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2020.06.30

おいしく食べて美肌に!管理栄養士・木下あおいさんの肌ケアレシピ

おいしく食べて美肌に!管理栄養士・木下あおいさんの肌ケアレシピ

「腸活」が一般的になった今、「食べてきれいになる」を意識する女性も増えてきました。特に肌のコンディションは、1日の気分を左右することがあるほど重要です。そこで、管理栄養士の木下あおいさんに、美腸から美肌をつくるレシピを教えていただきました。

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どうして!?「美腸」が「美肌」に繋がるワケ

どうして!?「美腸」が「美肌」に繋がるワケ

日本インナービューティーダイエット協会の理事長として、「変わりたい、もっと自分を好きになりたい」という女性たちの願いを、食事の面からサポートしている木下あおいさん。ご本人もキメの整った美しい肌の持ち主ですが、以前は肌トラブルのみならず、様々な不調に悩まされていたそうです。

「高校生くらいになると、多くの女性が自分の見た目や美容に興味を持ち始めると思うのですが、私も当時は間違ったダイエットを行っていました。太るのが怖くて白米を食べなかったり、野菜はコンビニのサラダだけで十分だと思っていたり。それでもお菓子はやめられなかったりして、今思うと、本当に栄養がきちんと摂れていなかったと思います。肌荒れもありましたし、便秘や疲れやすさにも悩まされていました。そして、何より常にイライラしていましたね」(木下あおいさん)

当時から「そんな自分を変えたいと、すごく悩んでいました」という木下さん。変わるきっかけは管理栄養士になったことでした。

「それまでまったく自炊していなかったのを、できるだけ自炊するように心掛けました。最初は本当に簡単な料理だけで、例えばお味噌汁だけは手作りする程度でしたが、それでも体が変わっていくのが実感できたんです。自炊を始めて1週間くらいで肌の調子が良くなっていって、便秘は1ヵ月程で改善されました。おそらく、食生活が整ったことで腸の働きが活発になったのが大きかったと思います。しかも、腸は幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの9割を生成している場所なんです。食生活を変えたことで、いつの間にか気持ちまで前向きになっていたのは、自分でも驚きでした」(木下あおいさん)

女性の場合、肌の調子が悪いだけでも気持ちが下がってしまうもの。では、肌トラブルを招く原因とは一体何なのでしょうか。

「肌トラブルや肌を老化させてしまう三大要因と言われているのが、『酸化』『糖化』『炎症』です」(木下あおいさん)

それぞれどういった現象なのか、詳しく教えていただきました。

「活性酸素という言葉を聞いたことがある方も多いと思うのですが、私たちが体に取り込んだ酸素の一部は、他の分子と結びついて『活性酸素』となり、細胞を錆びつかせてしまいます。これが『酸化』です。ストレスや紫外線、アルコール、タバコといったものが活性酸素を大量に発生させ、肌のシミやシワ、たるみの原因となります。一方の『糖化』とは、摂取した糖質がタンパク質と結びつき、老化因子であるAGE(終末糖化産物という物質)を発生させてしまうというもの。AGEによってコラーゲンが硬くなり、結果として皮膚が硬くなってしまうので、目尻やほうれい線などにシワが刻まれやすくなってしまいます。そして『炎症』というのが、文字通り体の中で炎症が起きている状態のことです。赤ニキビやアトピー性皮膚炎、花粉症による肌荒れといった症状は、この炎症が原因で引き起こされると言われています」(木下あおいさん)

「腸活」をすることでこの3つの要因の発生を抑えられ、美肌になれるというわけです。

「腸の臓器としての主な働きは食べ物の消化吸収で、その9割は小腸で行われています。そのため、腸が健康でなければ消化吸収ができないだけでなく、吸収したものを体内で上手に利用することもできません。また、大腸は排泄の働きがある一方で、腸内細菌がいることでも知られています。腸内細菌がたくさんいると免疫力が高まるほか、便秘にもなりにくいんです。便秘で体内に老廃物が溜まっていると肌荒れやニキビになりやすいので、腸の調子を整えておくことはとても大切なんですよ」(木下あおいさん)

肌のお悩み別!「美肌」のキーとなる食材とは?

肌のお悩み別!「美肌」のキーとなる食材とは?

美肌における腸の重要性がわかったところで、早速代表的な肌トラブルの解消に効果的な栄養素と、それを含む食材を教えていただきましょう!

