2019.11.05

何気ない日常に新しい発見!イラストレーター・のびこさんの1コマ川柳漫画

何気ない日常に新しい発見!イラストレーター・のびこさんの1コマ川柳漫画

イラストレーター・のびこさんは、自身のブログで育児や家族をテーマにした川柳に、コミカルな猫のイラストを添えた「1コマ川柳漫画」を公開しています。今回、何気ない日常を川柳で詠む面白さについて、書き下ろしの新作とともに語っていただきました。

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俳句より自由!ユーモアあふれる川柳の魅力

俳句より自由!ユーモアあふれる川柳の魅力

思わず笑みがこぼれてしまうこちらのかわいいイラストは、イラストレーター・のびこさんが、自身のブログやSNSで発信する「1コマ川柳漫画」。日常から何気ない一場面を切り取った、ユーモアいっぱいの川柳が人気なんです。

川柳だけでも漫画だけでも表現できない温かな世界観は、見る人をホッと和ませてくれるだけでなく、作り手であるのびこさん自身の意識にも大きな変化をもたらしたといいます。今回は、そんな「1コマ川柳漫画」の面白さや、作品づくりを通して得られた発見について、のびこさんご本人にお話をうかがいます。

……と、その前に、「そもそも川柳って何だっけ?」という方のために、ここで少し解説をしておきましょう。

川柳は「5・7・5」の17音で詠む定型詩の一種です。同じリズムの定型詩として俳句がありますが、俳句と川柳では、句を詠むうえでのルールが少し異なります。

「日本俳句研究会」(※1)によると、俳句と川柳の最も大きな違いは「季語」の有無です。俳句では季節を示す言葉である「季語」を入れることがほぼ必須となっていますが、川柳では必ずしもその必要はありません。また、俳句では「や・かな・けり」といった文語体を使うことが一般的ですが、川柳では口語体や話し言葉に近い言い回しが好まれます。題材についても、俳句では季節や自然の情景をテーマに、余韻を残した奥ゆかしい表現が好まれる一方、川柳では社会や人間模様をテーマに、風刺を効かせたユーモラスな作品が多くなっています。

俳句の特徴

例)古池や蛙飛び込む水の音(松尾芭蕉)

  • 季語が入る(この場合は「蛙」が春の季語)
  • 「や・かな・けり」などの文語体で表現
  • 季節や自然の情景がテーマ

川柳の特徴

例)いっちょまえ何でもやりたいママのまね(のびこさん)

  • 季語を入れる必要がない
  • 話し言葉に近い言い回し(この場合は「いっちょまえ」など)
  • テーマは社会や人間模様

このように、川柳のいちばんの魅力はルールに縛られない、親しみやすさにあります。毎年、さまざまな企業や団体による川柳コンテストが開催され、ちびっ子からシニアまで幅広い世代のユニークな作品が続々と発表されています。TwitterなどのSNS上では、川柳形式のつぶやきやコメントを楽しむ人も増加中。誰もが気軽に楽しめる文化として、川柳がまた新たなブームになってきているようです。

※1日本俳句研究会 https://jphaiku.jp/

川柳に漫画をプラス!?1コマ川柳漫画の面白さとは?

そんな川柳と漫画を組み合わせた「1コマ川柳漫画」に取り組むのびこさん。そもそもなぜ、川柳と漫画を組み合わせるアイデアは生まれたのでしょうか。

「ある日、猫のイラストを落書きしていたんです。『絵だけじゃなんかつまらないな~』と思いながら描いていたんですが、ふと『5・7・5』のフレーズが頭に浮かんで、『川柳と漫画を組み合わせたら面白いかも!』とひらめいたのがきっかけです。それ以来、面白いネタを見つけてはコツコツ作品を作ってきました。これまでの約10年間で手がけた作品はなんと1,600本にもなるんです!」(のびこさん)

そして作品の要となるのが、やはり川柳の内容。のびこさんの場合、次のようなことを意識して川柳のテーマを決めているそうです。

「みんなに共感してもらえそうなことや、自分が『これは面白い!』と思ったことをテーマにするようにしています。出産してからは、子どもの成長や育児の悩みに関するネタが増えていますね。少しでも川柳の題材になりそうな出来事は普段からメモに残しておいて、後で作品づくりに役立てています」(のびこさん)

何気ない日常に新しい発見!イラストレーター・のびこさんの1コマ川柳漫画

子育て支援センターなどで子どもと遊んでいるときに他の赤ちゃんに会うと「お友達いるわよ~」とか「お友達来たわよ~」なんて初対面で言うのってなんか変。なんか変だけど、私もいつの間にか言うようになっていた(笑)(ブログ本文より)

