうか。 基本的には、自分のルールを一方的に押し付けることはしない方がいいと思います。誰でも、自分以外の人の持ちものは意味のないムダなモノだと思いがちですが、持ち主にとって、モノは自分を構成する大切な要素なのです。「人はモノとセットである」ということを忘れてはいけません。
ですから、一緒に暮らす人との間で守るべきルールは以下の通りです。

(1)勝手に捨てない……相手の所有物について、これは絶対にやってはいけません。どうしても捨てなければならない場合は、“必ず“相手に了承を得てからです。それが無理でも、「捨てるね」と通告し、黙って捨てることがないようにしましょう。

(2)じっくり話し合う……とはいえ、住まいの面積には限りがあります。暮らしづらいほどモノをため込んでいる相手に対しては、どの程度減らして欲しいかきちんと訴え、時間をかけて話し合いましょう。共有のモノについては、家事をメインに担当する方がある程度決めていいでしょう。

(3)テリトリーをはっきりさせる……各自の所有物について、置いてよい領域をはっきり決めます。そこからはみ出したらレンタルスペースに移動させる(支払いは所有者)などの取り決めも必要です。

(4)ある程度はあきらめる……程度にもよりますが、「人はモノとセット」なので、その人を受け入れるなら、その人が持つモノもある程度は受け入れなければなりません。愛情がある限りにおいて、最終的にはあきらめることも必要です。

ムリのないルールで気持ちの良い暮らしを

ムリのないルールで気持ちの良い暮らしを

モノを減らせなくても、モノを少なく見せることはできる

仕事や暮らし方、一緒に住む人との関係で、どうしてもモノを減らすことができない人もいるでしょう。でも、今持っているモノを少なく感じさせて、家の中をスッキリ見せることは十分可能です。そのためのルールは以下の通り。

(1)床の上と食卓の上には直にモノを置かない……特に、床の上だけは死守しましょう。床にモノがないだけで、散らかり方は半減します。どうしても置かなければならない場合も、必ず(2)のルールに従って箱やカゴを使い、なるべく早めに片付けましょう。

(2)収納ツールの素材・色・サイズを統一する……可能ならば、作り付けの収納の中に全部収めたいところですが、ムリならば新たに導入する収納用具や家具は、それぞれ素材や色を統一します。特にカゴや箱は、なるべくスタッキングできる(重ねられる)モノを選びましょう。クローゼットで使うハンガーも種類がバラバラなものを使わず、薄物用・厚物用の2種類に統一するだけで収納力がアップします。

(3)大きな面積に使用する色を白または薄い色の無地にする……床・壁・天井、カーテンやソファなどに濃い色や柄物を使わないことで、同じ部屋でも面積が広く見えます。「無印良品」など、シンプルなデザインの商品を扱うお店の様子を思い浮かべてください。あんなに大量の商品が陳列されていても、売り場の陳列棚が同じ形の同系色を中心に構成されているのでスッキリ広々として見えます。あの手法を、自宅にも取り入れるのです。

「持たない暮らし」を楽しもう!

タオルは2枚だけ、靴は1足だけでも、十分に暮らせるのは確かです。問題は、「それが楽しいかどうか」ではないでしょうか。

「持たない」ことが重要なのではありません。

どんなにたくさんモノを持っていても、それをすべて管理できていて楽しめているのなら、問題なし。
でも、いつの間にか自分の持ちものを管理できなくなって暮らしが窮屈になってきたら、そのときこそ「自分流・持たない暮らし」に切り替えましょう。そして、「持たない暮らし」をめいっぱい楽しんで!

【執筆者プロフィール】
金子 由紀子(かねこ ゆきこ)さん
金子 由紀子(かねこ ゆきこ)さん
1965年生まれ。出版社での書籍編集者を経てフリーランスに。1973年、第一次石油ショックで大人たちの買いだめにショックを受ける。自らの出産・育児経験から「現実的なシンプルライフ」の構築の傍ら、All About「シンプルライフ」初代ガイドを務める。近著に『50代からやりたいこと、やめたこと』(青春出版社)、ほか著書20冊以上。
 

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