勉強に集中するために、学校や図書館、自習室などを活用していた人も多いのではないでしょうか。しかし、「新しい生活様式」の中でその使用が制限され、自宅で学習する機会が増えています。集中しづらい、スイッチが入りづらい、習慣にしづらい……自宅ではなかなか勉強が進まず、ダラダラしてしまう方も多いのでは。
そこで、今注目されているのが#StudyWithMeという勉強動画。#StudyWithMe動画とは、YouTuberが勉強している様子を、その時間ずっと撮影している動画です。動画内では、自宅でなかなか勉強に集中できない人に、勉強に集中できるノウハウや効率的に勉強する方法、気分転換の方法や心地よい勉強空間の整え方などをレクチャーしてくれることも。YouTuberと一緒に勉強していると、勉強仲間ができたようで嬉しいと人気になっています。そんな#StudyWithMeの勉強動画を発信する、現役名大生のPikeチャンネルさんに、勉強動画の活用法やモチベーションアップ法などを伺ってみました。
そもそも、なぜPikeチャンネルさんは、このような勉強動画を発信することになったのでしょう。
「Pikeチャンネルの最初の動画を投稿したのが、2020年4月。コロナウイルスの感染拡大で大学も休講、図書館などの施設も閉鎖してしまいました……。学校に行くことで勉強のモチベーションを上げていたのに、それができなくなって。自宅にいる時間や自分時間が増える一方で、その時は一人暮らしで誰も見ていないから勉強する気も徐々に起きなくなりました。特に資格のための学習は、大学卒業に必要な授業でも課題でもありません。自分で決めた学習内容ですが、一人で勉強することの難しさを痛感しました。
そんな時、韓国のあるVlog※クリエイターが、まるで図書館にいるような体験ができる動画をアップしていて、『これなら集中できる!』と感動しました。この動画に刺激を受けて、『自分も勉強にまつわるさまざまな動画を新しく作っていけたら』と思うようになりました。自分自身が勉強する動機付けやモチベーションアップのためにYouTuberを始めたのがきっかけでした。
今のように#StudyWithMe動画がこんなにも流行るとは思いませんでしたし、当時はまだ勉強動画に注力する有名なYouTuberさんもいませんでした。大学生の日常風景も動画に映しますが、YouTubeのメインテーマは勉強でいこうと思いました。今でも動画を作り続けているのは、自分自身が勉強を続けていくためです。そこは変わりません」(Pikeチャンネルさん)
※Vlogとは…Video blogの略。日常風景をブログのように動画で切り取り、コンテンツとしてアップロードすること。
現在、Pikeチャンネルさんは、名古屋大学で法律を学びながら弁護士を目指しているそうです。弁護士を目指したのは、中学生の頃さまざまな職種の方々にお話を聞く機会があった時だとか。弁護士は警察官や消防士のように仕事内容がパッと思い浮かばなかったため、弁護士の方に詳しく話を聞いてみたそうです。その方の話す言葉の選び方や、重厚な雰囲気などすべてが格好よくて、「弁護士って尊敬できる仕事だな」と興味深く印象に残ったそうです。
Pikeチャンネルさんは、大学受験の勉強の仕方においてもルールを自身で積み重ねてきたそうです。だからこそ、現在配信する勉強動画にも説得力が生まれ、勉強を効果的に進めたい多くのユーザーからの支持を得ているのかもしれません。
「塾に通うことなく、現役で大学に合格しました。高校が土日も含めて毎日夕方頃まで開校していたおかげで、土日も学校に行って、勉強しないといけないという環境に自分を投じていましたね。自宅で学習する時は、家族に『今から○○するね』と宣言して、できていない時に指摘してもらいました。暗記ものの場合は、親の前でその日学習して覚えたことを一方的に説明していました。机の前には必ずToDoリストを用意しました。ToDoリストをすべて線で消し終わった時の達成感は、次へのやる気にもつながります。
それでも『明日にしようかな』と何回かサボりたくなって、やる気の出ない時もありました。そんな時は無理せず『今夜はもうやらない、リフレッシュしてまた明日から頑張ろう』としっかり休息を取ります。高校時代はそんなことの繰り返しでした。
中高生の頃、『勉強が面倒くさい』と簡単に口に出す人がいました。そう考えてしまうと、口にした本人も、それを聞いた周りの人も勉強のモチベーションが下がるし、何ひとつ良いことはありません。だからこそ僕は、『楽しい要素を欠かさないこと、その要素一つ一つにこだわること』を大切にしています。勉強して何かを志す人たちにも、常に楽しい要素をプラスするというコツを役立てていただけたら嬉しいですね」(Pikeチャンネルさん)
Pikeチャンネルさん流「勉強に楽しい要素を加える」やる気アップのポイント
続々と勉強動画を作るPikeチャンネルさんですが、#StudyWithMeの勉強動画を活用するメリットを教えてくれました。
「まず、デジタルデトックス、いわゆるスマホ断ちができます。何気なく置いてあるスマホが視界に入ると、用もないのに気づけばずっと触って、ゲームをしたりSNSを見たり……。スマホが勉強を邪魔する誘惑にならないように、#StudyWithMe動画を流し続けるのは、本当に効果的です。他のアプリを起動しないから気が散らないで済むんです。とはいっても、ただ単に動画を流すのでは意味がありません。一緒に勉強をしていけるように、お気に入りのYouTubeチャンネルや動画を見つけること、選ぶことが最も大事です。
先ほど『勉強に楽しい要素を加える』僕なりのやる気アップのポイントを紹介しました。同様に自分が好きな、一人の勉強時間も楽しいと思える、そんな#StudyWithMe動画をぜひ見つけてください」(Pikeチャンネルさん)
「今この記事を読んでいるのは、すでに勉強や学びに関心のある方たちだと思います。学生・社会人を問わず、そういう向学心があること自体ものすごいことだと思います。忙しい生活の中で勉強時間を捻出するのは難しいことですが、読者の方なら大丈夫だと思います。#StudyWithMe動画を使って勉強することで、ぜひ日々の生活の中に勉強をうまく組み込んでいただければと思います」(Pikeチャンネルさん)
Pikeチャンネルさんは、YouTubeで勉強動画をアップしているほか、TwitterやInstagramも活用しています。勉強動画を活用しているユーザーから、共感コメントをもらったり、こういうBGM集を配信してほしいというリクエストが届いたりするそう。それが、新しく動画を作るモチベーションにもつながっているのだそうです。
勉強のやる気を引き出すために、#StudyWithMe動画をフル活用!あたかも図書館の自習室のような、誰かがいる緊張感のある環境を、自分の生活の中に作り出してみてはいかがでしょうか。先の見えない、三密を防ぐ生活の中で、ニューノーマルとして今後もっとさまざまな動画が出てくるかもしれませんね。