整理収納アドバイザー1級の資格を持ち、快適な住まいづくりのアイデアを提案する投稿で人気急上昇中のインスタグラマーmaachiさん。ご自宅で実践している、手軽だけど気が利いたおしゃれ収納術が好評で、ステイホームがますます定着する中、家の環境を快適に整えたいという方に支持されています。
maachiさんのインスタグラムアカウント。フォロワーは4万人以上。洗練された写真が並び、見ているだけでもセンスが磨かれそう。
maachiさんのアカウントが多くのファンに支持されるのは、「おしゃれ」と「真似しやすさ」を兼ね備えているから。100均やホームセンターのアイテムも積極的に活用。ご自身が生活の中で本当に続けられると思った整理収納のノウハウがぎゅっと詰まっているので、「maachiさんの真似をして整理収納をすると、きれいな状態がずっと続く」と評判なのです。現在6歳になるお子さんの子育てと同時に、自分らしい生活スタイルを楽しんでいるmaachiさんに、インスタグラムを始めたきっかけを伺いました。
「インスタグラムは、友だちや身近な人への近況報告や情報交換のつもりで始めました。当時は会社勤めをしていたこともあり、特に決まったテーマで投稿するというより何気ない出来事や日々の料理の投稿をマイペースに続けていたのですが、整理収納アドバイザーやアロマ検定の資格取得をきっかけに、家を快適に整える方法や家事の効率がアップする『家事ラクアイデア』をまとめ始めたところ、フォロワーさんがたくさん増えました」(maachiさん)
過去の投稿の中でも特に反響が大きかった家事ラクテクニック。「まな板やフライパンを使う時、オーブンペーパーを使うと洗い物がラクになる!」というアイデアです。おしゃれな整理収納術だけでなく、こうした親しみやすい一面があるのも、maachiさんアカウントが人気になるポイント。
もともと広告会社に勤務し、13年のキャリアを積んでいたというmaachiさん。現在はインスタグラマー兼ライターとして独立し、今ではご自身のライフスタイルを軸にした情報を発信していますが、会社員時代は仕事と子育ての両立に頑張る一方で、丁寧に家事を手がける時間がなかったそうです。
「会社員時代は仕事が忙しく、実はプライベートの整理収納や料理に苦手意識さえありました。そんな中で子どもを授かりました。産休の間はまだよかったのですが、いざ仕事に復帰した時、思いのほか仕事と子育ての両立がキツいと感じて……。今までのようになりゆきで家事をするのではなく、家の中の『しくみ』を整えることで家事がラクになるのでは?と思い、整理収納アドバイザーの勉強を始めました。最初はテキストを見て、その通りにやってみる程度だったのですが、それでも思った以上に効果が出て、家事が楽しくなってきたんです。『家事のルールを整える』だけで、こんなに暮らしが快適になるんだ!という発見が自分の中でとても新鮮でしたね。同じ悩みを抱える人にお知らせしたくて、インスタグラムのアカウントも家事や整理収納術の情報発信がメインになりました。料理や美容、ファッションにまつわる話題もたまに掲載しますが、整理収納術や家事ラクアイデアのほうが断然反響が大きいです(笑)」(maachiさん)
maachiさんのフォロワーを対象にしたアンケートによると、1番苦手な家事は「そうじ」。続いて「整理収納・片付け」「料理」「洗濯」と続きます。フォロワーを巻き込んだ家事悩みの共有など、参加型のアカウント運営も人気アカウントになった理由の一つ。
maachiさんの整理収納術は、いわゆる「捨てる」ことばかりを推奨するものと異なり、ご自身が好きなファッションやメイクアイテム、ご主人の趣味グッズ、子どものおもちゃなども上手に管理しながら、自分らしくおしゃれな住まいづくりを叶えていることが特徴。季節ごとにトレンドが変わるファッションアイテムや、目新しさが欲しい子どものおもちゃは、買ったはいいけど捨てられずに増えてしまいがちですが、maachiさんはどうしているのでしょうか?
