毎日は忙しく過ぎていくもの。そんな中でも、本を開くことで、日常生活ではなかなか気付けないコトや考え方に出会うことができます。今回は、明日からでも簡単に取り入れられる「自分を変えるためのヒント」をもらえる本の紹介です。
困ったときは、猫の手を。最初の1冊は『人生はニャンとかなる! ― 明日に幸福をまねく68の方法』(文響社)。ポジティブな人生を送るための味わい深いメッセージに、一匹ずつ愛らしい猫の写真が添えられています。メッセージは過去の偉人や著名人からのもので、彼らの人生の一端を知るきっかけにもなりそう。文字だけではなかなか理解しにくい先人の教えも、猫の姿を見ながらならスッと受け入れられるはず。また、ページ一つ一つが切り離せるので、オフィスの悩める同僚に渡してみるのもよいかもしれません。なお、前作として犬版の『人生はワンチャンス!』(文響社)もあるので、犬派のあなたはそちらもいかがでしょうか。
みんなが知っているあのムーミンママの名言を集めた『ムーミンママの名言集』(講談社)。みんなを尊重し、受け入れるムーミンママの飾らない言葉の数々には、私たちに何かを気付かせてくれる名言が満載です。きっとあなたの毎日を元気にしてくれる言葉が見つかるはず。
毎日忙しく働く中で疲れてしまったあなたに。
「変だわねぇ。恵まれすぎてるからって、落ち込んで怒りっぽくなるなんて。でも、現に、そうなんだもの、仕方がないわ。そうなってしまったからには、すっかり初めからやりなおすのが一番、ってことなのよ」*1
目の前のことに必死になっているとき、「なぜ始めたのか」「何が悪かったのか」を初めから見直すのは勇気がいること。でも実は、それが一番近道、という場合もありますよね。こんな風に、それと知らずに見過ごしていた大切なことに気づかせてくれる名言が、たくさん集められています。
*1出典:『ムーミンパパ海へいく』より/『ムーミンママの名言集』トーベ・ヤンソン[著], サミ・マリラ[編集], 渡部 翠[翻訳] 講談社 p.19
フランス人の生活ってちょっと憧れですよね。『フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣』(大和書房)は、アメリカ人の著者がフランス留学した際に学んだ、お金をかけずに生活を楽しむ方法が紹介されています。
例えば、タイトルにある「10着しか服を持たない」なんて聞くと「少なすぎる!」と思われる方もいるかもしれません。けれど実は「……自分らしいスタイルを確立できれば、あなたのワードローブも気に入った服ばかりになる」*2というように、“数”ではなく、自分らしい“スタイル”を追求することが大切なんだ、と教えてくれているんです。
ファッション以外にも、「自分のスタイルの『テーマ』を決めるのは、『他人に対して自分をどんな人間だと印象付けたいか』を決めることでもある」*3といった、暮らしに役立つレッスンもちりばめられています。
*2出典:『フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣』ジェニファー・L・スコット[著], 神崎 朗子[翻訳] 大和書房 p.83
*3出典:『フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣』ジェニファー・L・スコット[著], 神崎 朗子[翻訳] 大和書房 p.86
もし今のあなたに叶えたい夢があるのなら、それを紙に書いてみてはどうでしょうか。『夢は、紙に書くと現実になる!』(PHP文庫)では、夢を紙に書き、それを叶えていく方法について、実際に達成した人たちの話を交えて紹介をしています。
「みなさんは自分の書きたいと思うように書いてかまいませんし、それでも結果はきちんと得ることができます」*4
と方法は極めてシンプル。一方で、自分の夢が何なのかわからず悩む人には、
「……自分の目標が何なのかわからない場合は、書くことで自分を正しい方向に導くことができます」*5とも。
また、自分の夢とするものが見つかったとき、それをより深めていくためには、
「夢についてただ書くのではなく、そもそもなぜその夢を実現したいのか、またその夢を実現することであなた自身の人生や他人の人生がどんな風に豊かになるのか、よく考えてみてください」*6
つまり、紙に夢を書く、という行為を通じて、自分自身と対話をしているのが解かってきます。何よりもまず、自分が何を望むのか、それを明確にすることの大切さを、具体的な方法論を通じて、本書は語っています。
実際に夢を書いてみたいあなたには、プチ書初めがオススメ!
*4出典:『夢は、紙に書くと現実になる!』ヘンリエッタ・アン・クロウザー[著] 野津智子[訳] PHP文庫 p.7
*5出典:『夢は、紙に書くと現実になる!』ヘンリエッタ・アン・クロウザー[著] 野津智子[訳] PHP文庫 p.28
*6出典:『夢は、紙に書くと現実になる!』ヘンリエッタ・アン・クロウザー[著] 野津智子[訳] PHP文庫 p.126
いかがだったでしょうか? 本のページを開くのは、新しい世界の入り口に立つようなもの。けれど1冊読み終わっても、そこはまだ折り返し地点です。
本の内容をあなた自身の生活に引きつけて、「何を変えられるか」、逆に「何を変えなくてよいのか」、それを考えることこそが、あなたの人生に彩りを加えます。まずは好奇心に任せて、一歩を踏み出しましょう。今回挙げた4冊がどうかその手助けとなりますように。
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