美しい食事マナーはビジネスでもプライベートでも必要とされる大切な要素。今や料理も多種多様で、食べる作法もそれぞれ異なります。
洋食より作法が難しいといわれる和食は、「箸の国」と称される日本が誇る食文化。そのため、和食では美しく箸を持つことが重要なマナーのひとつとなるのです。
美しく箸を持つためには、まず姿勢を正すことから。そして箸を持つ位値と、箸先の扱いに気をつけます。箸を持つ位値は、真ん中より少し上にするとバランスがよく美しくみえます。
箸先はできるだけ汚さないように、3センチを目安に使いましょう。また、交差しないようにも注意が必要です。料理に箸を刺す「刺し箸」や料理の上であちこちと箸をうごかす「まよい箸」などは、「嫌い箸」として無作法にあたります。
箸を正しく持って、食事の時間をもっと素敵に楽しみましょう。
和食の献立は汁物1品、おかず3品の「一汁三菜」が基本とされています。
まずは汁物からいただくことがマナーとされていますが、これには「箸を汁でしめらせておくと箸に汚れがつきにくく、その後も箸がキレイ」という狙いも。ちなみに、汁を箸でかきまぜる行為は絶対にNG!もちろん「音は立てず、上品に」が鉄則です。
また汁物の具が大きいときには、一度お椀を置いて、箸で一口サイズに切り分けてからいただきましょう。
汁物の次には、味の薄いご飯をいただきます。お食事の風味を十分に楽しむために味の濃いものは後回しにします。
そして最後におかずをいただきます。これを繰り返しながらバランスよくいただくのが、和食のマナーの基本となります。
マナーの中にも、食事を楽しむコツがちりばめられていますね。このような点も和食が世界から評価され、愛される理由なのかもしれません。
和食には「器の模様」や「盛り付け」など、一品一品に私たちを喜ばせるためのさまざまな工夫が施されているため、その作り手の心を敬うことも大切。例えば、お刺身は盛り付けを崩さないようにできるだけ手前からいただいたり、お茶碗は模様がみんなにも見えるように置いたりと、周りへの配慮も欠かせません。また、和食器は繊細なので、引きずったり、食べ終わったからといって重ねたりするのはNGです。
和室の場合、出入り口から最も遠いところが上座という基本ルールはありますが、床の間の有無と位置によって席次が変わります。室内を移動する際は畳の縁や敷居を踏まないよう、足元に気をつけて。
このように、和食では「相手を敬う」という大和撫子の精神を育むことで、より食事を楽しめるように工夫がされているのです。
ここで紹介した和食における食事マナーは、ほんの一部。たくさんある和食の作法をさらっと美しく使いこなせば、品格のある女性として評価されること間違いなし。
そして、食べるときのマナーが美しくなると、きっと食事もより一層美味しく感じられるはずです。
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