肌が乾燥する

肌が乾燥しているとキメが整わなかったり、シワができやすくなるほか、肌のハリもなくなってきてしまいます。対策としては、体全体の粘膜を整えることが大切だそうです。

「腸などの内臓はもちろん、目、鼻、口、皮膚の内側など、体には多くの粘膜があります。それらの粘膜の状態を整えることで肌にも潤いが出るのですが、そのためにはビタミンAとビタミンB2が必要です。ビタミンA、ビタミンB2はともに、ほうれん草やモロヘイヤなどの緑黄色野菜に多く含まれます。ただし、ビタミンAは吸収率があまり高くないので、吸収を良くするために、えごま油、亜麻仁油、青魚に含まれるEPA・DHAなどのオメガ3脂肪酸と一緒に摂ることをオススメします」(木下あおいさん)

粘膜の状態を整える食材

ほうれん草、モロヘイヤ、ニンジン

肌がくすむ

年齢を重ねると気になってくるのが肌のくすみ。洗顔で落としきれていないメイクの汚れが蓄積したり、加齢によりターンオーバーの速度が落ちてしまうことなどが原因です。こうした悩みには、アンチエイジングに効果がある食材を摂ることが有効とのことです。

「肌の老化を抑えるためには、フィトケミカルと呼ばれる植物由来の化学成分が有効です。フィトケミカルは植物が持っている抗酸化作用のある栄養素で、トマトのリコピン、大根やわさびの辛み成分であるイソチオシアネートなどのことを言います。これらの成分は細胞を壊してあげた方が吸収率がアップするので、煮込んだり、すりおろしたりして調理していただくのがオススメです」(木下あおいさん)

アンチエイジングに有効な食材

トマト、大根、わさび、タマネギ

シミ・そばかすが気になる

紫外線によるシミやそばかすの改善のほか、肌を白くしたいという人も多いと思います。こうした悩みに効く栄養素は、やはり「ビタミンC」とのこと。

「ビタミンCにはシミ・そばかすを予防する効果に加え、活性酸素を除去する働きもあるので、肌にはとても大切な栄養素です。ビタミンCの代名詞とも言えるレモンにも多く含まれますが、私がオススメしたいのは菜の花。スーパーなどで売られている1パックで、1日の推奨量100mgを超すビタミンCが含まれています。ビタミンCは熱に弱く、水に溶け出しやすいので、調理する時は蒸す、または少量の水で茹でるのがポイントです」(木下あおいさん)

ビタミンCが多い食材

菜の花、ブロッコリー、赤パプリカ

ニキビが気になる

ニキビのほか、アレルギーで赤みが出ているのは、肌が炎症を起こしている状態です。木下さんによると、こうした症状はある成分の摂りすぎが原因で起こっているそうです。

「ニキビや肌の赤みを引き起こす炎症は、オメガ6脂肪酸の摂りすぎが原因であることが多いとされています。オメガ6脂肪酸とは植物油脂のことで、加工品や揚げ物、スナック菓子などに多く含まれます。そのため、ニキビや赤みを改善したい時は外食をやめて自炊にしたり、加工品やお菓子を極力食べないようにすることが大切です」(木下あおいさん)

摂取を抑えたい食材

サラダ油、コーン油、大豆油、鶏肉・豚肉・牛肉の脂

木下さんオススメ!美肌に導く肌ケアレシピ3選

木下さんがオススメする、食べるだけで美肌に近づくオリジナルレシピを教えていただきました。

焼き油不使用!美肌・代謝促進アスパラステーキ

おいしく食べて美肌に!管理栄養士・木下あおいさんの肌ケアレシピ

【材料】(2人分)

  • アスパラガス……6本

[A]

  • ニンジン……5g
  • 塩麹……小さじ2
  • 亜麻仁油……大さじ1
  • 酢……小さじ1
  • ガーリックパウダー……適量

作り方

  • 1:アスパラガスの硬い根元を落とし、三角形のはかまの部分をピーラーで削いだら半分の長さに切る。ニンジンはすりおろす。
  • 2:鍋に大さじ3の水、アスパラガスを入れ、少量の塩(分量外)をふってからふたをして弱火で蒸し煮にする。
  • 3:ボウルに[A]を入れ、混ぜ合わせる。
  • 4:器に「2」をのせ、「3」を添える。

【木下さんからワンポイント】
ビタミンB1を含むアスパラガスは、肌を美肌に導きつつ、代謝を促して体の巡りを良くしてくれます。特に糖質の代謝に効果があるので、ダイエットにもつながるんですよ。アスパラガスの代わりに、舞茸やしめじ、しいたけといったきのこ類を使っても同様の効果が期待できます。

菜の花の簡単美肌和え

おいしく食べて美肌に!管理栄養士・木下あおいさんの肌ケアレシピ

【材料】(2人分)

  • 菜の花……150g
  • ニンジン……10g
  • 紫大根……10g
  • 納豆……2パック
  • 塩……ひとつまみ

[A]

