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2019.09.04

いつもの料理にひと手間加えるだけ!おいしさアップのコツを食生活アドバイザー(R)が教えます

いつもの料理にひと手間加えるだけ!おいしさアップのコツを食生活アドバイザー(R)が教えます

いつもの料理にひと手間加えるだけで、おいしさがぐんとアップするって知っていますか?今回は、「ふつうごはん」をさらにおいしくするコツについて、食生活アドバイザーのKOICHIさんに伺いました。あなたも早速、今日の献立に活かしてみませんか?

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毎日の食卓からおいしくヘルシーに。「ふつうごはん」をランクアップさせよう

毎日の食卓からおいしくヘルシーに。「ふつうごはん」をランクアップさせよう

日々の健康管理を含めた食生活全般を、独自の視点からアドバイスし、食のスペシャリストとして活動するKOICHIです。毎日食べるものだからこそ、おいしく、ヘルシーに味わいたい。そんな理想の食生活を追求し、ちょっとしたひと手間で普段の味わいが格段にアップするレシピを発信しています。

私が料理で何よりも大切にしているのが、下準備のひと手間です。例えば、野菜はアク抜きを怠ると見た目がよくないだけでなく、味にも悪影響を及ぼします。調理前にアクを取り除いておくことは、味わいのある料理に仕上げるための基本です。
またコンニャクならアク抜き、豆腐なら水切り、油揚げなら油抜きをしておくだけで、味が染みておいしくなります。ホウレンソウやタケノコも、下ゆでしてしっかりアク抜きをすることで、カルシウムの吸収を妨げるシュウ酸を取り除くことができます。

さらに、栄養面を高めるなら、相性の良い食材と調味料選びが重要になります。食材は組み合わせ方次第で、おいしさと栄養面に差が出ます。例えば、トマトに多く含まれるリコピンは、オリーブオイルやアボカド、ナッツ類などに含まれるビタミンEと組み合わせることで、リコピンの吸収率がアップします。このリコピンや、ニンジンやホウレンソウ、ブロッコリーなどに含まれるβカロテンは、油で炒めることで抗酸化作用を高めることができます。また牛乳や生クリームを使う料理には、シャケや干しシイタケ、キクラゲを組み合わせることで、骨粗しょう症の予防効果が期待できると言われています。

では、次はおいしいの強化について。いつもの「ふつうごはん」がレストランのような味わいになる、とっておきの実践テクニックをご紹介していきましょう。

食材別、おいしさを引き出すコツとは?

食材別、おいしさを引き出すコツとは?

味わいの基本となる「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」の5つの味を上手に活かすことが、「ふつうごはん」を格段においしくするコツです。また、数種の味を合わせると、互いに作用して、味に変化をもたらします。コンブとカツオの合わせダシでうま味を増したり、塩によって甘味を強めたり、食材や調味料の組み合わせで、より効果的においしさを引き出すことができます。味付けの他にも「ふつうごはん」をおいしくするポイントを簡単にご紹介します。

野菜のおいしさは、切り方で引き出す

野菜本来の栄養を損なわずに摂取するには、栄養豊富な皮はむかないことが大原則です。切り方によって、同じ野菜でも全く異なる食感が味わえます。

いつもの料理にひと手間加えるだけ!おいしさアップのコツを食生活アドバイザー(R)が教えます

どのような切り方でも加熱時間が短いと辛味を感じやすく、風味もよくありません。甘味やうま味はしっかり炒めたり、煮込んだりすることにより、引き立つものなのです。ピーマンは苦味の強い種やワタを取り除き、縦切りにしっかり火を通せば、野菜嫌いを克服できる可能性も高まるはずですし、ニンジンやナスは油で加熱することにより、栄養成分の吸収率をアップさせることができます。さらに、変色しやすい野菜は少量の油にしばらく馴染ませてから炒めると、火の通りが早くなり、変色防止にもなりますよ。

肉や魚は下準備と焼き方にコツあり!

