かわいいものが好きで、料理ができて……女性はそんな「女子力」が高ければ、男性にモテると思いがちです。しかし神崎さんはその意識に警鐘を鳴らします。
「女子力が高まると思ってやっていることは、女性のオトメ心を満たすことばかり。ネイルをキレイにしたり、映えるケーキが作れたり、どれも女性がやっていて楽しいこと。でもそれって男性は求めていないことばかりなんですよね」(神崎メリさん)
では「メス力」とは、どんなことを言うのですか。
「男性が何を考えているのか、多くの女性は考えたこともないと思います。まずそこを思いやるのが一番のポイント。男ゴコロを理解した上で、男性に媚びたり、尽くしたりせず、自立して幸せをつかむのがメス力のある女性。あなたがそんな女性になれば、男性もあなたに一目置き、『たった一人の女性のためのヒーローでありたい』という『ど本命本能』が点火!男性の心をグッとつかむことができるのです」(神崎メリさん)
恋愛においてメス力を磨くメリットは?
メス力のある女性、カッコ良く思えてきました。ではメス力を磨くと、どんな良いことが期待できるのでしょう。
「自分に対して本気ではない男性、通称『おクズ様』に引っかかることがなくなります。おクズ様と付き合うのは時間のムダだし、そんな人と結婚したら人生も大きく変わってしまいます。でもメス力があれば、『ど本命』と出会えて、自分の人生も良い方向に向かうのです」(神崎メリさん)
「おクズ様」とは具体的にどんな男性のことを言うのですか?
「自分にとっては『おクズ様』でも新しい彼女にとっては『ど本命』だったり、その逆もあったり……と二人の関係性によって変わるので、この男性が『おクズ様』とは一概には言えないんです。見極めるポイントは、『自分に対して本気かどうか』。本気でないと、『お前に付き合ってやっている』という上から目線オーラが端々から感じられるもの。一緒にいて『えっ?!』と違和感がある人は注意信号です。例えば、SNSの返信をすぐにしないと不機嫌になる、デートは自分の趣味に付き合わせるなど、自己中心的な振る舞いをする男性。彼のためにと何でも言うことを聞いてしまうと、便利で都合の良い女になってしまいます」(神崎メリさん)
例えば恋愛期間中はこんな人じゃなかったのに、結婚したらモラハラ男に豹変する「おクズ様」の話も耳にします。
「そういう男性は、付き合っている間にも兆しはあったはずなんです。彼女のことはお姫様扱いでも、店員さんへの態度が横柄とか、後輩に偉そうに接していたとか、無意識に支配欲が出ていたはず。だから、若い頃から『おクズ様』を見極められるようになるために『メス力』を身に付けることが大事。せっかくの20代を『おクズ様』のせいで浪費することがないようにしましょう、と若い方たちには声を大にしてお伝えしたいのです」(神崎メリさん)
恋愛以外の場での「メス力」のメリットは?
ここまでのお話を伺うと、「メス力」は恋愛以外の場面でも役に立ちそうですね。
「そうなんです。『メス力』がある人は、相手のことを考えて話を聞いたり、答えたりする力が備わっているから、自分の意見を伝えるのも上手。例えば、上司が忙しそうな時を避けて声をかけるなど、タイミングを計れるのも『メス力』の一つです。また、たとえ正論でも真正面から切り込んだら相手の反発を招いてしまうことがありますが、相手の機嫌を損ねない上手な伝え方を心得ていると、さまざまな人間関係で使えると思います」(神崎メリさん)
男性は自尊心で動くもの。褒められて「俺、すごい!」と思いたいし、逆にプライドを傷付けられた経験は後々まで尾を引きます。
「結局は『負けるが勝ち』だと思うんです。口で言い負かしたり、手柄を自分だけのものにしたりしても、それが災いの原因になることがあります。それよりも、その時は譲って、相手に良い思いをした記憶を残しておけば、後で困った時や助けてほしい時に手を差し伸べてもらえる。それをできるのが、『メス力』のある女性です」(神崎メリさん)
これは家庭でも同じです。結婚後、二人で家事や育児をするようになっても、気持ちの良い頼み方や褒め方を身に付けていれば、二人の協力体制が生まれます。
「家事を一人で抱え込んだり、ワンオペ育児をしたり、大変な思いをしている女性をよく見かけます。でも20代のうちから二人の良い関係性が築けていれば、一人で抱え込む奥さんは少なくなる。『メス力』をぜひ役立ててほしいと思います」(神崎メリさん)
「メス力」を身に付けるには?
恋愛・仕事・家庭とどんな場面でも有効な「メス力」は、どうすれば身に付くのでしょう。
「まずは土台が肝心。そこがしっかりしていないと、テクニックを積み上げても意味はありません。その土台となるのは、自分と向き合って弱点を知ること。女性の弱点は、大きく分けて『人に尽くす』タイプと『怒ってヒステリーを起こす』タイプの2つです」(神崎メリさん)
尽くすタイプは、尽くしすぎて彼から「重い」と感じられ、怒るタイプは、思い通りにならないとヒステリーを起こす女性になってしまい、どちらも「ど本命」を遠ざけてしまう「ど本命クラッシャー」になりがちなのです。
「だから、メス力を身に付ける第一段階は、自分の弱点を知り、そこを改善すること。そして第二段階は、相手を知ること。男性が女性とどう違うのかを、恋愛本などから学ぶとよいでしょう」(神崎メリさん)
「メス力」を磨き続けるには?
「メス力」が理解できたら、次は実践。日頃のどのような態度が「メス力のある振る舞い」ということになるのでしょうか。
「彼と付き合い始めた頃は、会えるだけで楽しくてワクワクしていたでしょう。そのフレッシュな気持ちが大事。初心を忘れず謙虚に相手の気持ちに寄り添うことです」(神崎メリさん)
付き合いだして時間が経つと、せっかく予約してくれた店にケチを付けたり、デートの段取りが悪いと「私のことがあまり好きじゃないんだ」と卑屈になったり……。それでは、彼の「ど本命」にはなり得ません。
「受け取り下手な女性が多いと感じています。プレゼントをくれたり、料理を作ってくれたりしたことに対して、素直に『ありがとう』『嬉しい』と伝えるだけでいいんです。余計な一言で相手を傷付けたり、彼の気持ちを繋ぎ止めようと必要以上のお返しをしたり。これは、女性の自己肯定感が低いためにしてしまうことなのです」(神崎メリさん)
では「メス力」のある受け取り上手な女性とは?
「例えば、プレゼントをもらった時。その場での『ありがとう』はもちろんですが、次のデートで身に着けて行くこと。これがもう一つの『ありがとう』になるんです。プレゼントが自分の好みかどうかは二の次。プレゼントしてくれた気持ちをもらうものだと考えてください。男性のテンションやモチベーションを上げることで彼を『ど本命』に育てることができます」(神崎メリさん)
自分磨きや女子力向上に悩む20代女子へのメッセージ
最後に、悩み多き20代女子に向けて、神崎さんからメッセージをいただきました。
「趣味でも仕事でも、自分の世界を持つことが大事。それがないと、女性は関心事が恋愛だけになりがちです。相手の男性にも依存し、重い恋愛になってしまいます。また恋愛以外にハマれるものを持つことは、結婚でも、その先の人生でも大事なこと。20代はそれを見つけられる時期なので、ぜひいろいろなことに挑戦して、『メス力』のある女性を目指してください」
(神崎メリさん)