  • 亜麻仁油……大さじ1
  • 醤油麹(醤油でも可)……小さじ1

作り方

  • 1:菜の花をひと口サイズに切る。ニンジンは薄い輪切りに、紫大根は半月切りにする。
  • 2:ボウルに「1」を入れ、塩で揉み込む。
  • 3:別のボウルに[A]と納豆を入れ、全体をしっかり混ぜ合わせる。
  • 4:「2」を「3」のボウルに加え、全体を和える。

【木下さんからワンポイント】
野菜の中でもダントツに多くビタミンCを含む菜の花。茹でるとビタミンCが溶け出してしまいますが、このレシピでは塩で揉み込むだけなので余すところなくビタミンCを摂取できます。夏は赤パプリカ、秋冬はブロッコリーなどに替えてもおいしく召し上がっていただけます。

便通改善で美肌効果 春キャベツとしめじの豆乳白味噌ポタージュ

おいしく食べて美肌に!管理栄養士・木下あおいさんの肌ケアレシピ

【材料】(2人分)

  • 春キャベツ(もしくはキャベツ)……80g
  • タマネギ……1/2個
  • しめじ……50g
  • しょうが……1片
  • 酒……大さじ2
  • 塩麹……小さじ1
  • 豆乳……300cc
  • 白味噌……小さじ2〜(お好みで調整ください)
  • 葛粉……大さじ1と1/2
  • こしょう……少々

作り方

  • 1:春キャベツはひと口サイズ、タマネギは薄切りにする。しめじは石づきを落としてほぐす。しょうがはすりおろす。
  • 2:鍋に大さじ2の酒、タマネギ、しめじ、キャベツ、しょうがを入れ、塩麹を加えたらふたをしてしんなりするまで弱火で蒸し煮にする。
  • 3:葛粉、白味噌を適量の豆乳で溶いて「2」に加え、残りの豆乳も加える。沸騰直前まで混ぜながら中火にかけ、味が薄い場合は白味噌を加えるなどして味を調える。
  • 4:器に盛り、こしょうをかける。

【木下さんからワンポイント】
肌トラブルを引き起こしやすいと言われているのが便秘です。便秘の解消には食物繊維を多く含むキャベツがオススメです。キャベツにはビタミンCも含まれているので美肌効果も期待できます。キャベツの代わりにカボチャやさつまいも、ごぼうなどを使うのもいいですよ。

毎日食べて美肌を目指そう!

毎日食べて美肌を目指そう!

ここまで、美肌に効く食材やレシピを紹介してきましたが、木下さんによると「一番大切なのは、バランスのとれた食事を毎日継続することです」とのこと。中でも、発酵食品と食物繊維は、腸の健康を保つために必要不可欠なものだと言います。

「腸の中には100兆〜1000兆個もの細菌が生息していると言われていて、そのエサとなるのが食物繊維です。また、腸内環境という意味では『多様性』がキーワードになっていて、たくさんの種類の菌がいることが重要なのですが、発酵食品には発酵の力によって様々な菌が含まれています。けれども、こういった食材は毎日摂り続けないと、腸内環境を整えることができません。日本には醤油や味噌など発酵調味料も数多くあるので、いろいろと組み合わせながら摂取するようにしてほしいと思います」(木下あおいさん)

また、意外と日本人女性に足りていないのがタンパク質だそうです。

「タンパク質は人間のすべての細胞をつくる元となる栄養素で、不足すると肌のターンオーバーの周期も遅れてしまい、その結果、肌トラブルが起きてしまいます。そういった状況を防ぐためにも、納豆や豆腐といった植物性タンパク質や、動物性の場合はタンパク質以外にオメガ3脂肪酸やDHA、EPAが豊富に含まれるお魚を食べるように心掛けてください。中には足りない栄養素をサプリメントで補充する人もいると思いますが、そのサプリメントの栄養も、腸内環境が整っていなければきちんと吸収することができません。どうしても困った時の最終手段と考えて、まずは日ごろからバランスのとれた食生活をするのが美肌への近道だと思います」(木下あおいさん)

プロフィール
木下あおい(きのした あおい)さん
木下あおい(きのした あおい)さん
インナービューティープランナー、管理栄養士として、女性が内側から美しくなるための食事を発信。自身が理事長を務める日本インナービューティーダイエット協会では、食に関する様々な資格が取得できる講座のほか、ダイエット専門料理教室を主宰。野菜を中心に、発酵調味料を用いたレシピを教えている。『美人はコレを食べている。〜食べるほど綺麗になる食事法〜』『やせるおやつ –小麦粉、白砂糖、卵、乳製品を使わない56のレシピ–』ど、著書多数。
 

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