こちらはのびこさんが子育て支援センターでのワンシーンを描いた作品。子育て経験のある人ならだれもが思わず「あるある!」とうなずきたくなる身近な出来事を、コミカルなタッチで作品にしています。

絵が苦手でも楽しめる!1コマ川柳漫画の描き方

では実際に、のびこさんはどのように「1コマ川柳漫画」を作っているのでしょうか。その手順やポイントについて教えていただきました。

1.ネタを探してメモに残す

面白いこと、みんなの共感を得られそうなことなど、川柳のネタにしたい出来事をメモに残しておきます。このとき、川柳に使いたいフレーズやキーワードなども思いつくままに記録しておくといいですよ。

2.ネタをもとに川柳を作る

メモしておいたネタをもとに、川柳を考えます。いきなりきれいにまとめようとすると難しいので、まずは使いたい言葉やフレーズを羅列したり、下の句だけを決めたりと、分解して考えていきます。そして、ひと通りパーツが揃ったら、「5・7・5」のリズムになるよう、言い回しを変えたり、語句の順番を入れ替えたりして調整します。ダジャレや掛け言葉などを入れると笑いが誘えます。

3.川柳に添える漫画を考えて下書きをする

川柳で伝えきれない場面や補足したい場面を、1コマ漫画に起こします。パッと見でわかりやすく伝えるためのポイントは、登場人物を極力少なくし、背景やセリフも最小限にすること。キャラクターの表情は、喜怒哀楽を大げさなくらいにハッキリと表現しましょう。はがきサイズの紙にまずは漫画を描き、余白にバランス良く川柳を配置します。

4.ペン入れ、色つけをして完成

下書きが済んだらペン入れをします。川柳はよく目立つよう太めのペンで。筆ペンやマジックを使うと味わいのある書き文字になります。好きな画材で色つけをすれば完成。

それでは今回特別に書き下ろしていただいた、のびこさんの「1コマ川柳漫画」2本をご紹介しましょう。

何気ない日常に新しい発見!イラストレーター・のびこさんの1コマ川柳漫画

●父と子のいびきセッション眠れぬ夜(よ)

「夜中までイラストの仕事をしていたときのこと。仕事が一段落し、『やっと寝られる!』と思ってベッドに入ったら……先に寝ていた夫と娘が揃って大いびき!二人のいびきセッションのおかげで、なかなか寝つけなかったときに思い付いた川柳です」(のびこさん)

ご主人と娘さんが親子で奏でるいびきのセッション!眠いのにどうしても寝つけないもどかしさを抱きつつも、どこか微笑ましく感じずにはいられないのびこさん。仲の良い家族の様子がハートフルに伝わってきます。

何気ない日常に新しい発見!イラストレーター・のびこさんの1コマ川柳漫画

●子どもよりうるさき声の主は母

「子どものわがままを初めのうちは優しく注意するも、なかなか素直に聞いてくれずどんどんエスカレートしていき、ついに我慢の限界が!周囲の視線でふと我に返り、『あらやだ、ちょっと声大きかったかも……』と反省するのでありました」(のびこさん)

こちらも育児では「あるある」なエピソード。子どもと接する中で思わずイラっとしてしまうこんな場面も、「1コマ川柳漫画」で表現することで、明るく笑い飛ばすことができますね。

日常に新しい発見も!川柳漫画で笑顔あふれる毎日を

「私、普段からちょこちょこツイていないタイプなんです。でも『1コマ川柳漫画』を描くようになって、嫌なことや落ち込むことがあっても『お!ネタになるぞ!』と、あまりクヨクヨしないでいられるようになりました」(のびこさん)

川柳のネタ探しのため、日常を丁寧に見つめ直す機会が増え、次第にネガティブな出来事や感情も前向きに捉えることができるようになったというのびこさん。「1コマ漫画川柳」との出会いが、のびこさんの人生にこれまでとは違った視点を与えてくれたに違いありません。

「毎日マンネリでつまらない」「子どもに怒ってばかりで疲れた」……そんな時は、ぜひ「1コマ川柳漫画」に取り組んでみてはいかがでしょうか。絵が苦手な方は、ひとまず川柳から始めてみるのも良いでしょう。

ユーモアあふれる作品づくりを通して、潤いと発見に満ちた毎日を送れたら素敵ですね。

プロフィール
のびこさん
のびこさん
東京都生まれ。イラストレーター、漫画家。書籍や雑誌、パンフレット等へのイラスト提供のほかデザイナー、切り紙作家、料理家など、幅広いジャンルで創作活動を展開。1児の母として育児にも奮闘中。
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