カビのもとになる「カビ胞子」は、普段から季節を問わず空気中に漂っています。しかし、冬場は空気が低温で乾燥しているので、カビの活動が活発にならず、カビはあまり発生しません。一般的に、カビが増殖するのは「ジメジメとした湿気(湿度70%以上)」と、ほこり・人の垢などの「汚れ」、「気温が20~30度」などの条件が揃ったとき。梅雨や夏場などの、高温・多湿な季節はこれらの条件が揃いやすくなるため、カビが急激に増殖していきます。
一口に「カビ」といっても、実はカビには数万もの種類が存在すると言われています。そして実は、そのほとんどが人体に影響を与えません。
しかし、中には悪い影響をもたらすカビもいます。カビが引き起こす病気としては、アレルギー疾患、感染症、カビ中毒などが挙げられます。いずれも風邪のような症状で、微熱が出たり、咳が止まらなかったりします。そのため、「風邪だと思っていたら実はカビが原因だった」なんてこともあります。またアレルギーやアトピーだけでなく、発ガン性を持っているものもあるので、ただのカビだと侮ってはいけません。
マメに掃除をしていても、気づいたら発生してしまうのがカビです。では、室内でカビを発見してしまった場合、どのように対処すればよいでしょうか?
一般的に、カビ取りには「塩素系漂白剤」が効果的だと言われています。「塩素系漂白剤」はカビの色素を分解し、消毒・殺菌する効果があります。しかし、これらは水場で使用されることが前提となっているため、部屋の壁などにはオススメできません。また、強力な洗剤は壁の色を変色させてしまうこともあります。
部屋の壁などの乾いた部分でカビを発見した場合は、まず乾いた布や紙などで丁寧に拭き取ります。この時拭き取ったものは、しっかりと袋に密閉してから捨てましょう。カビ胞子を空気中に飛散させてしまうと、カビを再発させる原因になるからです。
次に、消毒用アルコールでさらに拭き取ります。消毒用アルコールがない場合は、お酢を水で薄めたものを使っても同様の効果が得られます。
カビができる主な要因は「湿度」「温度」「栄養源」にあります。カビ予防には、これらの要素をカビが好む条件にしないことが重要。具体的には「乾燥させる」「低温にする」「栄養を絶つ」ことです。
「乾燥させる」には、窓を開けて部屋を換気することが一番大切です。1日3、4回は窓を開けて換気をしましょう。換気の時間は、5分から10分くらいが目安です。雨の日は換気扇や除湿器なども使えますが、やはり限界があるようです。また、家具などを壁から数センチ離すのも効果的。梅雨の時期は洗濯物が乾きにくいため部屋干しが多くなりがちですが、まだ濡れている洗濯物を部屋の中に持ってくると、湿度が急激に高くなってしまうので、部屋干しはなるべく控えるようにしましょう。
次に「温度」についてですが、部屋の窓を開けて換気することは温度を下げる効果もあります。また風呂場では、使用後に壁や床を冷水で流すようにしましょう。風呂場全体の温度が下がって、カビが発生しにくくなります。また、暑くなるとエアコンを使うことが多くなると思いますが、掃除をしていないエアコンはカビ胞子を部屋中にまき散らしているも同然なので、こまめに掃除することを心掛けましょう。
そして、「栄養を絶つ」ですが、カビにとっての栄養というのは、食品類が主になります。しかし、繊維やほこり、人間の垢などもカビの栄養源になるので、キッチンや風呂場はカビにとって快適な環境と言えます。「栄養を絶つ」の基本は掃除です。汚れを作らないことを、徹底して行いましょう。
カビ予防の基本は「換気」と「掃除」です。普段からこの2つをしっかり行っていれば、カビを防ぐことができます。カビに対する予防をしっかり行い、梅雨を快適に過ごしていきましょう。
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