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2020.08.12

まるで本物!?ここまるさんが色鉛筆だけで作りだす精巧なイラストの世界

まるで本物!?ここまるさんが色鉛筆だけで作りだす精巧なイラストの世界

うまく絵が描けたら......と思ったことがある方は多いはず。実は今、色鉛筆だけで描かれた写真のようなイラストがネットで話題になっています。その作者であるここまるさんに、絵を描く楽しさや色鉛筆画が上達するコツなどを教えていただきます。

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SNSで話題の色鉛筆画、その作者の正体は?

「まるで写真のようにリアル!」と、その精巧かつ繊細な絵で多くの人を魅了しているここまるさん。ここまるさん自身も、最初は「見る側」の1人だったと言います。

「何気なくネットを見ていたら、鉛筆画のイラストが目に止まったんです。あまりにリアルな描写に、『鉛筆だけでここまで描けるのか』と衝撃を受けました。そのときに自分も描いてみたいという衝動に駆られ、鉛筆画に挑戦したのがイラストを描き始めたきっかけです。小さいころはマンガのキャラクターを描くのが好きだったのですが、ちゃんと美術を習った経験はなく、まわりに絵を描くような知り合いもいない。だから、最初はネットでいろんな方が発信している情報を頼りに、見様見真似で描いていましたね」(ここまるさん)

まるで本物!?ここまるさんが色鉛筆だけで作りだす精巧なイラストの世界

左:サンマ/右:ダイヤモンド

「なんとなく描けるようになってきたかな」と手応えを感じられるようになったのは、鉛筆画を始めて2年ほど経ったころ。

「さらにリアルな絵を追求したくなり、次は色鉛筆画にチャレンジすることにしました。実は学生時代の美術の授業なんかでも、鉛筆で下描きするまでは上手だけど、色をつけると良さがなくなると言われていたんですよ(笑)。だから色鉛筆画は自分にはムリかなとも思ったのですが、そこは趣味ですから。うまい、下手より楽しむことが一番だと思ったんです」(ここまるさん)

普段はデザイン関係の仕事をされているここまるさん。日中は、ほとんどの時間をパソコンの前で過ごしているそうです。

「日々デジタルに囲まれた生活を送っているからこそ、手で描くというアナログの趣味がいい気分転換になっているんだと思います。普段は子どもが寝静まった後、夜にのんびりと描くことがほとんどですね。テレビをつけたまま、妻と話しながら気楽な気持ちで手を動かしています。実は、いつも描き始めるときは、うまく描ける自信がないんですよ(笑)。でも、夢中になって描いているうちに、少しずついい感じになってきたなと感じられる瞬間が楽しい。何より描き上げたイラストをSNSにアップして、『絵を見て癒やされた』『落ち込んでいたけど元気になれました』と言ってもらえるのがうれしいんです。そういう言葉を聞くたび、絵の力を実感します」(ここまるさん)

描くって楽しい!まずは色鉛筆を握ってみよう

実際に色鉛筆画を始めたいとなったら、どんな道具が必要なのでしょう?ここまるさんが最初に揃えたのは、街の文房具屋さんで手軽に購入できる色鉛筆とケント紙だけ。

「今は120色入りの色鉛筆を使っていますが、初めて買ったのは20〜30色ほど入った1,000円程度の色鉛筆でした。私が色鉛筆に移行したばかりのころに描いた『カブトムシ』は、まさにその色鉛筆で仕上げたものです。最初から立派な道具を買い揃えなくても、手軽に楽しめるのが色鉛筆画の魅力の一つ。初心者の方は、できるだけ使う色数が少ない題材から始めるといいかもしれません」(ここまるさん)

まるで本物!?ここまるさんが色鉛筆だけで作りだす精巧なイラストの世界

カブトムシ

色鉛筆は絵の具のように色を混ぜても、思った色を出すのが難しい面もあります。一見不便にも思えますが、それこそが色鉛筆画の醍醐味でもあるとここまるさんは話します。

「私の場合は、イラストの元ネタとなる写真をタブレットで見ながら描いていくのですが、当然、限られた色数では写真そっくりの色を出すのが難しい。そこで、何色も何色も塗り重ねながら、本物の色に近づけていくんです。鉛筆だと濃淡だけの表現ですが、色鉛筆は色味の表現が加わるので楽しさも増すんですよ。そのぶん工程は多くなるので、作業の時間は長くなります。同じ被写体でも、鉛筆なら10〜15時間で描けるものが、色鉛筆だと50〜60時間かかることもあります。たとえば今年の3月に仕上げた『卵かけごはん』は、70時間ほどかかりましたね」(ここまるさん)

