メリハリのある生活ができるときと、ダラダラしてしまうときの違いを、古川さんがマトリックスにして教えてくださいました。
上の図の縦軸は「エネルギー」、横軸は「緊張度合」を表しています。休日に家でダラダラしてしまうのは、右下の「エネルギーが低く、かつ緊張が解けてリラックスしている」状態。一方で右上、左上は「エネルギーが満ち足りている」状態です。
リラックスモードに入ってダラダラと過ごしてしまう右下に居る状態から、エネルギーが満ち足りている右上や左上に移動したいのであれば、最初のステップとして、自分の「理想の過ごし方」と「良くない過ごし方」を書き出して、可視化することから始めてみましょう。
どういうふうに過ごすと一日調子が良いのか、またどういうふうに過ごすと調子が悪くなってしまうのか、上りエスカレーターや下りエスカレーターに入るイメージを思い描きながら、自分なりに過去を振り返って分析してみると良いそうです。たとえば、「朝からウォーキングやジョギングをするとその日一日スイッチが入る」、逆に「午前中からテレビを見て過ごすとエネルギーが下り坂に入ってしまう」など、休日の過ごし方をパターンに分けて振り返ってみましょう。
習慣化コンサルタントの古川さんの場合は、平日も休日も一日の始めは瞑想を行い、その後は決まって15分間片付けをするそう。片付けは体を動かせて、『捨てる』という判断が必要になるので頭もはたらき、エネルギーが高くなるのだとか。「そのような朝の『儀式』がいいスタートを切るためのコツ」と古川さんは話しますが、儀式というのは、たとえば顔を洗う、シャワーを浴びるなどの身支度でもOKとのこと。
また、休日に家にいるとどうしてもダラダラしてしまいがちなので、カフェや図書館に出かけるなど場所を変えることも、エネルギーを高めるのには非常に効果的だそうです。
次に、習慣化するためにはどれくらい継続すればいいのかを伺いました。基本的には、平日も休日も同じルーティンで始めることが理想で、その場合は「3か月ほどで習慣化できる」と古川さんは言います。
習慣化する際に重要なのは、自分で決めたスケジュールで動いているかどうかだそうです。たとえば、平日に「6時に起きないと会社に遅刻してしまう」から6時に起きているのであれば、それは外的な理由によって起床時間を決めているということ。行動の主導権が会社にあるので、その外的な理由がない休日になると、朝起きられずにダラダラしてしまいます。つまり習慣化する上で大切なのは、外的な理由によって行動するのではなく、行動の主導権を自分でもつことなのです。
また、たとえ休日は平日よりも起きるのが遅くなったとしても、平日と同じルーティンで始めれば一日の良いスタートがきれると、古川さんは言います。毎朝、同じ時間に同じルーティンをしなければいけないわけではなく、一日を同じルーティンで始めることが大切なのです。
そして、習慣化をする際にもう一つ重要なのが「ベビーステップ」だそうです。早起きを習慣にしようと決意しても、毎朝7時に起きている人が、突然5時に起きることを習慣にするのは難しいですよね。そこで、まずは「5分でもいいので今よりも早起きをする」という目標を立てて、それを達成していきます。そのちょっとした一歩がベビーステップです。少し早いだけでも、「自分で決めた時間に起きる」ことができれば達成感が得られ、10分、15分と小さな早起きを積み重ねていくことができるのです。
「5分の早起きもなかなか難しい」という場合は、たとえば寝室の隣の部屋に大音量の目覚ましをセットし、目覚ましが鳴る手前で止めないと家族から怒られる……というような「飴とムチ」の「ムチ」を使うのも手だそう。たとえ、起きて目覚ましを止めてから、ソファーでダラダラしてしまったとしても、起きられたことが十分なベビーステップとなるのです。
徐々に慣れて「習慣化できそうかな……?」というタイミングで、挫折するときが訪れるかもしれません。「毎朝片付けをしていたけれど、飲み会で帰りが遅くなってしまって明日はやりたくない……」とか、「毎日筋トレをしていたけれど、なんとなくやらなくなってしまった……」とか、挫けてしまいそうなときはどのように対処すればいいのでしょうか。
古川さんいわく、「挫折してしまいそうなときは例外ルールを設けましょう」とのこと。毎朝15分やっていた片付けなら3分だけでも、毎日100回やっていた腹筋なら20回だけでもやることにすれば、少しではありますが、習慣を続けることができます。そこからまたベビーステップで、徐々に時間や回数を戻していけばよいのです。「続けてきたことをゼロにしなければOK」という気持ちで、習慣化を目指していきましょう。
休日を理想的に過ごせるか、ダラダラ過ごしてしまうかの分かれ道は、良いルーティンで一日を始められるかどうかです。ご自身の経験から、どのように一日を始めたら理想の過ごし方ができるのかを、振り返ってみてください。そして、今回ご紹介した上手な生活習慣のつくり方を参考に、快適な生活習慣を手に入れるための一歩を踏み出してみませんか?
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