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2017.09.28

栄養不足が深刻化!20~30代女性に足りない栄養素とは?

栄養不足が深刻化!20~30代女性に足りない栄養素とは?

厚生労働省が実施した平成27年の国民健康・栄養調査では、若い世代ほど食事の栄養バランスに課題があるということが明らかになりました。特に20~30歳代の女性では、たんぱく質、カルシウム、食物繊維などの摂取量が60歳以上に比べて少ない傾向にあるようです。今回はこの結果をもとに、若い女性がどのように食事をしていけば不足しがちな栄養素を補うことができるのか、管理栄養士の岡田明子さんにコツを教えていただきました。

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このままだとどうなる?20~30代女性の栄養不足が深刻化!

女性の社会進出により忙しくてちゃんと食事を摂れない方や、ダイエットブームで摂取カロリーが極端に低い方など、偏った食生活を送っている方は少なくありません。実際にBMIが18.5未満の「低体重(やせ型)」に入る方の割合は20代女性が最も高く、22.3%という結果が出ています。

朝は時間がないので食べない、昼食はサンドイッチとコーヒーで軽く済ませる、小腹が空いたらお菓子を食べて、夕食はワインとチーズと野菜でおしまい……こんな食習慣をしている方は要注意です!栄養が不足すると、便秘や冷え、立ちくらみなどの不調につながりかねません。なんとなくダルい、疲れやすいという方は、一度自分の食事を見直してみましょう。

栄養をしっかり摂るには「3つのお皿」を意識しよう!

栄養をしっかり摂るには「3つのお皿」を意識しよう!

特に20代女性は朝食を食べない方が多く、必要な栄養を補えない原因の1つとなっています。栄養を摂るチャンスは1日に3回しかありません。そのうちの貴重な1回を食べずに済ませるというのは、とても勿体ないことなのです。

また、食べると太ってしまう事を懸念している女性も少なくありませんが、ちゃんと栄養のあるものを食べないと代謝の低下にもつながり、逆に太りやすくなってしまいます。

食事でバランス良く栄養を摂るためには、「3つのお皿」を揃える事がポイントです。

3つのお皿

  • 主食:ご飯やパン、麺類などの、炭水化物を多く含む食品
  • 主菜:肉や魚などの、たんぱく質を多く含む食品
  • 副菜:野菜やきのこ、海藻類などの、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む食品

上記の3つのお皿を揃えることで、必要な栄養素を自然と摂ることができます。毎食揃えて食べることができればベストですが、難しい方は1日通して調整すれば問題ありません。

20~30代女性が摂るべき「3つの栄養素」を含む食材はコレ!

先ほどもご紹介したように、たんぱく質、カルシウム、食物繊維の3つの栄養素は、20~30代の女性が、60歳以上に比べて特に摂取量が少ないという調査結果が出ています。今回は、その3つの栄養素を上手に摂るためのオススメの食材をお伝えいたします。

たんぱく質

たんぱく質は、私たちの体作りのもとになる、とても大切な栄養素の1つです。筋肉、髪、爪、肌など全てたんぱく質から作られています。たんぱく質は、魚や肉、卵、大豆製品に多く含まれていますが、朝食をとらない方や外食が多い方は不足しがちになるので、意識して食事にとり入れることが大切です。

20~30代女性のたんぱく質の1日の推奨量は50gです。ちなみに、50gの肉を食べても、たんぱく質を50g摂取したことにはなりません。以下の表を参考にしてください。

毎食たんぱく質を多く含む食材を意識して食べないと、推奨量を摂ることができません。女性にとっては、体作りはもちろんのこと、ホルモンバランスの調整や肌作りにも関わってくる栄養素なので、しっかり摂取していきましょう。

カルシウム

カルシウムは、骨や歯を形成している栄養素です。不足すると骨粗しょう症につながることもあります。とても吸収率が低い栄養素の1つなので、こまめに摂取していくことがポイントです。20~30代女性の1日の推奨量は650mgです。牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、豆腐、納豆、ひじきなどに多く含まれています。その他、小松菜やモロヘイヤなどの野菜にも含まれています。

食物繊維

食物繊維は腸内環境を整え、便秘の改善や生活習慣病の予防にも役立ちます。20~30代女性の1日の推奨量は18g以上。野菜やきのこに多く含まれていて、特に野菜には食物繊維以外にも、ビタミンやミネラルも多く含まれているので、毎食意識してとり入れて欲しい食材です。

また最近では、糖質オフダイエットブームからお米を食べない方も増えています。しかし、お米は食物繊維を多く含むので、食べないと便秘の原因になってしまうことも。便秘は代謝の低下や肌あれにもつながりますので、お米も食べて食物繊維をしっかり摂取していきましょう。

不足しがちな「3つの栄養素」のオススメな摂り入れ方

不足しがちな「3つの栄養素」のオススメな摂り入れ方

朝食

朝は忙しくて、しっかりとした食事が用意できないという方も多いのではないでしょうか?そんな方には、簡単に用意ができる「ご飯と具だくさんの汁物」の組み合わせがオススメです。具だくさんの汁物には、たんぱく質を多く含む卵や肉、カルシウムを多く含む豆腐、食物繊維を多く含む野菜やきのこなどを入れると、不足しがちな栄養素を1杯で摂ることができます。

コンビニを活用する場合は、鮭や肉の具が入ったおにぎり、茹で卵、ヨーグルトなどでたんぱく質を補うことができます。ただこれだけだと野菜が不足しますので、昼食や夕食で補っていきましょう。

昼食

外食の場合は、定食屋に行くのがオススメです。定食タイプのメニューであれば、焼き魚定食や豚の生姜焼き定食のように、主食・主菜・副菜の「3つのお皿」が揃うので、栄養バランスが整いやすいです。

コンビニを活用する場合は、パスタだけ、サンドイッチだけのような単品メニューではなく、おにぎりと肉野菜炒めときのこの味噌汁のように、組み合わせて選ぶと良いでしょう。

間食

間食は足りない栄養素を補うチャンスです。甘いお菓子やチョコレートなどではなく、果物や小魚、ヨーグルトなど、体が喜ぶ栄養のあるものを食べましょう。

夕食

夕食では、朝食や昼食で摂れなかった栄養素を意識して摂ると良いでしょう。

  • 魚、肉、卵
  • 乳製品
  • 大豆製品
  • 野菜
  • きのこ

上記をチェックして、朝食や昼食で足りていないものを夕食で補っていくと、1日トータルで栄養バランスが整います。しかし、必ずしも1日でパーフェクトを目指さなくても大丈夫です。3日単位で調整して、全体の推奨量を満たしていれば問題ありません。

食事は毎日のことですし、つい自分が好きなものに偏りがちですが、食習慣を改善することは健康や美にもつながります。この機会に食事を見直して、健康な体作りを目指していきましょう。

参考
平成27年国民健康・栄養調査
日本人の食事摂取基準(2015年版)
日本食品標準成分表2015年版(七訂)

管理栄養士講座へのリンク

食生活アドバイザー(R)講座へのリンク

執筆者プロフィール
岡田明子(おかだあきこ)さん
管理栄養士、一般社団法人NS Labo代表理事。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、特別養護老人ホームでの勤務を経て、ダイエットサプリメント会社に転職。 1万通り以上の食事パターンを分析し、何千人もの方のダイエットサポート実績がある。自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイにやせる」ダイエットメソッドを確立。現在はテレビや雑誌、各種イベントでのレシピ監修や商品開発、企業セミナー講師や執筆活動を精力的に務める他、個人への食事サポートも行い個々の生活習慣に合わせた的確な指導に定評がある。
 

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