まるで本物!?ここまるさんが色鉛筆だけで作りだす精巧なイラストの世界

卵かけごはん

そうやって、丁寧に時間をかけて描き上げた色鉛筆画は、現在30作品ほどになったそう。

「食べ物や動物、タレントさんなどの人物画と題材は様々。あまりジャンルにとらわれず、いろんなイラストに挑戦しています。中でも動物の絵は毛並みを細かく描かなくてはならないので、とても難しいと感じます。これからもジャンルを決め込まず、日常の中にある身近なものを楽しみながら描いていきたいですね」(ここまるさん)

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もっとうまくなりたい人のための上達術

絵を描こうと思い立っても、ここまるさんのような精巧なイラストをいきなり描くのは難しいもの。どんな段階を踏むといいのかを、ここまるさんに伺っていきます。

「最初は少ない色数で描けて、輪郭がわかりやすく、質感が均一なものを被写体にするといいと思います。たとえばりんごやオレンジといった果物は、取り掛かりやすいかもしれませんね」(ここまるさん)

ここからは、ここまるさん描き下ろしのりんごのイラストを参考に、段階別に上達のポイントを見ていきましょう。

プロセス1:鉛筆画で濃淡の感覚をつかむ

「一つのりんごでも、同じ赤1色ではなく、濃淡がありますよね。まずは鉛筆だけで描く練習をしてみると濃淡の違いがわかり、感覚がつかみやすいと思います」(ここまるさん)

まるで本物!?ここまるさんが色鉛筆だけで作りだす精巧なイラストの世界

こちらは、シャープペンの2Bのほか、鉛筆の4Bと6B、8Bと濃さの異なる芯を使い分け。大まかな輪郭をとった後、絵全体をざっくりとパートに分け、1パートごとに細かく描いていきます。写真を見て濃淡を観察しながら、濃い部分は濃い鉛筆で、細かい部分は薄いシャープペンで描き込みます。合間合間に鉛筆を斜めに倒して面を薄く塗り、ティッシュや筆でぼかして立体感を表現するとベター。

■ポイント1

芯の濃さが異なるシャープペンと鉛筆を3~4種類用意して、濃淡を表現していきます。ベタ塗りする部分、濃いめの色は鉛筆、細い線や薄めの色はシャープペンなど、部分部分で道具を使い分けることが大切です。

■ポイント2

実物を見て光の加減や質感を捉えるのは少しハードルが高いので、写真を見ながら描くのがおすすめ。参考の画像を拡大して、できるだけ描きたいイラストのサイズに近づけるのがコツです。光っている部分は、紙の色をそのまま利用します。部分的に白く抜く場合は、消しゴムの尖ったところで消した後、筆でなでてぼかしましょう。

■ポイント3

さらにリアルに近づけるためには、「ぼかし」を取り入れます。鉛筆で薄く塗った後、ティッシュで軽く擦ったり、筆でなでると、鉛筆で描いた感が薄れ、グラデーションがなめらかになる効果あり。筆は100円ショップなどで買えるコスメ用の筆でOKです。

プロセス2:鉛筆で描いたイラストと同じものを、色鉛筆で描いてみる

「鉛筆画でつかんだ濃淡を意識しながら、今度は色で濃度を表してみてください。細かな部分の色をよく観察すると、よりリアルに仕上がると思います」(ここまるさん)

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色鉛筆10色を使用したりんごのイラスト。輪郭を描いた後、参考写真の色をよく観察して色付けをしていきます。濃い部分は色を重ねながらリアルに近づけ、光が当たっている部分は何も描かずに、そのまま残します。

■ポイント1

慣れないうちは描き直しができるよう、いきなり色鉛筆を使わず、鉛筆で輪郭を薄く下描きします。鉛筆と色鉛筆が重なると色が濁るので、消しゴムで鉛筆の線を消しながら、色鉛筆で本番の線を描いていくとキレイに仕上がります。