肉や魚を焼く前の下準備で大切なのは、塩をふって、しばらく放置することです。この時に身の表面から浮き出てくる水分は、特有の生臭さや雑味の原因となり、食材本来のおいしさを損なわせてしまいます。余分な水分をペーパータオルでしっかり拭き取って、臭みや雑味を抑えることがおいしさの秘訣です。

いつもの料理にひと手間加えるだけ!おいしさアップのコツを食生活アドバイザー(R)が教えます

肉や魚を焼いた時に出る水分は、うま味成分たっぷりの肉汁が主です。焼く際は、なるべく低温で調理し、余分な水分の流出を避けましょう。細胞繊維の収縮を抑える低温調理なら、ジューシーに味わうことができます。

ひと手間加えるだけで、おいしさがアップ!激うまレシピ4選

4種のキノコとトマトのコク旨ハッシュドビーフ

いつもの料理にひと手間加えるだけ!おいしさアップのコツを食生活アドバイザー(R)が教えます

市販のルーやデミグラスソースなどがなくても、中濃ソースやウスターソースでおいしくできます!数種類の果物や野菜が熟成されたソースにトマトが加わることで、より深みのある味わいに。さらに、バターやトマトペースト、ハチミツを使うことでコク旨に仕上がります。

●おいしさをアップさせるためのひと手間

タマネギは電子レンジでチンして水分を飛ばすことにより、辛味が消え、うま味がぐ~んとアップしますよ。

●下準備のコツ

牛肉は食べやすい大きさに切り、塩(小さじ1/3)をふりかけて3分間放置。肉から出てきた余分な水分をペーパーで拭き取り、軽く塩とコショウをふって馴染ませておく。

材料(3人分)

  • 切り落とし牛肉……200g
  • タマネギ……1玉
  • マッシュルーム……6個
  • マイタケ……150g
  • ブナシメジ……100g
  • エリンギ……6本
  • パセリ……少量
  • ニンニク……1かけ
  • ローリエ……1枚
  • 赤ワイン……150ml
  • トマトペースト……18g
  • トマト缶……400g
  • ハチミツ……大さじ1と1/2
  • 塩、コショウ……少々
  • 顆粒コンソメ……小さじ1
  • バター……10g×3
  • 小麦粉……適量
  • A:トマトケチャップ……大さじ3
  • A:中濃ソース……大さじ2
  • A:ウスターソース……大さじ2

作り方

  • 1:タマネギは縦に薄く切り、耐熱ボウルに入れ、バター(10g)をのせて、電子レンジ(500W)で10分加熱し、混ぜ合わせます。
  • 2:加熱している間にマイタケとブナシメジは小房にほぐし、マッシュルームは縦5~6等分に、エリンギは縦3mm幅の横半分に切ります。フライパンにバター(10g)を溶かし、すべてのキノコを入れ、軽くコショウをふって強火でサッと炒めます。
  • 3:鍋にバター(10g)を弱火で溶かし、両面に小麦粉をまぶした牛肉を広げて並べ、焼きます。
  • 4:牛肉が色づいたら、みじん切りのニンニクと「1」と「2」を加えて中火で1分炒めます。火を弱めたら赤ワインを注ぎ、強めの弱火でひと煮立ちさせ、顆粒コンソメを加えて混ぜ合わせます。そのまま蓋をして、とろ火で10分加熱します。
  • 5:蓋を取り、鍋にトマト缶、トマトペースト、合わせた「A」を加え、混ぜ合わせます。ローリエを入れ、中火でひと煮立ちさせたら、隙間が少し開くように蓋をして、強めの弱火でさらに10分煮込みます。
  • 6:蓋を外し、隠し味にハチミツを加え、混ぜながら弱火で3分ほど煮込んで火を止めます。あったかいごはん(分量外)を盛ったお皿にたっぷりかけて、刻んだパセリを散らしたら完成です。

やわらか鶏むね肉と2種のキャベツのコールスローサラダ

いつもの料理にひと手間加えるだけ!おいしさアップのコツを食生活アドバイザー(R)が教えます

高タンパクで低脂肪の鶏むね肉には、イミダゾールジペプチドという成分が豊富に含まれ、筋肉に溜まっている疲労物質の乳酸を効率よく取り除いてくれます。肉体疲労だけではなく、精神疲労にも効果があると言われ、クエン酸を含んだ食材と一緒に摂取することにより、疲労回復効果が高まります。今回はお酢を使っていますが、レモンなどの柑橘類でも代用できます。

●おいしさをアップさせるためのひと手間

鶏むね肉にきび糖を馴染ませておけば、パサつきのないジューシーな味わいになります。

●下準備のコツ

鶏むね肉の両面をフォークで突いて塩(小さじ1/2)を全体にふり、5分ほど置いて余分な水分を拭き取ります。その鶏肉を保存袋に入れ、混ぜ合わせた「A」を加え、よく手揉みして、30分以上馴染ませます。

