そもそもフレンチシックとはどういうスタイルなのでしょうか。基本となるお部屋のベースカラーは?アクセントカラー(差し色)に使用する色合いは?また、フレンチシックなお部屋にするためには、どういったコンセプトを立てれば良いの?早速、聞いてみましょう。
「私が考えるフレンチシックとは、時を経ても色褪せない大人かわいい部屋です。というのも、フランスでは、新築を建てずに何百年も前からある家をリノベーションして、自分たちなりにアレンジしていくという考え方がが主流。なので、今だけじゃなく時代が変わってもかわいいと思えるようなものがフレンチシックだと捉えています」(ちょびすけさん)
ベースカラー、アクセントカラー
「フレンチシックのベースカラーは『白』と『グレー』。我が家では、アクセントカラーとしてピンクやラベンダー、パープルの小物やクッションカバー、ソファカバー、ポスターなどを取り入れています。大事なのは色のトーンを合わせること。ピンクといってもビビッドなピンクではなく、シックなピンクを選んだり、パープルには灰色がかった紫色(モーブカラー)を選んだり。もっとかわいくしたいと思ったら、白とラベンダーを合わせたりしています」(ちょびすけさん)
コンセプト、キーワード
「まずはどんな部屋にしたいのか、インターネットで情報収集することからスタート。使いたい色やアイテムなどを徹底的に調べ上げ、魅力に思ったものをそれぞれ紙に書き出してみましょう。少しずつイメージが具体化され、方向性が見えてくるはずです。キーワードは『モールディング』『腰壁』『無機質じゃなくて柔らかい雰囲気』『格子窓』『アンティークレース』など。今はインターネット通販サイトで剥がせるモールディング(1本400円程度~)や、腰壁シート(長さ1m×幅91cmヨコ使いで1,500円程度~)を購入することができます。また、ちょっとした工夫でお部屋の雰囲気も変わります。例えば私の場合は、窓を黒のマスキングテープで格子窓風にしたり、小さい壁紙を変えたりしています。なるべくお金をかけずにできることを楽しむのが重要です」(ちょびすけさん)
玄関におすすめの配色、家具の組み合わせ
「玄関は、宅配便の配達員さんなど、急に訪れた人にいつ見られても大丈夫なように、常にきれいにすることを心掛けています。玄関ニッチ(壁の一部をへこませた飾り棚)には季節物を飾るようにしていて、クリスマスやハロウィンなど、なんでも合わせられるよう背景は白にしています。また、ドアの近くにアンティークの姿見を置いているのですが、これには狭い空間を広く見せる効果があると言われていて、ゲストが来たときには『すごくかわいいしおしゃれ!』と褒めていただくことが多いんですよ」(ちょびすけさん)
リビングにおすすめの配色、家具の組み合わせ
「基本カラーを3色以内にするだけで、誰でも簡単におしゃれにできます。我が家はリビングもグレー、白、黒を基本カラーとしていて、ファブリック製品でアクセントを入れて楽しんでいます。また、床が見えている面積が広いと部屋が広く見えるので、あえてラグは敷かず、代わりに座布団を使用。かわいい柄の座布団カバーもあり、掃除も洗濯もしやすく、すぐに撤去ができるのでとても便利です。その他にも、カーテンを天井から床ギリギリまでの長いものにしたり、レースカーテンと厚手のカーテンを逆に付けるだけでも、海外風になり、部屋も明るく、広く見えるように。カーテン選びのポイントとしては、ダマスク柄やモロッカン柄などが良いですね。ただ私としては、柄よりも素材の方が重要だと思っています。チュール素材やレース素材もかわいいですし、リネンも良いと思います。それから家具ですが、よりかわいくしたい、お姫様感を強めにという方には『猫脚』の家具がおすすめ。我が家の場合は、猫脚だとちょっとかわいくなりすぎてしまうため、『ろくろ脚』のものを好んで使っています」(ちょびすけさん)
寝室におすすめの配色、家具の組み合わせ
