女性の社会進出により忙しくてちゃんと食事を摂れない方や、ダイエットブームで摂取カロリーが極端に低い方など、偏った食生活を送っている方は少なくありません。実際にBMIが18.5未満の「低体重(やせ型)」に入る方の割合は20代女性が最も高く、22.3%という結果が出ています。
朝は時間がないので食べない、昼食はサンドイッチとコーヒーで軽く済ませる、小腹が空いたらお菓子を食べて、夕食はワインとチーズと野菜でおしまい……こんな食習慣をしている方は要注意です!栄養が不足すると、便秘や冷え、立ちくらみなどの不調につながりかねません。なんとなくダルい、疲れやすいという方は、一度自分の食事を見直してみましょう。
特に20代女性は朝食を食べない方が多く、必要な栄養を補えない原因の1つとなっています。栄養を摂るチャンスは1日に3回しかありません。そのうちの貴重な1回を食べずに済ませるというのは、とても勿体ないことなのです。
また、食べると太ってしまう事を懸念している女性も少なくありませんが、ちゃんと栄養のあるものを食べないと代謝の低下にもつながり、逆に太りやすくなってしまいます。
食事でバランス良く栄養を摂るためには、「3つのお皿」を揃える事がポイントです。
3つのお皿
上記の3つのお皿を揃えることで、必要な栄養素を自然と摂ることができます。毎食揃えて食べることができればベストですが、難しい方は1日通して調整すれば問題ありません。
先ほどもご紹介したように、たんぱく質、カルシウム、食物繊維の3つの栄養素は、20~30代の女性が、60歳以上に比べて特に摂取量が少ないという調査結果が出ています。今回は、その3つの栄養素を上手に摂るためのオススメの食材をお伝えいたします。
たんぱく質
たんぱく質は、私たちの体作りのもとになる、とても大切な栄養素の1つです。筋肉、髪、爪、肌など全てたんぱく質から作られています。たんぱく質は、魚や肉、卵、大豆製品に多く含まれていますが、朝食をとらない方や外食が多い方は不足しがちになるので、意識して食事にとり入れることが大切です。
20~30代女性のたんぱく質の1日の推奨量は50gです。ちなみに、50gの肉を食べても、たんぱく質を50g摂取したことにはなりません。以下の表を参考にしてください。
毎食たんぱく質を多く含む食材を意識して食べないと、推奨量を摂ることができません。女性にとっては、体作りはもちろんのこと、ホルモンバランスの調整や肌作りにも関わってくる栄養素なので、しっかり摂取していきましょう。
カルシウム
カルシウムは、骨や歯を形成している栄養素です。不足すると骨粗しょう症につながることもあります。とても吸収率が低い栄養素の1つなので、こまめに摂取していくことがポイントです。20~30代女性の1日の推奨量は650mgです。牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、豆腐、納豆、ひじきなどに多く含まれています。その他、小松菜やモロヘイヤなどの野菜にも含まれています。
食物繊維
食物繊維は腸内環境を整え、便秘の改善や生活習慣病の予防にも役立ちます。20~30代女性の1日の推奨量は18g以上。野菜やきのこに多く含まれていて、特に野菜には食物繊維以外にも、ビタミンやミネラルも多く含まれているので、毎食意識してとり入れて欲しい食材です。
また最近では、糖質オフダイエットブームからお米を食べない方も増えています。しかし、お米は食物繊維を多く含むので、食べないと便秘の原因になってしまうことも。便秘は代謝の低下や肌あれにもつながりますので、お米も食べて食物繊維をしっかり摂取していきましょう。
朝食
朝は忙しくて、しっかりとした食事が用意できないという方も多いのではないでしょうか?そんな方には、簡単に用意ができる「ご飯と具だくさんの汁物」の組み合わせがオススメです。具だくさんの汁物には、たんぱく質を多く含む卵や肉、カルシウムを多く含む豆腐、食物繊維を多く含む野菜やきのこなどを入れると、不足しがちな栄養素を1杯で摂ることができます。
コンビニを活用する場合は、鮭や肉の具が入ったおにぎり、茹で卵、ヨーグルトなどでたんぱく質を補うことができます。ただこれだけだと野菜が不足しますので、昼食や夕食で補っていきましょう。
昼食
外食の場合は、定食屋に行くのがオススメです。定食タイプのメニューであれば、焼き魚定食や豚の生姜焼き定食のように、主食・主菜・副菜の「3つのお皿」が揃うので、栄養バランスが整いやすいです。
コンビニを活用する場合は、パスタだけ、サンドイッチだけのような単品メニューではなく、おにぎりと肉野菜炒めときのこの味噌汁のように、組み合わせて選ぶと良いでしょう。
間食
間食は足りない栄養素を補うチャンスです。甘いお菓子やチョコレートなどではなく、果物や小魚、ヨーグルトなど、体が喜ぶ栄養のあるものを食べましょう。
夕食
夕食では、朝食や昼食で摂れなかった栄養素を意識して摂ると良いでしょう。
上記をチェックして、朝食や昼食で足りていないものを夕食で補っていくと、1日トータルで栄養バランスが整います。しかし、必ずしも1日でパーフェクトを目指さなくても大丈夫です。3日単位で調整して、全体の推奨量を満たしていれば問題ありません。
食事は毎日のことですし、つい自分が好きなものに偏りがちですが、食習慣を改善することは健康や美にもつながります。この機会に食事を見直して、健康な体作りを目指していきましょう。
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