材料(2人分)

  • 鶏むね肉……350g
  • キャベツ……1/4玉(葉5~6枚)
  • 紫キャベツ……少量
  • タマネギ……1/2玉 (あれば新タマネギ)
  • ニンジン……5~6cm
  • 塩、コショウ……少々
  • 酒……大さじ2
  • 炒り金ゴマ……小さじ2
  • A:きび糖……大さじ3
  • A:水……大さじ3
  • B:マヨネーズ……大さじ3
  • B:オリーブオイル……小さじ2
  • C:おろしニンニク……小さじ1/3
  • C:煉りゴマ……大さじ3
  • C:きび糖……小さじ2
  • C:ドレッシングビネガー……小さじ2
  • C:醤油……小さじ2

作り方

  • 1:キャベツと紫キャベツ、ニンジンは千切りに、タマネギはスライサーで薄切りにします。切った野菜をボウルに入れ、塩(小さじ1/3)で軽く手揉みして、3分ほど置き、余分な水分を取り除きます。そこに混ぜ合わせた「B」を加え、味付けをしてコールスローを作ります。
  • 2:下準備した鶏むね肉を耐熱容器に入れ、塩、コショウを全体に軽くふって手揉みし、酒をふってラップをかけたら電子レンジ(500W)で5分加熱します。さらに、その余熱で調理するため、電子レンジ内に5分放置し、蒸し鶏を作ります。
  • 3:混ぜ合わせた「C」に蒸し鶏から出た肉汁を加え、お好みの味に調整して、ゴマドレッシングを作ります。
  • 4:蒸し鶏は1.5cm幅に斜め切りします。
  • 5:お皿に「1」のコールスローを入れ、中央に蒸した鶏肉をのせて「3」のゴマドレッシングをかけます。仕上げに炒り金ゴマを散らしたら完成です。

なめらかでコク旨!やみつきポテトサラダ

いつもの料理にひと手間加えるだけ!おいしさアップのコツを食生活アドバイザー(R)が教えます

ジャガイモの栄養素をムダにしないためにもゆで汁は捨てずに火加減を調整しながら煮詰めていくのがポイント。ジャガイモを溶かすように煮詰めていけば、本来のおいしさと栄養素を損なうことなく、バランスの優れたクリーミーでおいしいマッシュポテトに仕上がりますよ。

●おいしさをアップさせるためのひと手間

マッシュポテトにバターと牛乳を加えれば、まろやかでコクある旨さにグレードアップします。

●下準備のコツ

タマネギはみじん切りにして、電子レンジ(500W)で1分加熱することで、辛味を抑え、甘味をアップさせます。加熱後は粗熱が取れるまで冷まします。キュウリは塩(小さじ1/4)をまぶし、板ずりをして3分ほど置いてから、軽く水洗いして、青臭さや苦味を取り除いたら、薄く輪切りにして軽く水分を絞り出します。

材料(5~6人分)

  • ジャガイモ……500g
  • ロースハム……5~6枚
  • タマネギ……1/2玉
  • ニンジン……1/3本
  • キュウリ……1本
  • 卵……2個
  • 塩、コショウ……少々
  • バター……10g
  • 牛乳……大さじ2と1/2
  • ドレッシングビネガーまたは米酢……大さじ3
  • オリーブオイル……大さじ1
  • マヨネーズ……適量

作り方

  • 1:卵は固ゆでにして、殻をむいて粗みじん切りにします。
  • 2:ニンジンはイチョウ切りにして、やわらかくなるまで塩ゆでをして、ザルにあげて湯切りします。ロースハムは1cmの正方に、ジャガイモは火が通りやすい大きさに切ります。
  • 3:ジャガイモは小鍋に入れ、ひたひたに水を注いだら、塩(小さじ1/2)を加え、強火にかけます。沸騰したら吹きこぼれしない程度に火を弱め、ゆでます。
  • 4:ゆで汁が少なくなっても捨てずに、弱火でジャガイモを溶かすように、ヘラで混ぜながら煮詰めていきます。ジャガイモが固まりだしたら、とろ火にしてゆで汁がなくなるまで煮詰め、火を止めてスプーンでジャガイモを潰します。
    ※焦げつかないように注意してください。
  • 5:潰してマッシュポテトになったジャガイモにバター、牛乳、ドレッシングビネガーまたは米酢を加えて混ぜ合わせます。軽くコショウをふり、オリーブオイルを加えて混ぜ合わせ、 なめらかにします。
  • 6:大きめのボウルに移し、ロースハムと野菜を加え、ザクッと混ぜ合わせます。最後に、みじん切りのゆで卵を加え、マヨネーズで味を調えたら完成です。