「例えば、私にとってファッションやメイクは毎日のテンションを上げる一番の楽しみと言っていい趣味なので我慢したくないんです。でも季節ごとに洋服やバッグ、靴を買うわけにもいかないので、『レンタルサービス』を活用しています。季節ごとにトレンドのアイテムを借りられるし、必要であればスタイリストがコーディネートしてくれるサービスもあり、とても便利。新品ではないものもありますが、何より家に洋服がたまらないのがいいですね。それでも洋服ストックが増えすぎた場合は、捨てるか悩んだアイテムを、あえてもう1回着てみることをおすすめします。1日着てみてしっくりこなければ、迷わずさよならしましょう。また、子どものおもちゃなどキリがないものは、収納スペースの広さを決めて、入る量以上を買わないことにしています。子どもが新しいおもちゃを欲しがったら『片付ける場所がないね。どうしようか?』と相談して取捨選択を促し、一定量以上増えないようにしています」(maachiさん)
また、maachiさんは不要なものを捨てずに「リサイクルする」ことも心がけていらっしゃるのだとか。
「わが家では、不要だけれどまだ使えるおもちゃや、まだ十分に着られるけれど収納場所がない洋服などはただ捨てるのではなく、必要な方へお譲りしたり、フリマサイトで売るなどしています。単に捨てるのではなくリサイクルすることで、エコに暮らせることはもちろんですが、『買うのは簡単でも、手放すのは大変』という意識が生まれると、買い物も慎重になりますね(笑)」(maachiさん)
家族の持ち物は、収納スペースの80%におさまる程度に。急遽しまいたいものが出た時に収納できる「のりしろ」を持っておくことで、居住空間が散らからないのだそう。
自称「面倒くさがり」というmaachiさん。とてもそうは見えないすっきりとした住環境を整えていらっしゃいますが、面倒くさがりだからこそ、ズボラでもできる整理収納のノウハウには自信があると言います。自分は片付けや整理収納に向いていないと思っている人に、ぜひ参考にしてほしい整理収納のコツを伺いました。
1)片付け時間は「1日30分」以内に
「整理収納に一念発起するのはいいけれど、頑張りすぎはNG。特に『家中の不用品を洗い出し、同時に整理収納をする。掃除と引き出しのラベリングも済ませよう!』といった1日集中型は失敗のもと。その日はいいかもしれませんが、最後のほうは疲れてしまうので翌日に続きません。整理収納はまず『整理』と『収納』を分けて考え、最初はとにかく不要なものの整理(処分やリサイクル)から始めましょう。しかも時間を1日30分以内に区切ってください。1日中大掃除をするより、毎日の30分を積み重ねることで、体に『片付け癖』をつけることが大切ですよ」(maachiさん)
2)小さな達成感を毎日味わう
「整理収納の『整理』がある程度済んだら、いよいよ収納のスタート。整理の段階で収納スペースに余裕ができているので、家事のしやすさや家族のライフスタイルをふまえて、自由な収納がしやすくなります。このステップでも、頑張りすぎないことがポイント。1回30分で収納できる範囲に限定しましょう。キッチンの食器棚だけとか、押入れの上半分だけ、または財布ひとつでもいいので、30分で結果が出るボリュームの収納見直しを毎日続けましょう。日々の達成感を味わうことでやる気が出て、明日もやりたい!という前向きな気持ちになれたら、みるみる整理収納上手になるはず」(maachiさん)
3)「甘えカテゴリ」を作る
「何でもかんでも厳しく整理してしまうのはストレスですよね。私は、これは多少ものが増えてもOKという、自分なりの『甘えカテゴリ』を作ることで息抜きをしています。例えば私の場合ですが、ファッションアイテムや家具、あとは写真など思い出の品はなかなか減らせないし、大切なものなので多く持っています。ただ、ファッションだったらバッグは複数持っていてOKだけど洋服はトレンドが変わりやすいからレンタルにするとか、家具は気に入ったものが見つかるまで不便でもあえて買わず、これと思うものを長く使うとか、写真は見るものだけを厳選して紙焼きのアルバムにし、データでは残さないなど、好きだからこそため込まず、持っているものを最大限に活用する工夫をしています」(maachiさん)
インスタグラムで紹介されているmaachiさんの整理収納術は、すっきりと片付いているだけではなく、センスが感じられるスタイリッシュさが人気の秘密。既存のルールにとらわれず、「自分や家族が楽しく過ごす」ための個性的な工夫が、多くのファンを魅了しているのですね。最後に、楽しみながら整理収納の癖をつけるための秘訣を伺いました。
「家族で一緒に暮らす中、常に完璧に整った住環境をキープするのは正直大変ですよね。ものを減らすにしても、必要なものは人によって千差万別。その線引きをするだけで疲れてしまう経験もよくわかります。でも、やはりものが多いと整理収納がしきれずに散らかるのも事実で……。 そんなジレンマを減らすべく、私はできるだけ、新しくものを所有する際には捨てたくならない『一軍アイテム』を厳選するようにしています。具体的には、『もしなくしてしまっても、またそれと同じものを買いたいかどうか』でものを取捨選択すること。私自身、今でも衝動買いが全くないわけではないですが(笑)、本当に欲しいものを選ぶセンスを磨いてお気に入りを長く愛用することで、すっきり片付いているけれど自分らしさがある住まいを叶えるループが生まれたらいいなと思い、日々努力しています」(maachiさん)
maachiさんが愛用しているイニシャルキーホルダー。ご主人が片方をなくしてしまい、代わりのものを使っていたのですがどうしてもしっくりこなくて、同じものを買い直したそうです。他人にとっては必要ないかもしれないものでも、自分には必要なものを選ぶ。その積み重ねが、自分が必要なものを選び、充実した住環境を作るコツ。
捨てるよりも「持つ」に注目することで、すっきりしているけれど殺風景じゃない、自分らしい豊かさを楽しめる生活を目指している、とおっしゃるmaachiさん。家で過ごす時間が長い今だからこそ、自分らしい快適な住まいづくりを見直してみませんか?