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2020.10.30

運動会で主役に!子どもの運動能力を高める食習慣とは?

運動会で主役に!子どもの運動能力を高める食習慣とは?

年に一度の運動会。家族にとって、子どもの成長を知ることができる貴重なイベントです。精一杯頑張ってくれればいいと思いつつ、我が子の活躍にも期待してしまいますよね。そこで今回は、子どもが運動能力を最大限発揮するために心掛けたい、食事と栄養についてご紹介します。

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ゴールデンエイジが鍵!子どもの運動能力と成長に食事が欠かせない理由

ゴールデンエイジが鍵!子どもの運動能力と成長に食事が欠かせない理由

成長期の子どもが運動能力を全力で発揮するために、食事において最も大事なことは「栄養バランスを整え、健康的な食習慣を身に付けること」だと話すのは、運動と栄養の関係性に詳しい、公認スポーツ栄養士の橋本玲子さん。

5~15歳頃までの「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期にいる子どもたちは、さまざまなことを吸収でき、急成長が可能です。身体能力や運動能力、脳の神経系統などが著しく発達する時期だからこそ、その発達のもとになる食事がとても大切です。また、「一度身に付いてしまった食習慣を大人になってから改善するのは難しいため、子どものうちから健康的な食習慣を身に付けられるようサポートしてあげてほしいですね」と、橋本さんは話します。

しかし、ライフスタイルが多様化している現代では、子どもの食事においてさまざまな問題点があるそうで……。

「成長期の子どもたちは、日々食べたものが体の材料になって、骨・筋肉・血液・髪の毛など細胞の1つ1つを作り上げています。特にスポーツをするお子さんは、スポーツをしないお子さんに比べて多くのエネルギーや栄養素が必要になります。そのため、偏った食事や不規則な食生活では丈夫な体を作れない、疲れやすくて力を発揮できない、怪我をしやすいといったマイナス要素が増えてしまいがちです。ところが、最近は子どもの生活リズムが夜型化し、朝食の欠食や、一人で食事をする孤食の増加による偏食など、食べることの楽しさを学び、体験せずに過ごしている子どもが増えています」(橋本玲子さん)

知れば意外とカンタン!栄養バランスを整える食事ルール

では、子どもの運動能力向上と成長のためには、具体的にどのようなことを意識して食事をするとよいのでしょうか?

橋本さんが意識してほしいというのが、「毎食のバランスを整える」こと。とはいえ、栄養素を言われても分かりにくく、取り入れるのはなかなか難しいですよね。そこで、橋本さんがおすすめするのが、厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」を参考にする方法。1日に何をどれだけ食べるとよいかの目安が分かりやすく示されており、パッと見るだけでメニューの組合せを考えることができます。

運動会で主役に!子どもの運動能力を高める食習慣とは?

出典
・厚生労働省Webサイト「食事バランスガイド」https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html
・農林水産省Webサイト「食事バランスガイド」https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/

橋本さんいわく、「難しく考えずに主食・主菜・副菜の3つが揃っているかを意識するだけで、栄養バランスは格段に整います」とのこと。牛乳・乳製品や、果物は毎食取らなくてもOK。おやつやデザートなどとして、1日のうち、どこかで取り入れるようにすれば大丈夫です。

「分かりやすく言うと、定食を意識するイメージです。例えば、コンビニに行っておにぎりだけで済ませるよりも、ハムや卵、レタスが入っているサンドイッチを選べば主食に主菜や副菜がプラスされて栄養バランスが豊かになりますよね。余裕があれば牛乳も付けよう……と、それくらい気軽な気持ちで始めてみてほしいです」(橋本玲子さん)

健康的な食習慣を身に付けるためには、継続することが何よりも大事。そのためには、出来合いのお惣菜や冷凍食品、レトルト食品なども活用しながら、足りないものをプラスしていくのが長続きさせるポイントです。

これぞ裏ワザ?!運動前の「補食」で集中力アップ!

これぞ裏ワザ?!運動前の「補食」で集中力アップ!

