今回、パーソナルスタイリスト®に全身コーデをしてもらうのは、ファッションに悩む女子・Yさん(24歳)。
オシャレ女子に憧れてトレンドをチェックしてはいるものの、トップスとボトムスの組み合わせ方や着こなし方がいまいち分からないそうで、そのファッションに対する自信のなさが、どことなく表情に表れていますね……。
そんなYさんにコーディネートの指南をしてくれるのは、ニューヨークコレクションブランドのマネージャーやバイヤーなどを経て、現在はパーソナルスタイリスト®として活躍する柏木恵衣(かしわぎ・えい)さんです。
――それでは柏木さん、さっそくYさんへのファッションレクチャー、よろしくお願いします!
「はい、任せてください。私のパーソナルスタイリングは、まずはその方の『なりたい雰囲気』を、カウンセリングで詳しくお伺いすることから始めます。そしてその後に、その方の『パーソナルカラー診断』を行います。
パーソナルカラーとは、簡単に言うと『その方の肌などを美しく見せる色』のことです。自分の好きな色のアイテムを着ても、『なんだか似合わない』『垢抜けない』という方は、ぜひ一度、ご自身のパーソナルカラーを診断してみてください。パーソナルカラーを意識してコーディネートをすると、ファッションがもっと楽しくなり、お買い物の無駄もなくなりやすいですよ」(柏木さん)
――最初に、自分のパーソナルカラーを知るといいんですね。
「パーソナルカラーは、肌の色、瞳の色、唇や髪の色などによって診断するんですが、大別するとイエローベースの『スプリング』と『オータム』、ブルーベースの『サマー』と『ウィンター』の4タイプに分けられます。
例えば『スプリング』は、春の明るい日差しや生き生きと輝く新緑、花壇に咲くチューリップやポピー、みずみずしいフルーツなどをイメージする色のグループです。他のグループも簡単にご紹介すると、『オータム』は、自然からの色をそのまま移したようなナチュラルカラーやアースカラーなど、『サマー』は、初夏の雨に咲く紫陽花を思わせるようなスモーキーで優しい色など、『ウィンター』は、クリスマスカラーや純白の雪に映えるスキーウェアのような鮮やかでビビッド、シャープでクールな色などのイメージです」(柏木さん)
「Yさんは、肌の色が白く、瞳は黒くて白目と黒目のコントラストがはっきりしています。そして、深い艶のある黒髪なので、パーソナルカラーの診断結果は『ウィンター』になります。
パーソナルカラーが『ウィンター』の方の場合、ベーシックカラーを、ブラック、ホワイト、ネイビー、グレーにして、そこに鮮やかなウィンターカラーを合わせてコーディネートをすると、全体がまとまりやすいです。ウィンターカラーの例を挙げると、赤ならワインレッド、黄色ならレモンイエロー、緑ならエメラルドグリーンなどですね。
基本的に、パーソナルカラーの中に『似合わない色』や『着てはいけない色』というものはありません。ただ、同じ『赤』の中でも『自分に似合う赤』を選びましょうということなんです。パーソナルカラーを診断し、ご自身に似合う色を知って、ぜひファッションに取り入れてみてくださいね。
パーソナルカラーは、最近ではインターネットなどで自己診断もできるようですが、やはり専門の知識を持った『パーソナルカラリスト』の方に診断してもらうことをおすすめします」(柏木さん)
――今日のYさんのコーデは、パーソナルカラーの観点から見るといかがですか?
「グリーンのトップスは、パイングリーンというウィンターカラーなんですが、ボトムスがベージュということもあり、『オータム』の方向けのアースカラーのコーディネートになっています。
Yさんの印象的な瞳と魅力的な黒髪を引き立てるには、このパイングリーンのトップスに、光沢のある素材のシンプルなブラックのパンツや、グレーのチェック柄のアイテムなどを合わせるといいと思います」(柏木さん)
――全身コーデを行う前に、今日のYさんのコーデを、着こなしでブラッシュアップする方法を教えていただけますか?
