ゆるいタッチとかわいい表情が絶妙なプチイラストは、誰からも好感度を持たれるシンプルさが特徴。プチイラストは、しまださんが元々描かれていたイラストの雰囲気をベースに、初心者でも描けるようにと簡略化したもの。
「絵を描くことに対して苦手意識を持っている方が、思いのほか多いのに驚きました。どうやったら描いてもらえるか、苦手意識というハードルを越えて最初の一歩を踏み出してもらえるか。まずは真似から入って、楽しさを知っていただこう。それにはできるだけシンプルな方がいい。そう考えて生み出したのがちいさくてかわいいプチイラストなんです。私のイラストはもともとシンプルでしたが、もっともっと簡単にした形ですね。
また『具体的にどこから描いたらいいのかわからない』という意見も多かったので、テキストはレシピのように描き順がわかるようにしました。手順に沿って練習すれば、誰でも描けるようになりますよ」(しまださん)
一口にイラストと言ってもいろいろありますが、最初は顔を描くことから始めるのがおすすめだそう。
「例えばノートにちょっと顔を描くだけでも、途端にカワイイ物になっちゃう。顔が描ければ、どんどん楽しくなるんです。上を向かせたり、下を向かせたり、少し目と口位置をずらしたりと、ちょっと形を変えるだけで全然違う表情になります」(しまださん)
しまださん自身もプチイラストを生み出したことによって再認識することがあったそうです。
「ユーキャンのテキストにはきちんとイラストの描き順を記してあります。テキストを作るにあたり、自分が無意識で描いていたものが、実ははっきりステップがあったんだなって気づかされたことがあって。これは私にとってもすごい発見でした。プチイラストはシンプルだけど、ベーシックがたくさん詰まっているんです。」(しまださん)
シンプルなイラストは、いろんなものに応用できるのが魅力だと、しまださんは言います。日常生活での活用方法について教えてくださいました。
「凝ったイラストはだいたい紙にしか描けませんが、プチイラストのようにシンプルなものは布に描いたり、それをベースに刺繍したり、ケーキにデコペンで絵を描いたりと、いろいろ楽しい応用ができるんじゃないでしょうか。私も大きな真っ白いレアチーズケーキを作って、こどもの日に鯉のぼりを描いたり、クッキーに顔を描いたりしましたね。これこそ、シンプルなイラストの良さですよね。カードや便箋、付箋など、もちろん紙ものにはなんだって描けます。お友達の出産祝いに赤ちゃんの絵を贈った時は、大層喜んでもらえました。
こうやってコミュニケーションツールとして人に何かをしてあげるのもいいし、自分用だったら手帳にちょっとしたイラストを描くのもいいですよね。例えば、歯医者さんに行くのが嫌だなって思ったら、歯のイラストを描いておくとか(笑)。そうすると、嫌な予定も少し楽しくなるものです。予定が埋まらなくて手帳がスカスカでも、イラストを描けば思わず開きたくなりますよ」(しまださん)
なんでもデジタルでできる時代にあえて手描きでイラストを描くことについて、しまださんはどう考えているのでしょうか。ご意見を聞いてみました。
「手描きが伝えるものは、ぬくもりやその人らしさだと思うんです。決して上手い下手だけじゃない。その人が持っている可愛らしさとか、優しさとか、そういうものがデジタルだと出づらいのかなって思いますね。自分の手でペンを持って描くことで、その人らしさが伝わってくる。それが受け取った人を優しい気持ちにさせてくれるんじゃないかな、と思います。ちょっとした気持ちを伝えるのには、やっぱり手描きが効果的。難しく考えずに、ぜひ気軽に描いてみてほしいですね」(しまださん)
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