バランスの取れた3度の食事は子どもの運動能力と成長を促すために欠かせませんが、さらに取り入れると効果的なのが「補食」です。

補食は、3度の食事では取り切れないものを補う食事のこと。橋本さんによると、「成長期に必要なエネルギーやビタミン、ミネラルなどを3度の食事で補うことは難しいため、特に運動で体と脳を使うお子さんには積極的に取り入れてほしいです」とのこと。運動をする1~2時間前に食べることで、胃に負担をかけずにエネルギーを補給することができ、集中力アップにつながります。

具体的な補食については、こちらを参考にしてください。

運動会で主役に!子どもの運動能力を高める食習慣とは?

補食はおやつではなく、あくまで食事の1つ。おすすめの食品は、体と脳のエネルギー源になる糖質がメインのもの。対して、控えたほうがよい食品は、脂質が多く消化に時間がかかるものです。

おいしく健康!子どもの運動能力と成長をサポートする、おすすめレシピ

子どもに栄養バランスの整ったごはんを食べてほしいものの、毎日の食事作りはやっぱり大変。親御さんの負担を少しでも軽くするべく、橋本さん監修・おいしくて栄養バランスも整うオリジナルレシピ(※)をご紹介します。

<朝食>
まずは、1日の始まりとなる朝食のレシピから。体と脳のエネルギー源となる糖質を含むごはんと、体作りに欠かせないたんぱく質の豊富な卵がセットで取れるメニューです。

運動会で主役に!子どもの運動能力を高める食習慣とは?

おにぎり

材料:1人分

  • ごはん……240g(軽く2杯)
  • 塩昆布……5g
  • 乾燥小エビ……大さじ1
  • 焼き海苔……適宜

作り方

  • 1:ごはんに塩昆布、乾燥小エビを加えて混ぜ、おにぎりを作る。
  • 2:1に海苔を巻く。

ほうれん草と油揚げのみそ汁

材料:2人分

  • だし汁……2カップ弱
  • 油揚げ……1/2枚
  • ほうれん草(冷凍野菜でも可)……1/4束
  • みそ……大さじ1

作り方

  • 1:油揚げは油抜きをし、横半分に切り、1㎝幅に切る。
  • 2:だし汁に1と、ゆでて3㎝に切ったほうれん草(冷凍の場合は凍ったまま)を入れ温め、みそを溶く。

きゅうりの即席漬け

材料:2人分

  • きゅうり……1/2本
  • 塩……少々
  • ごま油……少々
  • 顆粒和風だし……少々

作り方

  • 1:きゅうりは斜めに切り、塩、だしで軽く和えてしばらく置き、ごま油を混ぜる。

ゆで卵

材料:1人分

  • 卵……1個

作り方

  • 1:鍋に卵がかぶるくらいの水を入れ、卵を静かに入れる。
  • 2:卵がゆで上がったら、冷水につけ、殻をむく。

ミニトマト

材料:1人分

  • ミニトマト……2~3個

作り方

  • 1:ミニトマトは水洗いをする。

POINT

「おにぎりやゆで卵にすれば食べやすく、忙しい朝にピッタリです。不足しがちなカルシウムも、おにぎりの具材に小エビ、みそ汁の具に油揚げを使えばOK。体の機能を調節するビタミン類を含む野菜は、洗っただけで食べられるトマトや冷凍野菜などを活用すると便利ですよ」(橋本玲子さん)

<昼食>
続いては、1日の活力を支えるのに大切な昼食メニュー。午後の活動のエネルギー源となる糖質と、腹持ちを良くするたんぱく質をしっかり補給するのがポイントです。

運動会で主役に!子どもの運動能力を高める食習慣とは?

鶏肉うどん

材料:2人分

  • 冷凍うどん……2玉
  • 鶏もも肉……1/2枚
  • しいたけ……3枚
  • たまねぎ……1/2個
  • 万能ねぎ……少々
  • 水……2.5カップ
  • めんつゆ……大さじ4
  • ごま油……小さじ2

作り方

  • 1:鍋にごま油を熱し、一口大に切った鶏もも肉を焼く。
  • 2:表面に色が付いたら、スライスしたたまねぎとしいたけを加え炒める。
  • 3:水とめんつゆを加え、最後に冷凍うどんを加えて煮る。
  • 4:万能ねぎを小口切りにして散らす。

