(c)yukimomon
一緒に海や山に出かけたり、家でまったり過ごしたり。大好きなペットと共に生活する日々は、私たちに幸せや安らぎをもたらしてくれます。最近では種類が違う複数の動物と一緒に暮らす方も増えてきていますが、種類の違うペットの多頭飼いは喜びも多い反面、大変なこともありそうです。上手にペットと暮らすためには一体どんな工夫が必要なのでしょうか。今回は、シベリアンハスキーの「のの」、ノルウェージャンフォレストキャットの「Guri」の2匹の飼い主であるインスタグラマーyukimomonさんに、犬と猫と一緒に暮らす楽しさや生活のコツなどを教えていただきました。
まずは、「のの」と「Guri」のプロフィールからご紹介しましょう。
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「のの」
シベリアンハスキー メス 6歳
先代ハスキー犬のMOMOが亡くなり、2代目ハスキー犬としてyukimomon家にやってくる。頭はいいが、同じことをコツコツやれる性格ではなく、ちょっと飽きっぽい。怒られると凹みやすいがすぐに忘れる。素直で甘えっ子で、いかにも末っ子という性格。
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「Guri」
ノルウェージャンフォレストキャット オス 9歳
のんびりした大らかな性格。先代犬のMOMOに育てられ、ののより犬っぽい。自分を猫だと気が付いていない様子。「本当に猫なのか?」と疑うくらいどんくさい。
ののとGuriが一緒に暮らすようになった背景には、先代犬のMOMOの存在がカギとなっているようです。2匹がyukimomon家にやってきたのには、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
「それまでマンション住まいでフェレットを飼っていましたが、一軒家に引っ越したのを期に、以前から飼いたかったシベリアンハスキーのMOMOを迎えました。MOMOが8歳の時、生後2ヵ月の兄妹猫をブリーダーさんから引き取ったという友人がいて、そのうちの1匹を譲り受けることになりました。それまで、猫を飼いたいと思ったことはなかったのですが、友人から写真を見せてもらった時、大好きなキャラクターにそっくりな猫ちゃんで一目惚れしてしまったのも理由の1つです。最初はメスの子猫が来たのですが、とても神経質な子だったようで、唸りっぱなしで1週間飲まず食わずの状態に……。このままでは死んでしまうと、友人と相談して兄妹を交換することにしました。こうして、友人の家にいたGuriが我が家にやってきたのです。Guriは自分からMOMOに近づいて、すぐそばで親子のように寄り添いました。MOMOはフェレットと一緒に育ったため、自分より小さな生き物に優しく接してくれる子だったんですね。その後、MOMOを突然亡くした時、何もできずGuriを抱えて泣く毎日になってしまい……。そこで、2代目ハスキーとして『のの』をお迎えすることにしたのです」(yukimomonさん)
ののとGuriという異種兄妹コンビの誕生には、先代犬のMOMOが橋渡し役となってくれていたのですね。優しいMOMOの教えを守って、2匹はyukimomonさんの心の支えとなっているようです。
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yukimomon家では、先代犬のMOMOがいるところに猫のGuriがやってくることで犬と猫の同居が始まったわけですが、犬と猫を一緒に飼うのに不安はなかったのでしょうか。
「元々フェレットが4匹いるところに先代のMOMOを迎えましたが、フェレットは怖いもの知らずの動物ですし、MOMOも彼らを追いかけるような性格でなかったこともあって、フェレットの中で一番若い子とMOMOが仲良くなりました。小さなお兄ちゃんフェレットに教育され『小さい子は怖い』と思ったようで、MOMOは相手が犬でもなんでも自分より小さい子にはケガをさせないよう、伏せをして目線を合わせて遊んでいたんです。子猫のGuriを飼う時も不安はありませんでした。ですが、Guriがいるところへ2代目となるののを迎えた時は少し苦労をしました。ののは普通の子犬らしくGuriを追いかけまわして吠えてしまい……。最初、2匹は仲良くなれないのでは?と心配しました。そこで、犬は群れで暮らす動物であることを利用し、猫が上位だと教えればきっと仲良くなれると思い、とにかく先輩であるGuriを優先にして、ののには我慢を覚えさせることにしたのです。その甲斐あってののは、Guriをお兄ちゃんだと認めてくれています」(yukimomonさん)
ののとGuriが仲良く生活できているのは、2匹の順位を明確にして接したyukimomonさんの努力の賜物なのですね。
