「涙活」とは「涙を流してストレスを発散しよう」と話題のストレス解消法。離婚式プランナー・寺井広樹さんによって考案・提唱されました。
大人は泣くのを我慢することが多いですが、実は、涙を我慢することでストレスを体の中に溜め込んでしまい、ストレス性の病気を発症する危険性があるそう。だから「大人だって、泣きたい時には思いっきり泣こう!」というのが、涙活の考え方です。泣くだけで得られるその効果に注目が集まり、今も各地で涙活イベントが開催されています。
実は、泣くことは医学的にもストレス解消に効果があるという実験結果があるんです。
涙を流すと、緊張や興奮を促す交感神経が優位な状態から、リラックスなどを促す副交感神経が優位な状態になります。
また、アメリカのウィリアム・H・フレイ博士が1985年に行った『涙の研究』では、映画などで感動した涙からは、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)という成分が検出されたそうです。このACTHは、ストレスを感じたときに体内に分泌されるホルモンのこと。つまり、泣くことによって、ストレスの元になるホルモンが体の外に排出されたということになり、「泣くことでストレスが軽減される」と結論づけられるそうです。
また、涙は「美」にも大きく関わってきます。
まず、ストレスを溜めるということは、肌に悪い影響を与えることになります。ストレスは精神的な疲労に加え、肌内部にも活性酸素を発生させてしまうため、シミや吹き出物を引き起こす原因になります。また、涙を我慢して涙腺が詰まると、顔のむくみの原因にもなります。
つまり、精神的にも肉体的にも涙を流すことは、美容にとって大切な行為なのです。
涙活のポイントは、「感情を持った涙を流す」ということです。
先にお話した『涙の研究』では、ドライアイを防ぐために出る涙や、玉ねぎを切った時に出る涙からはACTHが検出されず、ストレスを解消する効果はなかったそうです。
そこで涙活のイベントでは、照明を落とした部屋で泣ける映画を見たり、音楽を聴いたり、詩を朗読したりします。感情は伝播するので、普段あまり泣くことができない人でも、周囲の人が泣いているのを見ることにより感情が共鳴し、自然と涙を流せることが多いようです。また、大人数で涙を流すことで一体感を感じることもでき、涙活の効果をさらに高めることができるそうです。
もちろん、涙活のイベントに参加できない人は、一人で涙活を行うこともできます。自宅で涙活を行う場合には、心に響く本を読んだり、感動できる映画を借りてきて見るなど、「感情を持った涙」を流せるように工夫してみましょう。悲しい涙よりも、感動の涙を流せるテーマを選ぶと、より効果的です。また、スポーツ観戦で涙を流すのもオススメ。時間的には、夕方に泣く方が泣いた後のスッキリ感が長続きするため、効果が高いと言われています。
涙活に効果のある涙は、あくまでも悲しい時や感動した時に出る「感情を持った涙」。感情が揺さぶられて、自然と涙が出てくる、というのがベストです。涙活の涙は「量より質」を意識してください。何の感情も入っていない涙をいくら流しても効果がありません。
ちなみに、最も質の高い涙は「うれし涙」と「共感の涙」だそうです。うれし涙を頻繁に流すことは難しいですが、相手の立場に立って流す「共感の涙」は比較的流しやすいかもしれません。
また、泣くと目が腫れてしまいますよね。せっかく良い涙を流してスッキリしたのに、泣いた翌日に目が腫れてしまうと、新たなストレスを溜める原因にもなりかねません。
目が腫れる原因は、泣いたときに思わず手やハンカチでこすってしまうこと。よって、涙は流しっぱなしにするか、頬まで伝わってきたところを拭くようにすると、腫れを防げますよ。
普段あまり泣くことがない大人にとって、「涙活」はオススメの健康法。感動できる本や映画などを普段からストックしておいて、ストレスが溜まってきたら、それを見て涙活する。そんなライフスタイルを試してみてはいかがでしょうか?
仕事にプライベートにと毎日忙しくしていて、自分の身体のことを後回しにしていませんか? なかでも、精神的なストレスは意外と気付きにくいもの。ここでは、 ストレスのサインと、ストレスがたまってしまったときの対処法をご紹介します。
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