「トップスもボトムも少し大きめのサイジングで、さらにフリルやレースが付いているので、全体的に可愛過ぎる印象を与えてしまいます。Yさんのパーソナルカラーは『ウィンター』なので、『可愛い』ではなく、もう少し『シャープで都会的』なイメージにしたいと考えています。
あと、首、手首、足首のどこか一つでも見せると抜け感が出るので、着こなしのコツとして覚えておいてください。今日のYさんのコーデの場合は、手首や足首を見せるようにするだけでも、こなれ感が出て『可愛い』印象を少し『クール』な印象に変えることができますよ」(柏木さん)
ということで、柏木さん指南のもと、トップスは七分ぐらいまで袖を上げて、ボトムは足首が見えるように1巻きだけロールアップしてみました。
確かに、最初はどこか子供っぽい印象だった着こなしが、手首と足首を見せるようにするだけで、かっこいい「大人の女性の色気」が漂ってきていますね。
ここからはいよいよ、パーソナルスタイリスト®の柏木さんが、Yさんを全身コーデ!Yさんのもともとのファッションの系統を踏まえつつ、なんと2万円以内の銀座ショッピングで、「ワンランク上の全身コーデ」をしていただきます。
銀座にあるさまざまなアパレルショップを、柏木さんとYさんで見て回ります。Yさんのファッションの好みを詳しく聞きつつ、
「パープルやブルーのような、今まであまり着たことのない苦手意識が強い色でも、トップスかボトムスのどちらかを、ホワイト、ブラック、グレーなどのベーシックカラーでコーディネートすれば、きれいに着こなせますよ」
「もっと、若々しさとトレンド感を出してもいいと思います。ハイウエストのアイテムや、柄も『今だから楽しめるもの』を選んでみましょう」
「もしもストールでワンポイント加えるなら、パーソナルカラーが『ウィンター』の方の場合は、この冬のトレンドのパープルやアイスブルー、大柄のチェックなどがおすすめです。さらに大人っぽく仕上げたいなら、スカーフを肩に羽織るように巻いたり、バッグの上にポンと置くように持ち歩いたりしてみてください」
……といった具体的なアドバイスを次々にしてくれる柏木さん。さすがです!
こうして、Yさんの全身コーデ用のアイテムをセレクト。こちらの3点を購入しました。
合計:15,768円(税込)
それでは、お待ちかねのYさんの全身コーデをご覧ください!
今回は、パーソナルカラーが「ウィンター」の方のコーディネートではなかなか選ばないという、オレンジのチェックスカートにチャレンジ。トップスとブーツをブラックにしてコントラストをつけているので、パーソナルカラーが「ウィンター」のYさんにもよく似合っています。オレンジのチェックによって、あえてのチョイス感を醸し出せていて、大人の遊び心を感じさせるコーディネートになっていますね。柏木さんに、今回のコーディネートのポイントを伺ってみましょう。
「陶器のような白い肌と黒髪のコントラストが美しい『ウィンター』の方の秋コーデは、ベーシックカラーと鮮やかなカラーでメリハリをつくるのがポイントです。
今回は、ブラックをベースにしつつ、オレンジの大柄のチェックを取り入れて、メリハリのある色使いに。さらに、トップスは少しリラックス感のあるサイズなので、ボトムスをタイトスカートにして、シルエットでもメリハリをつけています。
また、ビフォーのコーディネートと比べてみると一目瞭然ですが、首まわりがエレガントに開いたトップスを選び、さらに袖を少し上げて手首も見せることで、適度な抜け感も演出しています」(柏木さん)
確かに、ビフォーのコーデと比べると、こなれた雰囲気が出ていますね!「ウィンター」らしい、「大人の女性の色気」も漂っています。そして何より、銀座でのショッピングで、総予算2万円以内でこの全身コーデができたというリーズナブルさにも驚きです。自分のパーソナルカラーを知り、着こなしのテクニックを学べば、「銀座大人女子」の全身コーデも安価にできることが実証されましたね。
いかがでしたか?ファッションのポイントや自分のパーソナルカラーを知ると、リーズナブルなアイテムばかりでも、センスのいい「こなれた全身コーデ」ができることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
Yさんも最後に、「自分のパーソナルカラーというものを知ることができて、これからは買った服に対して『なんか違うんだよなぁ』と思うことがなくなりそうです」と、笑顔で感想を語ってくれました。効率よくコスパのいいオシャレを実現するためには、まずは自分に似合う色=パーソナルカラーを知ることが、一番の近道と言えるかもしれませんね。
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