2017年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた30語は、どれも今年の世相を表すのにふさわしい言葉ばかりでした。そして、多岐にわたるジャンルからのノミネートがあった今年は、2つの言葉が年間大賞を受賞する結果に!
まずは、写真共有サービス・SNSである「Instagram(インスタグラム)」の大ブームから生まれた言葉『インスタ映え』。「インスタグラムに投稿する際にひときわ映える、見栄えが良い写真」という意味で使われますが、その『インスタ映え』効果が、意外な社会現象に発展しています。
たとえば、この夏の人気スポットとして注目を集めた「ナイトプール」など、インスタグラム上で注目を集める『インスタ映え』スポットに、多くのユーザー(インスタグラマー)が集まるという現象や、『インスタ映え』を意識したスイーツやファッションが爆発的な売上げをたたき出す現象など、その経済効果には驚くべき可能性があることが証明されました。また、インスタグラムで多くのフォロワーを抱えるユーザー(インフルエンサー)がタレントデビューしたり、企業の広告塔になったりという、社会現象にも発展しています。
一方、『インスタ映え』を意識するあまり、「商品を買わずに撮影だけする」「商品を買っても撮影だけして捨ててしまう」といった、マイナス影響も懸念されています。
受賞者は、読者モデル・大人気のインスタグラマーとして活躍中の「CanCam it girl」の3人。登壇した3人からは、受賞の感想や、『インスタ映え』する写真を撮るコツなどが語られました。「自然体で自分らしいこと」「1枚1枚の写真に統一感があること」「季節感があること」などだそうですよ。
並んで年間大賞に輝いたのが、森友学園への国有地売却をめぐる問題で広く知られるところとなった『忖度(そんたく)』。広まった経緯からマイナスイメージがありますが、実はその意味は「他人の心(気持ち)をおしはかる」という気遣いの言葉。TwitterなどのSNSで多用されたり、ビジネスマン向けのユニークなお土産として「忖度まんじゅう」が発売されたりと、期せずして世相を表す言葉となりました。
受賞者は、今年の大ヒット商品となった「忖度まんじゅう」の開発者である、稲本ミノルさん。「忖度まんじゅうはヒットしましたが、時事ネタに限らず、これからも世の中をクスっと笑わせるようなものを作っていきたいです」と感想が語られました。
2017年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた30語の中から、今年を象徴する言葉として選ばれた、新語・流行語のトップテンをご紹介します!(50音順、順位なし、敬称略)
受賞語 | 受賞者 |
インスタ映え | CanCam it girl |
35億 | ブルゾンちえみ |
Jアラート | クリス・ブロード |
睡眠負債 | 枝川 義邦 |
忖度 | 稲本 ミノル |
ひふみん | 加藤 一二三 |
フェイクニュース | 清原 聖子 |
プレミアムフライデー | プレミアムフライデー推進協議会 |
魔の2回生 | 森山 志乃芙 |
○○ファースト | 受賞者なし |
芸人のブルゾンちえみさんが受賞した『35億』は、ネタの決め台詞。意識高めのキャリアウーマンに扮したブルゾンちえみさんが、両脇にイケメンを従え、恋に臆病になっている女性に対するエールを送るネタは、芸能界でもマネする人が続出し大きな話題に。「地球上に男は35億人もいるから大丈夫」という励ましの言葉が、「仕事と恋愛のどちらを取ればいいの?」と悩む多くの女性からの支持を得ました。
残念ながら、ブルゾンちえみさんは多忙のため欠席。それを知った会場からは、「え~!」「残念!」という声が多く上がっていました。それだけ人気なのですね。
また、選考委員会特別賞には、東洋大学の桐生祥秀選手が日本人で初めて10秒の壁を破った記録『9.98』と、史上最年少の中学生プロ棋士・藤井聡太四段が達成した前人未到の連勝記録『29連勝』の、輝かしい活躍を表す2つの言葉が選ばれました。
受賞者の桐生祥秀選手、藤井聡太四段は残念ながら欠席でしたが、会場には特別にお2人からのメッセージが届きました。若いアスリートと棋士のますますの活躍を、応援したいですね。
2017年を表す言葉である、ユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞やトップテンなどはいかがでしたか?一つひとつの言葉にまつわるエピソードを思い出しながら、ぜひ2017年を振り返ってみてください。またこの機会に、あなた自身の2017年の流行語も、選んでみてくださいね。