英語を使う仕事をしたいと思っても、「留学経験がないから……」と諦めてしまう方もいるでしょう。しかし留学経験がなくても、英語の資格を取得するだけで就職や転職の際にプラスの評価をされることもあるんです。また社内で英語が必要な場合も、資格が有利になります。
例えば、大手IT企業や海外事業展開している企業の国際関連の部署では、ビジネス英語のスキルがあり、読み書きができることが採用の条件という場合もあります。ここでいう「英語のスキルがある」とみなされる基準は、一般的に、TOEIC(R)テストの点数が800点以上、ということが多いようです。
さらに実際に、「英語を使う仕事」の求人を見てみると、「留学経験」よりも、「資格取得」を指標にしていることの方が多い傾向にあるようです。ではどんな資格を取得すれば、「英語を使う仕事」へ有利に働くのでしょうか。
留学経験がなくても、資格を取得して英語を使う仕事で活かしている人たちがいます。一体どんな資格を取って、どんな仕事をしているのでしょうか。
英語を使う仕事に有利になる資格、それは「TOEIC(R)テスト」と「通訳案内士」の2つです。これらはどんな資格なのか、また資格を取得した人がどんな仕事をしているのかを見ていきましょう。
■TOEIC(R)テストとは?
TOEIC(R)テストは世界共通となる英語能力の試験です。TOEIC(R)テストの点数が企業の採用基準になっており、実務経験がなくても優遇される場合もあります。
TOEIC(R)テストで高得点を取得して、仕事で活かしている方の例
・海外営業担当
・翻訳スタッフ
・グローバル展開している会社の秘書など
■通訳案内士とは?
日本を訪れる外国人に付き添い、外国語を用いて旅行に関する案内をする仕事です。海外の人に接する機会が多い職場では、通訳案内士の資格を持っていると有利に働くこともあります。通訳案内士は、英語力はもちろん折衝力やコミュニケーション能力があるとみなされるので、外国人と話をする機会が多い仕事では優遇されることもあるようです。
通訳案内士を取得して、仕事で活かしている方の例
・国際会議の運営スタッフ
・通訳
・建設会社
・金融業界など
このように、専門性の高い職種はもちろん、一般企業でも英語の資格が使える場面が多々あります。ここでは、実際に英語の資格を取得して活躍している、2名の方に話を聞いてみました。
まずは、留学経験なしでTOEIC(R)テストで980点を取得し、転職に成功したAさん(35歳)に話を聞いてみました。
−−現在どのようなお仕事をされていますか?
IT関連の会社で技術翻訳の仕事をしています。(Aさん)
−−TOEIC(R)テストの点数は転職の際にどのように有利に働きましたか??
私は5年ほど仕事のブランクがあったのですが、「英語を使う」という軸で探したところ、業務内容が希望する条件に合っており、なおかつ採用条件が「TOEIC(R)テスト850点以上取得」という仕事に就くことができました。TOEIC(R)テストの結果が有利に働いたと思います。(Aさん)
−−仕事をするうえでも、TOEIC(R)テストで高得点を取ったことは有利になりますか。
はい、最新の技術情報をキャッチアップするには、英語ができないと進められないこともあるので有利だと思います。また、TOEIC(R)テストの勉強を通して学んだ英会話や例文を、実際に仕事でも使うことがあります。(Aさん)
−−最後に、英語を使って仕事をしたいと考えている方へ一言お願いします。
「資格だけ取得しても、実務経験がなくては意味がない……」なんて思われることもあるかもしれませんが、TOEIC(R)テストで高得点を取得していると、就職や仕事を進めていくうえで有利になることは確かです。継続して勉強することは大変ですが諦めずに挑戦してください。(Aさん)
続いて、通訳案内士を取得したことが仕事で有利に働いたBさん(38歳)に話を聞いてみました。Bさんも留学経験はありません。
−−現在どのようなお仕事をされていますか?
企業研修や専門学校の英語研修講師として働いています。(Bさん)
−−通訳案内士の資格は、仕事でどのように有利に働きましたか?
企業研修講師の仕事は、給与が平均より高めのことが多いです。また、最近は訪日外国人向けにサービス展開している企業からの問い合わせが増えています。特に通訳案内士は、他の英語資格と比較しても、人と英語で意思疎通を図る能力が優れているとみなされるため優遇されます。(Bさん)
−−どんな時にやりがいを感じますか?
先日研修をさせていただいた会社では、「イベントで訪日外国人相手にセールスをするため、英語を習いたい」ということでした。仕事で必要な英語力と外国人との対話力の両方が学べたと喜びのお声を頂いています。このような感想をいただくと、やはりやりがいに繋がります。(Bさん)
−−最後に、英語を使って仕事をしたいと考えている方へ一言お願いします。
同じ職種の方は、当然ながら英語ができる方ばかりです。そんな中でも、通訳案内士の資格を持っていると、人とは違うスキルを持っているとみなされます。特に今後は、訪日外国人向けのサービスを展開する企業(観光業、建設、金融、サービスなど)への就職・転職に断然有利になると思います。(Bさん)
「英語を使った仕事がしたい」「英語を勉強してスキルアップをしたい」と思ったなら、留学ではなく、TOEIC(R)テストや通訳案内士の資格に挑戦してみませんか? 資格があると、ブランクがあっても再就職で有利になったり、就職後に手当や給与面で優遇されることもあります。仕事で活かしている方の体験談を参考にして、自分の将来へ向けてぜひチャレンジしてみましょう。
TOEIC(R)テストに挑戦してみたいと思ったら、早速勉強を始めましょう。ただ英語が苦手な人にとっては、勉強を始めること自体ハードルが高いかも。苦手な人はどのように始めればよいのでしょうか? 150点から900点台を達成したトイアンナさんにそのコツを聞いてみました。