■ポイント2

参考にする写真を眺めて、色味をよく観察しましょう。赤いりんごでも、濃い赤、薄い赤、黄色がかった赤など、いろんな赤があります。また、光が当たると赤以外の色に変わることもあるので、固定観念を捨てて、色を把握することが大切です。

■ポイント3

光を表現するときは白い紙を生かしつつ、さらに白の水性ペンを使うと便利。濃く塗った上に色鉛筆の白を重ねても、なかなか色味が出ません。ペンを置くように点々と色をのせていき、光を再現してみましょう。

プロセス3:色鉛筆画に、パンパステルを加えて質感を表現する

「色鉛筆画に慣れたら、パンパステル(重ね塗りが可能で鮮やかな色が表現できるのびのよい画材)を使ってみてください。発色がキレイでやわらかな質感が出やすく、グラデーションもなめらかになり、よりリアルに仕上がります」(ここまるさん)

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色鉛筆10色+パンパステルの赤で描き上げたりんご。色鉛筆で輪郭をとって細かな部分の濃淡をつけながら描き、パンパステルを上から塗って質感を出します。広い面はパンパステルでザッと下色をのせて、上から色鉛筆で細かい線や濃淡をつけていきます。

■ポイント1

色鉛筆で描いた上からパンパステルを重ねていきます。パンパステルはスポンジやパフでなでたり、叩いたりしながらのせるのがコツ。色味が濃い部分は、さらにパンパステルの上から色鉛筆を重ねていきましょう。

■ポイント2

パンパステルは塗り重ねて、絶妙な色合いを表現することができる画材です。面積が広い部分はパンパステルを薄くのばし、上から色鉛筆で細かい部分を描くとキレイに仕上がります。色が薄い部分はパンパステルのみを塗り、ティッシュなどでのばすだけでも美しく仕上がります。

■ポイント3

消しゴムや練り消しなどを使って部分的にパンパステルを消し、自然な陰影を出しましょう。光が当たった部分は、色鉛筆の上から白の水性ペンで描き重ねるとより光の表現がリアルになります。

絵が描けると、こんなに毎日が豊かになっていく!

絵を描く楽しさはたくさんあると、ここまるさんは話します。
一つは、忙しい日々を少し離れ、夢中になって手を動かすことで、想像以上のリフレッシュ効果を感じられることだそうです。

「出来上がっていく過程の喜びや、完成したときの充実感が、日々をより楽しいものにしてくれます。また、絵を描くために身近なものや季節を観察することで、日常をあらためて見つめ直す機会ができるので、自然と心まで満たされていくことでしょう。なかなか最初から上手に描くことはできません。好きなものを描き、それを続けるうちにだんだん上達していることを実感できます。自分の成長を感じるようになると、より絵を描くことが楽しくなりますよ」(ここまるさん)

二つ目は、絵を通じてもたらされるコミュニケーション。ここまるさんも「イラストをSNSにアップするようになってから、昔の友だちと再び連絡をとるようになったり、新たな出会いもありました」と、喜びを感じています。

ここまるさんの作品には、絵の一部に「COCOMARU」の文字がひっそり潜んでいるなどの工夫が施されているのも特徴の一つ。見た人が、思いがけない発見を喜んでくれるように、あえてアナログな遊びを取り入れているそうです。

まるで本物!?ここまるさんが色鉛筆だけで作りだす精巧なイラストの世界

「柴犬」をよーく見ると、耳の前あたりの毛並みに「COCOMARU」の文字が!

そして、何より「私の絵を見て自分も描き始めたという人に出会ったり、SNSでたくさんの人から反響をいただけたりすることが、描き続けるモチベーションになっている」と話す、ここまるさん。中高生から年配の方まで年齢を問わず、たくさんの方々から自分の鉛筆画に色をつけてほしいと依頼されることも多いそうで、日本だけでなくスペインやインドといった海外からオファーがくることも。

あなたも絵を描くことで、毎日をもっと楽しく、もっと豊かに彩ってみませんか?

プロフィール
ここまるさん
ここまるさん
誰もが知る有名人やかわいい動物、おいしそうなごはんに、なにげない風景、身の回りのものと、幅広い題材を鉛筆や色鉛筆だけで表現する。まるで写真のようなイラストに注目が集まり、TwitterやInstagramが話題となった。また、YouTubeでは制作過程の絵も公開している。
 

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