「犬と猫が仲良しなのではなく、人間も犬も猫も関係なく、私というリーダーの下で暮らすファミリーと考えています。犬は一緒にやり遂げる喜びをくれますし、猫は癒しをくれます。それぞれが私に生きていく活力をくれています。週末にかわいい2匹とお出かけして一緒に素敵な景色を見る、そのために仕事を頑張ろうと思えることが本当に幸せです」(yukimomonさん)
ペット同士がストレスなく同居するためには、飼い主が動物たちのリーダーとなり、1つのファミリーという「群れ」を形成できるかどうかが重要なポイントとなるようです。
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犬と猫を一緒に飼っている人が意外と難しいと感じるのが、2匹を同じフレームで撮影することではないでしょうか。それぞれのかわいらしい表情を引き出しつつ、2匹が仲良く並んだ写真を撮影できたら最高ですね。そこで、yukimomonさんに犬と猫を一緒にかわいく撮影するコツ、ポイントをうかがいましょう。
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「背景を確認して『こんな画を撮りたい』と決めておいてから、小さいGuriを手前に配置します。カメラを持つ私は、できるだけ2匹と同じ目線で撮るようにしていますが、きちんとファインダーを覗かないとベストの瞬間が狙えないので、いつも這いつくばっていて膝が傷だらけです……。撮る時は連写をせずに、その瞬間を狙って撮るようにしています。ののはちょっと落ち着きがないので2匹が揃うまでに撮る枚数が増えがちですが、飽きてしまうのでなるべく時間をかけないようにしています。それと、一番注意するのは出かける時間ですね。人が集まる場所にはとにかく早朝に行きます。人が多い時間は他の人の迷惑になりますし、2匹が気にしてしまって、いい写真が撮れません」(yukimomonさん)
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2匹に並んで仲良くカメラを見てもらうためのワザやコツはあるのでしょうか。
「目線は外して同じ方向を見ているのが好みなので、実はあまりカメラ目線を気にしていません。2匹が同じ方向を見るのは、音とか鳥とか人とか、気になるところが一緒の時なんですね。いつもは私1人で出かけることが多いですが、他の人が一緒の時は、おやつや音で注意を引いてもらうこともあります」(yukimomonさん)
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並んで同じ方向を見ているショットは、2匹の仲が良いことがよく分かりますし、カメラ目線にも負けないかわいさですよね。2匹が揃った瞬間を逃さずシャッターを切るために、飼い主は体を張って撮影に臨む必要がありそうです。
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犬と猫が同居していると、そりが合わなくてケンカになってしまったり、トラブルが多くなってしまいがち。どう対処したらよいのでしょうか。
「無理をしないことが大切かなと思います。例えば、初めに来たメスの子猫だったら、きっと今の2匹のようにはなっていなかったでしょう。でも、友人宅へ行ったその子にたまに会うと、自分からMOMOに近づいて足のにおいを嗅いだりするようになりました。きっと時間はかかるでしょうが、一緒に住む家族にはなれただろうと思います」(yukimomonさん)
初めはケンカが多い2匹でも、焦らず長い時間をかけて関係を築いていけば、仲良く穏やかに生活できるよう改善できるかもしれません。犬と猫は性質が違うので、飼い主がそれぞれの個性を尊重し注意して接してあげることによって、関係構築につながることもあるでしょう。
最後に、飼う前に考えておくべきことや飼い主が守るべきことについて、yukimomonさんに教えていただきました。
「飼い主がきちんとリーダーになれるかどうかが重要です。猫を訓練するのは難しいので、うちでは、Guriに多くを求めたことはありません。しかし、犬には必ずリーダーの存在が必要で、飼い方次第で人間がリーダーになることも、犬がリーダーになってしまうこともあります。犬がリーダーになるのは、人間にも犬にも不幸なことで、そこに猫が入ってきても当然ファミリーにはなれないと思っています。我が家の場合は、私がリーダーであり、Guriの方が上位であることをののに伝えながら接しているうちに、Guriはいつの間にかののに寄り添ってくれるようになりました。どんな形になろうとも、無償の愛をくれるこの子たちに最期まで愛情を注げる人間になりたいと私は思っています」(yukimomonさん)
yukimomonさんをリーダーに、仲良しファミリーとなった、ののとGuri。2匹のかわいいコラボレーションの背景には、それぞれの個性に向き合って尊重する飼い主の愛情がありました。「犬も猫も両方飼ってみたい!」という方は、群れのリーダーになる心構えで家族を迎えることが大切ですね。