今、腸内環境を整える「腸活」が注目を集めています。腸にいい代表的な食品といえば、ヨーグルトや納豆、みそなどの発酵食品ですが、自宅で手作りするのはなかなか難しいですよね。そこでおすすめなのが、家にある野菜と果物に水のみを加えて発酵させて作る「ベジフル発酵ジュース」。砂糖を一切使わないのにおいしくて、見た目もカラフル!今回、そんなベジフル発酵ジュースの魅力を教えてくれたのが、美養フードクリエイターの岩田麻奈未さんです。
「もともとは私も砂糖を加えて発酵ジュースを作っていました。ただ、砂糖入りだとそのままでは飲めないので、薄める必要がありました。またジュースを取りだした後の野菜や果物も甘いので、ジャムくらいしかアレンジができなかったんですね。そこで、砂糖を減らして作ってみたところ、それでもちゃんと発酵することがわかりました。それなら砂糖なしでもいけるんじゃないかと思って、水だけで作ってみることにしたんです。結果、きちんと発酵し、素材が持つ自然な甘みのみなので、食材の組み合わせや残った具のアレンジなどが格段にしやすくなりました」(岩田麻奈未さん)
ベジフル発酵ジュースは、野菜や果物に常在している酵母や乳酸菌が、もともと素材に含まれている糖をエサにして発酵します。ジュースと一緒に増えた乳酸菌や酵母を摂ることで、腸内フローラの健康をサポートすることにつながります。
「基本的にはどんな野菜や果物でも作ることができます。ただ、発酵させるとはいえ非加熱になりますので、生で食べることのできないイモ類や梅は避けてください。また香りの強いネギ類、アクの強いほうれん草やゴボウなども、飲みにくい仕上がりになりますのでおすすめできませんね。また冷凍ブルーベリーなど、冷凍食品は発酵しませんが、色味をプラスしたり、おいしさをアップさせるためにプラスするのはいいと思います。ぶどうなど皮のついた食材は切らないと発酵に時間がかかりますので、小さくても切って入れるようにしてくださいね。初心者は、リンゴやトマトがどんなものと組み合わせても飲みやすくできるので、おすすめです。整腸作用があるので、お通じの調子が良くなるのはもちろん、長く続けると美肌効果もあると思います。ジュースの方だけでなく、ジュースと分けた後の具にも良い菌が豊富なので、そちらもぜひアレンジして余さず食べてくださいね」(岩田麻奈未さん)
ベジフル発酵ジュースの作り方はとっても簡単!岩田さんおすすめの3レシピをご紹介する前に、まずは共通の作り方を確認しましょう。
すべてのベジフル発酵ジュース共通の作り方
※きちんと瓶の下処理ができていなかったり、撹拌するスプーンなどに雑菌がついていると傷んでしまうことがあるため注意してください。
「できたジュースは発酵しているので、微炭酸のようなシュワシュワ感があります。はちみつやオレンジジュースなどを加えると、飲みやすさがアップするので、もし飲みにくさを感じたり、お子さんと一緒に楽しみたい場合はおすすめです。ジュースや残った食材をすぐに消費できそうにない時は、一般的に菌は低温に強いため冷凍してしまってOK。共同研究している東京農業大学の調査では、ベジフル発酵ジュースには漬物などと同様の植物性乳酸菌や酵母がいることがわかっています」(岩田麻奈未さん)
続いて、岩田さんがおすすめする、初心者でも作りやすい&飲みやすい、さらにビジュアルでも楽しめる3レシピをご紹介します。
リンゴとトマトのベジフル発酵ジュース
材料
作り方
岩田さんおすすめのアレンジ
ジュースをこした後の具材に市販のキムチの素を大さじ2~3、お好みで細かく切ったニラを加えよく和えてキムチにする(冷蔵庫で保存も可)。
オレンジとニンジンのベジフル発酵ジュース
材料
作り方
岩田さんおすすめのアレンジ
ジュースをこした後の具材は、ミントを取り除き、ニンジンとオレンジをオリーブオイル、カッテージチーズなどと和え、塩、コショウで味を調えてサラダに(冷蔵庫で保存可)。
セロリとグレープフルーツとブルーベリーのベジフル発酵ジュース
材料
作り方
岩田さんおすすめのアレンジ
ジュースをこした後の具材は瓶に戻し、食材がしっかり浸るように豆乳を入れて常温で2~3時間放置する。冷蔵庫に移して一晩寝かせるとヨーグルトが完成。
今回、この岩田さんおすすめの3種類のベジフル発酵ジュース作りを、人気インスタグラマーのTammyさんに挑戦してもらいました!Tammyさんは、インスタグラムやブログで日々の丁寧な暮らしとおうちごはんについて発信しています。
「最初は、『ベジフル発酵ジュースって?』と不安に思いながら、ジュース作りをスタート。仕込みが終わり、2日目に撹拌するために蓋を開けるとポン!と音がして発酵していることを『耳』で確認できました。毎日少しずつ食材が浮き上がって、気泡もプクプクと上がってきます。ポン!の音が大きくなるにつれて、出来上がりがどんどん楽しみになっていきました。出来上がってみると何も難しいことはありませんでした。これなら初心者でも簡単に作れますね!」(Tammyさん)
普段から、あまり飲み物に砂糖などを入れない派だというTammyさん。実際にジュースを飲んでみて、その味がすっかり気に入ったとのことです。
「初めて飲む味!すーーーっと喉から胸にかけて染み込んでいって、これはもっと飲みたいと思う味わいでした。作られた味ではなくて自然から生まれたものだから体の中に染みていく感じがするんですかね。食材の組み合わせによって、味が全然違うのもまたおもしろい!これはもっと作ってみたい、もっと勉強してみたいと思うジュースでした。今まで知らなかった新しいドアを開けてしまったような感覚です!
普段からインスタをやる上で、その時の空気感も一緒に写せるように心がけています。平坦な写真でなく、シズル感や臨場感、その時間やその場所の空気感も一緒に写せるといいなぁと思いながら写真を撮っています。その点、ベジフル発酵ジュースは、野菜や果物の自然な鮮やかさ、フレッシュさが写真でもわかりやすいです。最近は、免疫力をつける、体をいたわることの大切さをあらためて考える機会が増えていますので、より発酵食品や体が喜ぶ食べ物を勉強して多くの人に伝えられたらなぁと思っています」(Tammyさん)
初めてでも簡単で、家にある食材でアレンジもしやすいベジフル発酵ジュース。「腸活」の一環として、ぜひ挑戦してみてくださいね。