今、人の手で行っている仕事の約半数が、10~20年後、AIやロボットに取って代わられるかもしれない……そんな記事を目にすることが増えてきました。「まだまだ先のことでしょ?」と気楽に構えてはいられません。2016年、囲碁勝負でプロ棋士がAIに敗れたというニュースが流れましたが、これは「早くて10年後だろう」と予測されていたのです。それだけ進化のスピードは速く、AIの実用化が急速に進んでいくことは間違いありません。
ルーティンワークやデータを扱う仕事などはAIの方が正確で効率的だとされます。今後、AIに取って代わられる可能性のある仕事として、「事務職」「受付」「オペレーター」「製造」「販売」などが挙げられています。
AIに仕事を奪われることなく、「必要とされる人材」として活躍し続けるためには、「人が手がけてこそ価値がある仕事」でキャリアを積みたいもの。専門性を発揮できる仕事や資格、あるいはAIでは代行できないスキルに注目してみましょう。
AIでは代替できないと言われている仕事は、次のような性質を持つ仕事です。職種と資格の一例をご紹介します。
クリエイティブな仕事や資格
独自のセンスを活かしてモノを創ったり、コーディネートしたりする仕事。各種デザイナー、編集者、ライター、広告ディレクター、フードコーディネーター、インテリアコーディネーター、スタイリスト、ミュージシャン、芸人など。
近年では、インスタグラムなどのSNSで自分の作品や世界観を発信することで「ファン」をつかみ、就職しなくてもフリーランスで活躍できるチャンスも広がっています。
インテリアコーディネーター講座へのリンク
パーソナルスタイリスト(R)講座へのリンク
人の心に向き合う仕事や資格
表情や音声から感情を読み取るAIも開発されていますが、複雑な人間心理や感情の機微を理解し、適切な対応ができるのは、やはり「人」。人とのコミュニケーションや気配りが大切な仕事は、AIに奪われることはないでしょう。そうした仕事の代表格は、心理カウンセラー、介護福祉士、保育士など。
介護福祉士講座へのリンク
保育士講座へのリンク
また、相手の性格タイプや置かれた立場・状況、感情に配慮しつつアドバイスや提案を行うような仕事もこれに当たります。資格の一例を挙げると、終活アドバイザー、食生活アドバイザー®、整理収納アドバイザーなど。
終活アドバイザー講座へのリンク
食生活アドバイザー(R)講座へのリンク
整理収納アドバイザー講座へのリンク
同様の意味で、「指導・育成」を担う仕事も、人間力が重要です。得意なジャンルで知識・スキルを磨き上げ、「講師」「インストラクター」「トレーナー」の資格や免許取得を目指してみては。
このほか、サービス利用者が「癒やし」の要素を求めている点では、エステティシャン、ネイリストなども必要とされ続けるでしょう。
ネイリスト講座へのリンク
人や組織をマネジメントする仕事や資格
業種・職種を問わず、人材の育成や組織づくりを担うリーダー、マネジャー、あるいは経営幹部のポジションは、時代が変化しても、なくなることはないと考えられます。
経営に必要と言われる「ヒト・モノ・カネ・情報」の知識をトータルに身につけるなら、中小企業診断士の資格を取得するのもオススメです。自社の経営や組織マネジメントに活かせるのはもちろん、企業が抱えている課題を分析する力が養えるため、法人顧客に対して何らかの「コンサルティング」サービスを提供する仕事にも活かせます。
中小企業診断士講座へのリンク
今後、AIが進化していけば、ルーティンワークに限らず幅広いジャンルの仕事で、AIが活用されるようになるでしょう。そんな時代だからこそ、「自分ならではの価値」を発揮できるよう、自分の強みを見つめ直して整理したり、プラスアルファのスキルを身につけたりすることが大切です。
「人と比べて突出した強みを持っていない……」という人は、複数の「掛け合わせ」でオリジナリティを出す手もあります。
例えば、料理が得意な人が料理教室を開くケースは多いですが、ただ料理を教えるだけでなく、「撮影」や「文章」の技術を学んで、「出来上がった料理をインスタ映えするように撮影するテクニック」や「料理をブログにアップする際の文章の書き方のコツ」を併せて教えている人もいます。保育の資格を持つ人が、プラスアルファの得意技を活かし、「英語」「音楽」「ダンス」などを取り入れた保育でママたちの支持を得ているケースも。
今、自分が持っている「コアスキル」に、どんな要素を組み合わせれば相乗効果が生まれるかを考え、そのテーマを学んでみてはいかがでしょうか。