美容家の佐伯チズさんは「いくつになっても美肌になれる」と説かれていましたが、そもそも「美肌」とは、どのような肌を言うのでしょうか?佐伯チズさんのもとで美肌メソッドを学び、約12年間にわたってお客様の肌悩みに寄り沿い、数多くの女性を美肌へ導いてきたビューティシャンの平山泰代さんに、「美肌」の定義を教えていただきました。
「佐伯式では、美肌の条件を『う・な・は・た・け』で表現しています。それは、(う)うるおい、(な)なめらか、(は)ハリ、(た)弾力、(け)血色を意味していて、この5つを満たす肌を「美肌」と呼んでいます。そして、この『う・な・は・た・け』をご自身で目指すための知識や方法を学び、身に付けた方を『美肌スペシャリスト』として認定しています」(平山泰代さん)
どれか1つを目標にするのではなく、5つを満たすことが大切なのですね。
「この5つは、人によって足りている部分、足りていない部分はさまざまです。ですので、自分自身の肌はどの部分が優れていて、どう維持すべきか。逆に、足りていない部分をスキンケアでどのように補ったらいいかを見極めることが、美肌への第一歩になります。私たちは、実際にお客様の肌に触れるだけでなく、こういった美肌のための知識、スキンケアの方法などをお伝えする活動もしています」(平山泰代さん)
そこで今回は、年代の異なる人気インスタグラマー2人が肌悩みを打ち明け、それぞれの肌状態をビューティシャンの平山さんが診断。2人に合ったスキンケアの方法も教えていただきました。
美容への関心が高い福岡みづきさんは、インスタグラムのフォロワー数が3万人を超える人気インスタグラマー。一見透明感のあるきれいな肌のようですが、お話を伺ってみると以前からお肌の悩みがあったそうです。
■福岡みづきさんの肌悩み
1)赤みが出やすい
特に、小鼻の周りは赤みが出やすい。
2)エアコンによる乾燥が気になる
夕方になると、目元やほうれい線など、乾燥による小ジワがくっきりするような気がする。特に冬場は、空気の乾燥とエアコンによる乾燥が重なり、辛い。
3)目元の薄いシミが気になる
1年ほど前から、メイクをする時に鏡を見ると、気になるようになった。
■ビューティシャンの診断結果:外部刺激を受けやすい普通肌
「福岡さんの肌は、水分と油分のバランスが良く、キメも整っているのですが、もともとの皮膚がとても薄く、外部刺激に弱いようです。外部刺激とは、肌へ直接触れた時の摩擦はもちろん、紫外線や乾燥も該当します。このような、あらゆる外部刺激が原因で、赤みや乾燥、シミが生じやすく、また色白なので目立ちやすい肌だと思います」(平山泰代さん)
■福岡みづきさんにおすすめの佐伯式スキンケア
外部刺激を受けやすい普通肌の福岡さんは、今後どのようなスキンケアを行うと美肌に近づくのでしょうか?
1)生活全般を整える
「外部刺激を受けやすい福岡さんの肌は、スキンケア方法を一歩間違えてしまうと、この先トラブルが起きやすくなってしまう可能性があります。そのため、実際に肌に触れるお手入れを頑張るというよりは、生活全般を整えることを意識しましょう。具体的には、バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレスを溜めない、血流を良くするなど。こういった一見遠回りのようなことが、実は美肌への近道でもあります」(平山泰代さん)
2)ローションパックで水分補給
「肌の乾燥には、ローションパックで水分補給するのが一番のおすすめです。特に乾燥がひどい時は、朝のメイク前と、帰宅後にメイクを落とした後の2回しましょう。さらに、もし可能であれば、お昼休憩中だけでもローションパックをすると、日中のエアコンによる乾燥をケアすることができます。細かいことですが、エアコンの風に直接当たらないようにすることも、乾燥防止につながります」(平山泰代さん)
セレクトショップのオーナー兼バイヤーでありながら、美容雑誌の読者モデルとしても活躍中のtata(たーた)さんですが、30代での肌荒れの影響が今も残っているそうです。
■tataさんの肌悩み
1)ニキビ跡
30代で、仕事、育児疲れによるストレスや睡眠不足から、化膿ニキビを繰り返していた。40代に入るとニキビは落ち着いてきたが、今度はニキビ跡がずっと気になっている。
2)毛穴
10年くらい前から、夕方になるとファンデーションの毛穴落ちが目立つ。
3)たるみ
40代半ばからほうれい線やマリオネットライン(口角から下に向かって入るシワ)など、フェイスラインの崩れが気になるようになった。
■ビューティシャンの診断結果:一時的敏感肌×脂性肌
「tataさんは、ストレスや疲れ、ホルモンバランスの乱れなどで一時的にバランスを崩しやすい肌だと考えられます。現在ニキビは落ち着いているようですが、皮脂に対して水分量がやや不足していることで、肌のハリを失いつつあるのかもしれません」(平山泰代さん)
■tataさんにおすすめの佐伯式スキンケア
一時的敏感肌と脂性肌が合わさったtataさんは、今後どのようなスキンケアを行うと美肌に近づくのでしょうか?
1)スクラブ洗顔で古い角質をきちんと落とす
「ニキビ跡や毛穴を気にされているそうですが、tataさんの首は年齢の割にシワやたるみがなくとてもきれいなので、顔もお手入れ次第できれいになる可能性が十分あります!スクラブ洗顔を正しく取り入れ、古い角質をきちんと落とすことでターンオーバー(皮膚の新陳代謝)が整えられ、ニキビ跡や毛穴は徐々に目立たなくなると思います。また、古い角質を落とすことで毛穴詰まりが起きにくくなるため、今後更年期などでホルモンバランスが乱れた時のニキビ予防にもなります」(平山泰代さん)
2)スクラブ洗顔後はローションパックで水分補給
「スクラブ洗顔の後には必ずローションパックを行いましょう。古い角質を落とした後の肌は柔らかく、水分を蓄えやすい状態です。この時にしっかりと水分補給をすることで、肌にみずみずしいハリが出てくると思います。1度で結果が出るようなものではありませんが、定期的に続けることで、tataさんの首のようにきれいな肌に近づくはずです」(平山泰代さん)
ビューティシャンの平山さんの診断によって、福岡さんとtataさんの肌のタイプはまるで異なり、また肌に合うスキンケア方法も違うことが分かりました。
「誰かにとって良いスキンケアが、誰の肌にとっても良い訳ではありません。自分はどのような肌を持っていて、どのようなスキンケアが必要で、どのようなことをすると肌が喜ぶのかを知ることが、佐伯チズが定義する美肌『う・な・は・た・け』へ近づくための第一歩になります」(平山泰代さん)
次回は、インスタグラマーの2人が自分に合ったスキンケアの基本を身に付け、きれいな素肌を目指すための講座「美肌スペシャリスト講座」を体験。自身の肌と向き合い、佐伯式スキンケアのノウハウを学びます。