美しいヒップは、女性にとっての憧れ。キュッと引き締まった上向きのお尻に憧れるものの、年々重力に負けて垂れていくお尻を目の当たりにして「私には無理か……」と諦めていませんか?
「垂れたお尻を放っておくと、形はどんどん崩れ、お尻が太ももと一体化して、残念な後ろ姿になってしまいます……。でも、『肛筋』を鍛えれば、誰でも簡単に美尻が手に入るんです!」
そう話すのは、肛筋トレーナーとしてテレビや雑誌に引っ張りだこの、久嬢由起子さん。うっとりするほど、丸くてプリッと上がった美尻の持ち主です。肛筋トレーナーということですが、そもそも『肛筋』とは、どこの筋肉を指すのでしょうか?
「『肛筋』とは私がつくった言葉で、『肛門括約筋』や『肛門挙筋』といった肛門まわりの筋肉の総称です。骨盤を下からハンモックのように支える『骨盤底筋群』の大部分は肛門まわりの筋肉で構成されているため、骨盤を安定させる筋肉の要とも言えます。
『肛筋』は日常生活でほぼ使われないため、筋肉の中でもかなり衰えやすいところ。垂れ尻にならないためには、肛門をキュッと締めながら簡単な動作を行う『肛筋ストレッチ』で、日頃から意識的に鍛えることが大切です」(久嬢由起子さん)
肛筋を鍛えることで、ヒップトップが上がる理由
肛筋を鍛えると……
結果、お尻と太ももの境目がくっきりしたメリハリあるヒップに!さらに全身のダイエット効果が期待できるのも、肛筋ストレッチの大きな魅力です。
「全身の筋肉の7割程度は、お尻から太ももにかけてついています。肛筋ストレッチは、それらの大きな筋肉を効率よく鍛えることができるため、基礎代謝がグンと上がり、痩せやすい体へシフトします。
また肛筋を鍛えれば、肛門の開閉がスムーズになり、便もするっと出しやすくなるでしょう。便秘改善はもちろん、老廃物の排出システムも整うので、美肌効果も期待できますよ」(久嬢由起子さん)
肛筋の重要性は分かったものの……、いざ「肛門をキュッと締めて」と言われても、どう肛筋を動かしていいのか感覚がつかめず、お尻の筋肉ばかり動かしてしまう人が多いそうです。肛筋を確実に鍛えるためにも、まずは肛門を締める感覚をつかみ、自分の肛筋がどれくらい衰えているか、確認してみましょう。
肛筋ゆるゆるチェック
CHECK1:肛門にキュウウウッと力を入れることができますか?
肛門に力が入る感覚が分かりますか?
また、お尻の筋肉だけを使って肛門を締めていませんか?肛門から入ってきた糸を頭頂まで、ねじりながら引っ張り上げていく。その感覚が、正しく肛筋を締めている感覚です。
CHECK2:肛門からふううう……と力を抜くことができますか?
排便直後の肛門をイメージ。全身の力を抜くのではなく、肛門をゆるめる感覚がつかめますか?
CHECK3:お尻でペンを挟むことができますか?
お尻の間にペンを挟んで、8秒キープできるかをチェック!
ペンを抜いた時に、するっと抜けてしまったら、お尻のお肉でただサンドしているだけ。少しでも引っかかるような感覚があれば、肛筋に正しく力が入っている証拠です。
自分の肛筋を意識できるようになったら、早速、肛筋ストレッチにチャレンジしてみましょう。
まずは、基本のストレッチから。「肛筋ゆるゆるチェック」で、「肛筋の衰えを感じた」「肛門を締める感覚が分からなかった」という方は、重点的に行いましょう。ストレッチは8秒×3セットで実践してください。負担なく行えるはずです。
基本のストレッチ1:肛筋の感覚をつかむストレッチ(8秒×3セット)
「呼吸を止めると体に負荷がかかるので、リラックスしながら行ってください。ペンは何でもOKですが、初めはグリップがついていると感覚が分かりやすいです。ポイントは、グリップ部分が肛門に当たるまで挟み込むこと。より奥深くの、肛門まわりの筋肉だけを使って、キューッと締め上げましょう」(久嬢由起子さん)
基本のストレッチ2:ペンを挟んだまま、浅めのスクワット(8秒×3セット)
「動きを加えることで、太ももからお尻、肩までといった体幹の筋肉が効果的に鍛えられます。腕でバランスをとりながら、『きつい!』の一歩手前まで、ゆっくり腰を落としていきましょう」(久嬢由起子さん)
基本のストレッチ3:ペンを挟んだまま、足踏み(8秒×3セット)
「足踏みは、1回1秒が目安です。ペンが落ちてしまっても大丈夫。拾って途中から続けましょう。脚を高く上げることで、代謝もアップしますよ」(久嬢由起子さん)
基本のストレッチで肛筋をしっかり使えるようになったら、次は、美尻をつくるストレッチにチャレンジしましょう!
美尻ストレッチ1:垂れ尻リフトアップ(左右各8秒×3セット)
「脚を後方に上げる動きでは、大臀筋をフルに使い、さらに太ももの前の筋肉も使うので、ヒップが上がっていきます。肛筋をできるだけ力いっぱい閉じることで、エクササイズ効果がアップします」(久嬢由起子さん)
美尻ストレッチ2:お尻引き締めストレッチ(8回×3セット)
「ペンを落とさないよう必死になることで、お尻の大臀筋はもちろん、普段あまり使わない内転筋群が鍛えられ、お尻から太ももの内側がキュッと締まります。ひざ下を少し浮かせると、振りやすいですよ」(久嬢由起子さん)
「肛筋ストレッチは、少しずつでも毎日行う方が効果的です。やる気が出ない日は、好きなストレッチを8秒×1セットだけでもいいので、コツコツ続けてみましょう。
また、今回ご紹介したストレッチは、すべてを行わなくても大丈夫。『基本のストレッチ』から1パターン、『美尻ストレッチ』から1パターンを選んで組み合わせるだけでも、十分美尻に近づけますよ。その日の体調や気分に合わせて、自由に増減させてください」(久嬢由起子さん)
肛筋は、普段あまり意識しないパーツだからこそ効果が出るのが早く、3~4日でヒップラインの変化に気づく人もいるのだとか。理想の美尻を目指して、まずは1日24秒のストレッチから始めてみませんか?