旅行や万一の時に備えて、積立定期等を利用して毎月受け取るお給料から計画的に貯蓄をしている人は多いでしょう。お金を確実に貯めるという点では、計画的に貯蓄を行うことは間違いではありません。
しかし、日本ではマイナス金利政策が導入されて以来、超低金利の状況が続いています。銀行やキャンペーンによっても異なりますが、定期預金金利が0.01%という状況も見られます。金利0.01%では100万円を預け入れて受け取れる利息は100円(税引前の金額です)。これに対して、土日祝日にATMを1回利用してかかる手数料は108円以上。時間外にATMを1回利用しただけで、預金利息が吹っ飛んでしまう計算になります。貯蓄に頼るだけでは、お金を貯めることはできても増やすことはできないのが現状です。
お金を増やす方法といって思い浮かぶのが資産運用ですが、多くの人が「資産運用はまとまったお金が必要」「損失が発生したら資産がなくなる」などのイメージを抱いています。そのため、「資産運用に回せるお金がないから私には無理」などと思い込み、運用に全く興味を持たない人もいるのが現実です。
ですが実はここ最近、数千円、数万円といった少額から運用できる金融商品も増えています。その一つが、投資信託(ファンド)です。投資信託とは、投資家から集めたお金を、運用の専門家が株式や債券等の金融商品で運用を行い、投資金額に応じて、投資家に運用成果を分配する仕組みの金融商品。金融機関や投資信託によっては、数百円程度の金額でも購入できるようになり、運用に回せるお金が少ない人でも投資信託を活用すれば、手軽に資産運用を始められます。
投資信託を購入する方法として、「1万円分を購入」というふうに金額を決めて一回で購入する方法と、毎月一定金額を定期的に積み立てて購入する方法があります。投資信託は株式や債券等で運用している金融商品ですから、日々価格が変動しています。「購入するタイミングに悩む」「運用のための時間をとるのが面倒」という場合は、自動的に投資信託を購入する積立の利用を検討してみるといいでしょう。
最近は、少額から購入できる投資信託も増えていますが、一般的な投資信託では1万円程度から購入できるのが普通ですから、これらの投資信託を少額から購入したい場合には積立を利用することで、数百円、数千円からの投資が可能になります(金額は金融機関や投資信託によって異なります)。
投資信託を積立で購入することには、投資におけるリスクを低減できるメリットがあります。例えば、株式市場は上昇もすれば下落もし、経済や政治に不安要素が高まると、大幅に株価が下落することもあります。こうした事態に不安を抱く人も多いですが、積立であればそうした心配は必要ありません。一定金額を定期的に購入する積立では、価格が安くなれば投資信託をたくさん購入し、価格が高くなれば投資信託を少しだけ購入するので、結果、購入価格を平均化できます。長期間積立を行うことで購入価格を平均化し、リスクを抑えられるのです。
さらに、定期的に積み立てたお金から発生した利益を、積み立てた金額に加えて運用に回し、増えたお金をさらに増やすことができる「複利効果」を活用した投資も。このように毎月一定金額を購入する投資手法を「ドルコスト平均法」といいます。
旅行や買い物等、若い時は何かと出費が多いですが、資産運用では時間を味方につけることが大切です。少額でも始められる環境は整っていますから、できるだけ早いうちに資産運用の行動をスタートさせましょう。
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