引っ越し先の土地には知り合いも少ないので、専業主婦になっても孤独や退屈を感じてしまうことも。仕事をすれば自然と知り合いもでき、新しい土地にもなじみやすくなります。しかし、夫の転勤が多いと、自身の職場も安定せず、働きにくい転勤族の妻。「また転勤があるかもしれないし、ブランクがあるからやっぱり仕事に就くのはムリ……」と、動けずにいる方も多いのでは。けれども、全国的に働く場所があって、同じような仕事内容であれば職に就きやすく、仕事にもスムーズに入ることができ、さらに経験を積むことが可能なのです。
それでは、そんな転勤に強い仕事には、どんなものがあるのでしょうか。一般的に「どこにでもニーズがありそう」とイメージされやすいのは、看護師や教師、栄養士、税理士といった仕事でしょうか。確かに仕事があり、資格を取得すれば一生モノですが、一定の受験資格が必要だったり、難易度が高く、勉強に時間やお金も必要だったりします。覚悟を決めて学校に入る、というのも一つの方法かもしれませんが、転勤となって継続できなければそれこそ意味がありません。そこで今回は、誰でも受験できて、比較的短期間で取得でき費用負担も軽い、転勤先でも役に立つ資格をご紹介します。
都会にも地方にも多いのは、病院や薬局、介護施設といった医療・福祉の場所での仕事。働く場所も生活圏に多く、自宅近くで探しやすいというメリットがあります。
病院では、受付や会計を行う医療事務や看護師のサポートをする看護助手、薬局では特定の医薬品が販売できる登録販売者や会計などを行う調剤薬局事務、介護施設では介護を行う介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)だけでなく、事務全般やスタッフの勤怠管理などを行う介護事務や福祉用具の選び方や使い方のアドバイスをする福祉用具専門相談員といった資格があります。
医療事務講座へのリンク
登録販売者講座へのリンク
調剤薬局事務講座へのリンク
看護助手講座へのリンク
介護事務講座へのリンク
一般企業で働きたいという場合は、どの企業にも必ずある経理事務がおススメです。企業によって細かいルールが違ったり、使用する会計ソフトが違ったりといったことはありますが、経理事務の考え方や用語は共通しています。
他にもITによる効率化が進んでいるとはいえ、まだまだ一般事務のニーズもあります。いずれも内勤で規則的な勤務体系が多いことから、女性に人気の高い職種です。経理事務なら簿記、一般事務ならマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)といった、パソコン関連の資格を持っていると有利です。複数の派遣会社や求人サイトに登録をしておくと、仕事も見つけやすくなります。
簿記3級講座へのリンク
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)講座へのリンク
「販売や接客が好き」「人と関わる仕事がしたい」という場合は、全国展開をしているようなショップも狙い目です。転勤先にも店舗がある可能性が高く、経験者は優遇されます。多いのは美容の分野で、ネイリストやエステティシャン、ヨガインストラクターといった資格が有効です。
また先に述べた医療の分野では、薬局も全国展開のドラッグストアや調剤薬局が多くあります。ほかにも各地に営業所、事業所が多いのは不動産や保険といった分野です。不動産会社で賃貸や売買契約を行う宅地建物取引士(宅建士)や、保険の分野では窓口で保険を取り扱う店舗を展開する保険会社で家計の見直しやライフプランのアドバイスを行うファイナンシャルプランナー(FP)といった資格もニーズがあります。
はじめてのヨガ&ピラティス講座へのリンク
宅地建物取引士(宅建士)講座へのリンク
ファイナンシャルプランナー(FP)講座へのリンク
パソコンとネット環境さえあれば、国内に限らず海外でも仕事を続けることも可能な、クラウドソーシングといった働き方も出てきています。Webデザインといった専門性の高いものから、データ入力や資料作成といったものもあり、Web上で仕事を得たり、仲間とつながったりすることができます。
ネット上でのやりとりが主になるため、信頼性やスキルを担保するWebライティング能力検定といった資格も出てきています。 プラスして、eco検定で環境ライター、フードアナリスト検定でフードライターといったように、資格を追加して専門分野をアピールして仕事をしている方もいます。
資格を取得して働くと、転勤の度に職場や働き方が変わっても、その土地ならではの経験や人との出会いによって、むしろキャリアを積み重ねていくことができます。
また今回ご紹介したような、働く場所に左右されない働き方や、どこでも活かせる資格はたくさんあります。職業訓練や教育訓練給付金制度といった国の補助を得て学ぶことができる資格もありますし、全国のハローワークでは、そうした制度に関する相談にも乗ってくれます。
すぐに仕事につく自信がない場合でも、「自分にはムリ……」と最初からあきらめず、制度などをうまく活用して、まずは学ぶことから始めてみるのも一つの方法です。そこで、一緒に学ぶ仲間を得たり、仕事を紹介してもらえたりする場合もあります。
転勤などの環境の変化は、自分を変えるチャンスでもあります。転勤族の妻も資格取得などによって、自分らしいキャリアをデザインしていきましょう。