食材を長期保存できる「漬物」は、その種類も豊富。塩漬け、糠漬け、粕漬け、味噌漬け、酢漬けや辛子漬け、さらに変わり種ではビール漬けなど、実にさまざまな種類があります。
「主に野菜を調味料で漬けたものを漬物と言いますが、その魅力は食材を長期間保存できる点だけではありません。人間に必要な栄養であるミネラルやビタミンのほか、整腸作用を促す食物繊維や、乳酸菌が摂取できる、実に優れた調理法なんです。」(じゅんちゃんさん)
じゅんちゃんさんによると「漬物は、主に旬の野菜と漬け床で作りますが、その組み合せや分量によって、保存期間はもちろん、味や風味、栄養的にも作り分けができる」とのこと。例えば、梅の塩漬け(梅干し)やニンニクの醬油漬けは何十年というスパンで保存でき、白菜やシソ、レタスなどの傷みが早い葉野菜も、漬物にすることによって賞味期限を延ばすことも可能になるそうです。旬の新鮮な野菜をたくさん購入して、サラダや鍋などを楽しんだり、漬物にしておけば無駄がありませんね。
そして栄養面。
「塩漬けはミネラル、糠漬けはビタミンB1、粕漬けは食物繊維やタンパク質が豊富です。そこにビタミンやミネラルが豊富な旬の野菜、例えばベータカロテンが豊富なニンジン、鉄分が豊富な小松菜など好きな食材を組み合わせることによって、栄養補給がしやすくなります」(じゅんちゃんさん)
粕漬けや味噌漬け、わさび漬けなどは栄養だけでなく漬け床特有の風味も加わり、よりおいしく漬物が楽しめるというわけです。
おいしくて体にも良い漬物ですが、「いざ自分で作る」となるとどうでしょう?例えば準備するものが多いイメージがあったり、保存する場所があるか心配したり、ハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか?じゅんちゃんさんによると、いくつかのポイントを守れば、漬物初心者でも失敗なくおいしい漬物ができるそうです。
「おいしい漬物作りに大切なことは、新鮮な旬の食材を手に入れたら、早めに調理をすることなんです。水分の多い野菜は、塩漬けや天日干しなどで余計な水分を抜き、その後調理することで、おいしさと保存性がアップします」(じゅんちゃんさん)
じゅんちゃんさんが挙げてくださったポイントを7つご紹介します。
例えばワンルームマンションにお住まいの方でも、冷蔵庫を保存場所にすればスペースもあまり取りませんし、温度管理もしやすいです。重石をして作る塩漬けなどは重石の重量を食材の2倍にすることが理想ですが、重石は水を入れたペットボトルなどでも代用できるので、わざわざ購入する必要もありません。ここで初心者でも簡単にできて、おいしい漬物のレシピを教えていただきましょう!
食感最高!キュウリのはりはり漬け
材料:2~3人分
※キュウリは、細身で新鮮なものを選ぶ。
<漬け汁>
※味にコクを出し、よりおいしく作るためには、ザラメか三温糖がおすすめ。
作り方
食材と漬け床の組み合せで無数の広がりを見せてくれる漬物。漬物にするとキラリと光る食材が、私たちの身の回りにはまだまだあるのではないでしょうか。
「レタスやパプリカ、オクラの味噌漬け、切り干し大根の醬油漬け、春菊の中華風醬油漬けなどは、おかげさまでブログの読者様やYouTubeの視聴者様からたくさん反響をいただいたんですよ」(じゅんちゃんさん)
“漬物の素材”という発想がなかなかないものにもあえてトライするじゅんちゃんさん。試行錯誤を繰り返す中で、おいしくてより健康的な漬物も誕生しているようです。
「発酵食品の代表格である味噌とヨーグルト。この二つは発酵食品仲間ということで相乗効果があり、味の相性もとても良いため漬け床にしてみました。また工夫したのは甘味です。砂糖の代わりに、これも発酵食品である甘酒をプラスしたところ、味も風味もさらに良くなりました」(じゅんちゃんさん)
味噌(酵母)とヨーグルト(乳酸菌)の働きにより腸内環境が良くなり、結果として不要物を排出し、痩せやすくなるそうです。有益な腸内細菌は、オリゴ糖や食物繊維を発酵し、ダイエット効果があるといわれる短鎖脂肪酸を作ります。甘酒の成分には、オリゴ糖も確認されているそうです。
実はこの漬け床、野菜のみならず、ゆで卵にもピッタリとのこと。さらに、このゆで卵の固さを半熟にすると、チーズのような味わいになるそう。みなさんにも、そのレシピをご紹介したいと思います!
ゆで卵の味噌ヨーグルト漬け(卵の固さはお好みで)
材料:2人分
<漬け床>
※甘酒はできれば自家製が望ましいが、市販のものでもOK。
作り方
※漬け込んで2時間後くらいから食べることができるが、2日間置くとさらに味がなじんで、おいしくなる。
※味噌は洗い流さずにそのまま食べると、栄養素をすべて体に取り込めるのでおすすめ。
一人暮らしをしていると、外食が多くなったり、料理を作る時間がなくてお惣菜を買ってきたり、作ったとしても単品の料理で済ませたりしがち。どうしても野菜不足、栄養不足が気になります。そんな場合にも役立つのが漬物です。お休みの日や、気分転換したいときに作り置きして、食事の際に冷蔵庫から出して一品加えるだけで食卓が変化します。「私はお弁当派」という方であれば、手作りの漬物をお弁当に加えるのも良いですね。
「漬物の良さは、それ一品で多様な栄養が摂れる点です。野菜の他にもレンジでチンしたキノコ類や、切った長芋などもおいしく漬けることができ、それによって水溶性の食物繊維を摂取できるようになります」(じゅんちゃんさん)
風邪予防はもちろん、美肌対策や便秘対策にも、ぜひ漬物を毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、元気に仕事に向かうためにも、朝はタンパク質が豊富な食事が大切。前述したゆで卵の味噌ヨーグルト漬けはおすすめです。他にも、ストレスや不眠に良いとされる玉ねぎの味噌漬けを夕食に取り入れたり、ビタミンCが豊富な赤パプリカの味噌漬けで風邪対策をしたり。また、美肌効果や貧血予防には鉄分豊富な小松菜がベター。ここでは、小松菜の栄養が丸ごと摂取できるピリ辛の漬物をご紹介します。
小松菜の醬油ピリ辛漬け
材料:2人分
※1 可食部の重さ
※2 味にコクを出し、よりおいしく作るためには、三温糖がおすすめ。
作り方
初心者でも簡単に作れて、おいしく健康にも良い漬物。ぜひ、チャレンジしてみてください!