「白とグレージュ、アクセントカラーとして黒を取り入れています。壁紙もクラシックな花柄モチーフのアクセントクロスなどを使ってすごくかわいくして、シャンデリアも大きいものに。リビングなど、ゲストが目にする場所は全体のバランスを考えながら作っていく必要がありますが、寝室は自分たちだけのプライベート空間ですから、好きなものを好きなだけ、思いっきりやっちゃって良いと思います」(ちょびすけさん)
一人暮らしや実家暮らしの場合、大掛かりな模様替えをするのは困難です。例えばちょっとした小物を置いて雰囲気をガラリと変える、なんてこともできるのでしょうか。小物使いのポイントや、小物を置くのにおすすめの場所などがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
「ワンルームマンションほどの空間で、意外と使われていないのが壁。そこでぜひ試してもらいたいのがウォールデコです。額縁に雑誌の切り抜きを入れて飾ったり、ポスターを貼ってみたりするだけでも雰囲気はガラリと変わります。賃貸など好きな壁紙にできないという人は、雑貨屋さんで売っている剥がせる壁紙がおすすめです。洋書も良いですね。置いてあるだけでおしゃれ感がアップします。普通に買うとそれなりの値段がしますが、フリマアプリなどで安く手に入れることも可能です。あとはファブリック製品。クッションやソファのカバーを変えるだけでも、雰囲気はかなり変わります。そして、なにより重要なのが照明。照明は部屋の雰囲気を決める最も重要なアイテムだと思っています。我が家では照明に黒を取り入れ、空間を引き締めることで上品かつ、大人かわいい感じに仕上げています。アイテムを置く場所についてですが、場所を固定するというのがポイントです。我が家の場合は、玄関ニッチとキッチンカウンターの上のみ。決めておくとムダな買い物をせずに済みますし、家の中をゴチャゴチャさせたくないという方にはおすすめです」(ちょびすけさん)
配色や家具・カーテン・照明の選び方から部屋を広く見せる方法まで、さまざまなことを教えていただきました。では最後に、これからフレンチシックなお部屋づくりにチャレンジしようと考えている方に向けて、失敗しないためのコツや心得を教えてください。
「とにかく情報収集。これに尽きると思います。私とフレンチシックとの出会いも、情報収集から。今から7年ほど前、部屋のインテリア実例共有サイトを見たのがきっかけです。それまでは雑貨屋さんのような茶色系が好きだと思い込んでいたのですが、本当はグレーとかモールディングのある部屋が好きなんだということに気付いて、運命の出会いでしたね。今はSNSで、いつでも最新の情報を手に入れることができますし、欲しいものがあればインターネット通販サイトで何でも手に入れることができます。こういう組み合わせ方もあるのかとか、こっちのサイトの方が安く出ているなとか。常に新しい情報を知っておくことが重要です。あとはしっかりテーマを決めて、ブレないこと。小物にプリントされた文字を例に挙げると、フレンチだったらブロック体より筆記体だよねと思ったら、そういうものを中心に集めたり、たまたまかわいい家具を見つけた際でも、テーマに合っているのか、全体のバランス的にはどうか、一度立ち止まってしっかり確認することで、ムダな買い物を減らせますし、失敗する確率をグッと下げられると思います」(ちょびすけさん)
そんなちょびすけさんに、20代女性の読者に向けてメッセージをいただきました。
「まずはリラックスできる部屋にすることが大事だと思います。20代でどれだけがんばったかによって、その後の人生が決まるんじゃないかと思っていて、私は30代でブログを始めたのですが、本音を言うと20代でこの世界に出会いたかったなと。とくに女性の場合、30代からだと周りの目を気にして、やりたいことってなかなかできない。なので、やりたいことを見つけるためにも、部屋は快適であるべきなんです。視界がスッキリすると、頭の中もスッキリすると本で読んだこともあります。自分の人生のためにも、落ち着ける部屋、リラックスできる部屋にすることが大事だと思います」(ちょびすけさん)