対面よりも肌のアラがごまかせるというメリットはあるものの、影が強調されて暗く見えやすかったり、反対にのっぺりと見えてしまったり、ナチュラルにまとめるとどこか寂しげに見えたり……。オンラインでのやりとりだと、今までの、自分に似合うメイクや普段していたメイクでは、物足りないということもありますよね。そんな時に、テレワークメイクという新ジャンルが気になっている人も多いのではないでしょうか。
今回テレワークメイクについて伺ったのは、のぼりもえさん。薬学部で学んだ知識やコスメコンシェルジュの資格を活かしつつ、使い勝手のいいプチプラコスメを使って、Instagramなどでメイクを発信。さまざまなシーンに取り入れたいメイクが多く、若い女性を中心に人気になっています。
まず、テレワークメイクのコツを伺う前に、のぼりもえさんが大事にしていることがあるそうです。「どんなメイクにおいても欠かせないのが保湿です。肌のカサつきは、メイクののりの悪さやヨレに直結します。いつも通りのスキンケアで、まずはしっかり保湿を行っておくことが大切です」とのこと。マスクによる肌荒れなども話題になっている今、とにかく保湿が肝心なんですね。
ご自身でYouTube用の動画撮影やインスタライブをして研究した結果、「モニター越しでは対面と見え方が全く異なり、メイクを足す個所やその足し方、あまり足さなくてもいい個所などが見えてきました」とおっしゃるのぼりもえさん。テレワーク用メイクのポイントのコツは、盛り過ぎたり凝ったりしないことだそう。
特に顕著なのがアイメイク。対面用メイクよりだいぶ控えめに、引き算する個所だそうです。今まで当たり前のようにしていた4色パレットなど多色使いのグラデーションは、「気合が入っているな」という印象を与え、主張が強すぎてしまい避けたほうがいいんだとか。
「アイシャドウは凝らず、二重幅に色をのせる程度で充分です。そして、下まぶたに少しキラッと輝きをオンしましょう。アイラインはまつ毛の根元を埋めるように。目もとを引き締め深みを与えます。まつ毛は上がっていればいいという程度で、ビューラーとマスカラでナチュラルに仕上げれば完成です」(のぼりもえさん)
「凝らずにナチュラルなアイメイクにしたものの、このままだと少しさっぱりしていて、モニター越しでは若干物足りなくも感じます。そこで今回最も重要なのが、下記の3つの『足し算』ポイントです!足す個所と足し方次第でグンと印象アップして、テレワークメイクで『映え』を確実に手に入れられます」(のぼりもえさん)
POINT1 ハイライトで立体顔に! Tゾーンと目の下のくぼみにオン
「モニター越しでは、肌質はさほど気にならないことに気づきました。また家で一日中仕事をして過ごす前提であれば、ベースメイクはできるだけ軽いほうが気持ちがいいので、ファンデーションは必要ありません。毛穴やニキビ、シミ、クマなどをカバーする下地やコンシーラー、自分の肌の色に合ったベージュ系の下地に、軽いパウダーのみでベースを仕上げます。
そして、肌の影が強調されて暗くなるので、シェーディングは使いません。逆にのっぺりとメリハリのない顔に映ってしまわないよう、ハイライトのみを使用して立体顔を演出するために明るい個所を仕込みます。大きめのフェイスブラシで、額と鼻筋のTゾーンに入れ、さらに下まぶたの下の暗い部分にふんわりのせます。顔の中心部の影に明るさを足して、立体感を引き出します。
また、チークを塗った後にも、チークの丸みの外側の頬骨に沿って、指でハイライトを重ねると、よりメリハリの効いた大人っぽい立体顔に仕上がるのでおすすめです」(のぼりもえさん)
POINT2 チークは正面顔に丸くのせて、顔色のいい元気な血色感を
「オンライン会議では、照明や窓など明るさの環境がどうしても整わないことも。そのため、もみあげ・耳の脇から小鼻の方向に横にチークを入れると、疲れた印象に見えてしまうことがあります。対面メイクではフェイスラインがすっきりして美しく見えるのですが、テレワークメイクでは影のように暗く見え、映りもよくありません。
正面しか向かないので、黒目の下で頬骨の一番高い個所に、丸く血色感を出すようにチークをのせましょう。モニター越しの正面顔が、元気にいきいきと映ります。色選びも重要で、流行りのおしゃれなブラウン系は、顔の暗さに直結するので避けます。ピンクやオレンジ、ローズなどの色みで繊細なパール入りがおすすめ。自身の顔色を華やかに優しくトーンアップしてくれるチークを選びましょう」(のぼりもえさん)
POINT3 ツヤツヤ&マットのリップはNG。唇自体がツヤめく自然な発色に
「ブラウンや赤系のリップは、それだけでメイクもファッションも今どきっぽく格上げしてくれるので便利です。でも、テレワークメイクには色みが強く、『気合入ってるなぁ』という印象に。マットな口紅もおしゃれですが、モニター越しではのっぺりとして平面的になります。逆にグロスでツヤツヤにしても、やりすぎな残念感が漂います。
マスクで外出するのが必須の今、なかなかリップメイクも楽しめないので、リモートワーク用のちょうどいい具合の口紅をチョイスするのも楽しいですよ。チーク同様にさりげなくツヤがあり、唇そのものがみずみずしく血色よく見えるものが理想です。ピンクやオレンジ系の、ティント系のリップを、ラフに唇の輪郭をとるように塗りましょう。品よくキレイめだけどカジュアル過ぎない、オンライン会議に適したメイクに仕上がります」(のぼりもえさん)
いろんなテーマやシーンに沿ったメイクがSNSで好評ののぼりもえさん。外出自粛の要請がある時には韓流メイクや中国メイク、物まねメイクなど、普段しないようなメイクをしているのだとか。おうち時間や自分時間がある今しかできないメイクや、今までのメイクにとらわれない新しいメイクを楽しめるチャンスと捉えていたそう。
マスクで外出する生活が継続するなか、「マスクに付くから……」と敬遠しがちなリップメイクでも「テレワークメイクで存分に楽しんじゃおう」と発想を転換してポジティブに楽しまれているのが印象的でした。ご自身も普段からモニター越しでユーザーと交流するからこそ、テレワークでのメイクの見せ方研究に、とっても熱心なんですね。
「ライブ配信中に気づいたのですが、リングライトだけではなく昼間に自然光を取り入れると、肌もとてもキレイに映えました。お部屋の環境は皆さんさまざまでしょうが、ぜひ窓の近くで自然光が入るようにしてみてください。メイクした顔がグンとトーンアップしてよりいっそう『美人見え』するので、テレワーク用メイク3つのコツとともに試してみてくださいね」(のぼりもえさん)