トマトとナスの豚肉生姜焼き

いつもの料理にひと手間加えるだけ!おいしさアップのコツを食生活アドバイザー(R)が教えます

抗酸化作用があるトマトのリコピンとナスのアントシアニン(ナスニン)に、らっきょうやタマネギに含まれるアリシンが加わることで、豚肉に豊富に含まれるビタミンB1の吸収を高め、疲労回復に効果を発揮する滋養たっぷりのメニュー。また、コンブやトマトに多く含まれるグルタミン酸は豚肉が持つイノシン酸との相乗効果により、一層のおいしさを引き立ててくれます。甘酢らっきょうがほのかに香る新感覚の生姜焼きです。

●おいしさをアップさせるためのひと手間

火が通るまで、じっくり弱火で焼くことが豚肉をやわらかく仕上げるポイントです。

●下準備のコツ

常温に戻した豚肉をバットにのせ、塩(小さじ1/3)をふり、3分ほど置きます。肉から出てきた余分な水分を拭き取り、軽く塩コショウをして 食材の下ごしらえが終えるまで馴染ませます。

材料(2人分)

  • 豚肉生姜焼き用……240g
  • タマネギ……1玉
  • ミディアムトマト……4個
  • ナス……2本
  • 甘酢らっきょう……10粒程度
  • 塩……小さじ1/3と少々
  • コショウ……少々
  • 小麦粉……適量
  • オリーブオイル……大さじ1
  • A:酒……大さじ2
  • A:みりん……大さじ2
  • A:砂糖……大さじ2
  • A:醤油……大さじ2
  • A:すりおろし生姜……1かけ分

作り方

  • 1:ナスはヘタを切り落とし、皮に浅く斜めの切り込みを入れ、縦4等分の横3等分に切ります。酢水(分量外)を張ったボウルに3~5分浸してアクを取り、水気を拭き取り、軽く塩をまぶしておきます。タマネギはくし形に切り、トマトは縦4等分の横半分に切ります。
  • 2:下味をつけた豚肉(下準備のコツ参照)に小麦粉をまぶし、軽くはたいて、オリーブオイルを温めたフライパンに並べて、強めの弱火で軽く火が通るまで焼きます。
  • 3:半分くらい火が通ったら、肉の上にタマネギと甘酢らっきょうをのせ、混ぜ合わせた「A」をまわしかけて煮詰め、豚肉に火が通ったら、豚肉を返して、弱めの中火にして煮詰めます。
  • 4:タマネギがしんなりしたら、トマトを加えて1分ほど煮詰めてから、ナスを加え混ぜ合わせます。ナスに火が通って、やわらかくなったら完成です。

いつもの料理をよりおいしく食べて、カラダの中から健康に!

毎日の食事は、私たちが健康で楽しく充実した生活を送るために欠かせないものです。食事の取り方によっては、心とカラダの状態に変化をもたらすこともあります。だからこそ毎日食べる「ふつうごはん」が大切なのです。食材の特性を活かした、ヘルシーでおいしい味わいを自宅で楽しんでみてはいかがでしょう。

プロフィール
KOICHIさん
食生活アドバイザーとカラーコーディネーターの資格を持つ大阪在住の料理ブロガー。健康維持のための食事の摂取、日本の食文化、料理レシピなど、「食卓をカラフルに、カラダヘルシーに。」をコンセプトとした情報を発信している。ameba公式トップブロガー/レシピブログ ネクストフーディスト1期生
 

料理の失敗エピソードを大公開!家庭料理のプロのアドバイスもご紹介します

 

「料理に自信がない」という方は、過去に失敗したエピソードがあるのではないでしょうか。その記憶が頭から離れず、「また失敗したら嫌だなぁ......」と、料理を敬遠してしまっているかもしれません。今回は、……

 
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