ツナとにんじんのごま和え

材料:2人分

  • にんじん……1本
  • ツナ水煮缶……1/2缶
  • 塩……小さじ1/4
  • いりごま……小さじ2
  • こしょう……少々

作り方

  • 1:にんじんはせん切りにし、電子レンジで1分半加熱する。
  • 2:塩、水気を切ったツナ、いりごま、こしょうを加えて和える。

フルーツヨーグルト

材料:1人分

  • ヨーグルト……100g
  • キウイフルーツ……1個

作り方

  • 1:キウイフルーツをカットして、ヨーグルトにのせる。

POINT

「のどごしの良い麺類に、良質のたんぱく質を含む鶏肉と野菜、きのこ類が一杯で取れる一品。にんじんのごま和えに缶詰のツナをプラスすれば、お子さんでも食べやすく手軽に魚を取ることができます。カルシウムの吸収率が良いヨーグルトとビタミン類が豊富な果物も、1日1回欠かさず取るようにしましょう」(橋本玲子さん)

<夕食>
最後は、1日の中で最もリラックスして食べられる夕食のレシピを。お子さんの好きな肉料理を中心に、朝食と昼食で取っていない食材を使うと栄養のバランスが整いやすくなります。

運動会で主役に!子どもの運動能力を高める食習慣とは?

ごはん

材料:1人分

  • ごはん……200g

じゃがいもとたまねぎのみそ汁

材料:2人分

  • だし汁……2カップ弱
  • じゃがいも……1個
  • たまねぎ……1/4個
  • みそ……大さじ1

作り方

  • 1:だし汁に拍子木切りにしたじゃがいもと、薄切りにしたたまねぎを加えて火を通す。
  • 2:火が通ったらみそを溶く。

豆腐ハンバーグ

材料:2人分

  • 合挽き肉……150g
  • 木綿豆腐……1/2丁(150g)
  • たまねぎ……1/4個
  • 卵……1/2個
  • パン粉……1/4カップ
  • 塩……少々
  • 油……小さじ4
  • しめじ……1/2パック
  • ウスターソース……大さじ1
  • トマトケチャップ……大さじ1
  • ベビーリーフ……10g
  • ミニトマト……4~6個

作り方

  • 1:たまねぎはみじん切り、豆腐は水切りして、パン粉と溶いた卵を合わせる。
  • 2:1と合挽き肉と塩を混ぜて、ハンバーグの形に成形し、油をなじませたフライパンで焼く。
  • 3:ハンバーグを皿に盛り、フライパンに残った油でほぐしたしめじを炒め、ウスターソースとトマトケチャップを加えてハンバーグにかける。
  • 4:盛り付けの際に、ベビーリーフとミニトマトを添える。

小松菜とじゃこの炒め物

材料:2人分

  • 小松菜……1/2束
  • ちりめんじゃこ……大さじ1
  • 油……大さじ1/2
  • めんつゆ……大さじ1/2

作り方

  • 1:フライパンに油を熱し、3㎝に切った小松菜を炒める。
  • 2:ちりめんじゃこを加えてさらに炒め、めんつゆを加えて加熱する。

ぶどう

材料:1人分

  • デラウエア……2/3房(正味80g程度)

作り方

  • 1:水を入れたボールや水桶に、デラウエアを静かに入れて軽くゆすって洗う。

POINT

「肉や魚に負けないたんぱく質のほか、カルシウムの豊富な豆腐を使ったハンバーグはボリューム感もあり、カロリーが気になるお父さんやお母さんにもおすすめ。1食で成長期のお子さんに不足しがちな鉄の約8割、カルシウムは約4割が補える栄養リッチな夕食です」(橋本玲子さん)

子どもの頃に身に付いた食習慣は、一生の財産になります。お子さんが健康で元気な毎日を送れるよう、できるところから食生活の改善に取り組んでみてくださいね。

※:オリジナルレシピは、小学校5~6年生男子を基準に考案。材料の分量については、小学校低学年のお子さんは7~8割程度、中学校のお子さんは2割増し程度を目安にするとよいでしょう。

【取材協力】 
橋本玲子(はしもと れいこ)さん
橋本玲子(はしもと れいこ)さん
管理栄養士/公認スポーツ栄養士。株式会社 Food Connection 代表取締役。ラグビーワールドカップ2019で栄養コンサルティング業務を行うなど、20年以上にわたり、オリンピック選手やプロサッカー選手らトップアスリートを「食と栄養面」からサポート。近年では、アメリカ栄養士会インターナショナルメンバーの日本代表として、日本の食文化や栄養情報を世界に発信する取り組みにも力を入れている。
 

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