女性誌で特集を組まれるほど、女性から絶大な人気を得ると同時に、最近は男性の美容の大切さを提唱して注目を集めている、ヘアメイクアップアーティストのKUBOKIさん。美容師から転身し、ヘアメイクアップアーティストとして雑誌編集者やモデル、俳優から指名を受け続けるその理由は、確かなヘアメイク技術はもちろん、ご自身の「清潔感」を常に意識していることにもあるそうです。
「ヘアメイクアップアーティストのアシスタントになったとき、どの現場に行っても周囲は女性ばかりでした。一期一会のなかで、いかに信頼を得ていくかを考えたとき、自分自身の身だしなみとして『清潔感』を心掛けることにしました。それが『メンズ美容』について意識したきっかけです」(KUBOKIさん)
それが、どのように今の活躍につながったのでしょうか。
「男性の場合『美容』といっても、女性の求める『美』とは異なります。常に肌や髪を整え、周囲から見て清潔感を抱かせること。ゴールはいたってシンプルです。『清潔感』があるだけで、信頼や安心感につながるんです。自分自身の美容に気を付けたことで、その分キャリアに返ってきたと実感しています。また、自信にもつながりました。僕は美容業界に身を置いていますが、それは会社員や自営業の方でも同じです。働き盛りの30~40代の男性には、特に『メンズ美容』をはじめて、仕事やプライベートで活躍していただきたいですね」(KUBOKIさん)
最近、若い男性の間ではメイクをする方も増えていますが、一般的な男性にとっては、まだまだハードルが高いですよね。でも、スキンケアならやってみたいという男性も多いのでは?スキンケアで肌を整えると、うるおいのある自然なツヤが生まれ、イキイキと活力にあふれた印象に変わります。素肌で勝負する男性こそスキンケアが大切です。
そして、将来を見据えた『メンズ美容』をすることも大切です。今から正しいスキンケアを行っておくと、10年後、20年後、確実にその差が肌に表れます。彼女や家族がいつまでも自慢したくなるような、魅力的な男性を目指しましょう。
男性に多い肌悩みとその原因
主な原因:男性の肌水分量は女性の半分以下といわれ、乾燥しやすいため、保湿ケアは意識的に行うことが大切です。
主な原因:男性の皮脂量は女性の2倍といわれ、脂っぽくなりやすいです。また、肌の水分が不足すると、乾燥を防ごうとして肌の皮脂分泌量がさらに増加します。
主な原因:電動シェーバー、カミソリ、どちらも古い刃を使用していると、刃がスムーズに滑らず、肌を傷つける原因になります。また、切れ味の悪い刃は、ひげの断面がきれいにならず、美しい剃り上がりになりません。
男性の肌悩みは、ケアが足りていない、もしくはケア方法が間違っていることが原因の場合が多くあります。次にご紹介する、男性の肌を整えるためのスキンケア方法をチェックしてみましょう。
清潔感のある整った肌を目指すには、特別なケアは必要ありません。なによりも重要なのは、365日の洗顔と保湿。男性は間違ったままのケアでルーティン化されていることも多いため、今一度正しい洗顔と保湿ケアの基本をおさえましょう。
清潔感をつくる正しい洗顔のポイント
男性は皮脂分泌量が多いため、洗顔をおざなりにするとテカリやベタつき、毛穴の目立ちなど、清潔感のない印象になってしまいます。スッキリ感を求めてゴシゴシ洗うのではなく、やさしく丁寧な洗顔を心掛けることで、必要なうるおいを保ちながら肌の汚れを落とすことができます。
清潔な手のひらに洗顔料を適量取り出し、少しずつぬるま湯を加えながら混ぜ合わせ、卵2個分サイズの泡をつくりましょう。泡で洗うようにすると、泡の一粒一粒に汚れが吸着するので、肌あたりはなめらかに、でも汚れはしっかりと洗い上げることができます。
勢いよくゴシゴシ洗うのは厳禁。乾燥や肌トラブルの原因になるため、泡を肌の上で転がすようなやさしいタッチを心掛けて洗いましょう。
洗顔時のNG行動で一番多いのは、すすぎ残しです。朝の忙しいときも、タオルで水気をふき取る前に、もう一度鏡をチェック!すすぎ残しの多い、生え際、もみあげ、小鼻の脇、顎の下まで、きちんとすすぎましょう。しっかりと洗顔をしていても、洗顔料が肌に残っていると、それが刺激になって肌荒れを起こしてしまいます。
清潔感をつくる正しい保湿のポイント
ひげ剃り後の男性の肌は、とても繊細な状態です。このときにどのようなケアをするかで、未来の肌は変わります。大切なのは、化粧水でたっぷりと水分補給し、その後に必ず油分でうるおいを閉じ込めること。化粧水だけで終わらせると、肌が乾燥してしまうことがあるため、油分の膜で蓋をすることがポイントです。
男性用化粧水の多くは、ひげ剃り後に肌につけても染みないような成分で構成されています。ひげ剃り後、繊細な状態の肌には、彼女や奥様の化粧水を拝借せずに、男性専用の化粧水でやさしくうるおしましょう。面倒くさがりの男性には、ミストタイプがおすすめ。細かい霧状のミストでふわっと肌を包み込み、一瞬でうるおいます。
男性はベタつきを気にして、化粧水だけで終わらせる人も多いのですが、それではせっかく保湿をしても、すぐに蒸発してしまいます。化粧水の後は必ず、乳液やクリーム、オイルなどの油分で蓋をして、うるおいを閉じ込めることが大切です。
正しく汚れを落とし、きちんと保湿をする。この2点を押さえるだけで、ベタつきやカサつきが抑えられ、自然なツヤのある肌になるはずです。皮脂によるテカリと異なり、ツヤは肌の水分と油分のバランスが整うことで現れ、顔全体にイキイキとした印象や清潔感を与えてくれます。
「今の10~20代の若い男子は、美容への関心が高く、ポジティブに楽しんでいる人も多いですが、僕自身は昭和の男なので、『男なのに肌を気にしているなんて、女々しいんじゃないか』と思っていたこともありました。しかし、かっこいい大人の男性を目標としたとき、身だしなみとして肌を整えることが欠かせないことに気づきました。『メンズ美容』と聞くと、ハードルが高く感じていたかもしれませんが、決してそうではありません。これまでの誤ったケアを見直し、正すだけでも確実に肌は変わります。普段何もしてこなかった男性こそ、可能性の塊です!まずは、正しい洗顔と保湿を習慣にして、『清潔感』と『好印象』を手に入れましょう」(KUBOKIさん)