朝に自分磨きをする「朝活」が人気です。早起きして時間をつくり、勉強や体力づくり、趣味に精進するなど、朝からエネルギッシュに活動する人が注目を集めています。一日の最初に良いスタートがきれ、また邪魔が入らないため継続しやすい朝活は、忙しい社会人にとって魅力的です。
しかし、誰もが朝、早起きができるわけではありません。体質的に朝に弱く、どうしても起きられない人、また起きられても頭や体が十分に働かない人もいます。そんな人にとって、朝活は砂上の楼閣。寝ぼけまなこで朦朧と朝活に励み、さしたる成果も上げられないうえに、疲れて昼間の業務に支障をきたしては、本末転倒です。人には向き、不向きがあるもの。みんなが朝活をしなければならないわけではありません。
朝に弱い人は、往々にして宵っ張りの夜型。夜なら、やりたいことを思いきりやれるはずです。深夜まで残業が続くような職場環境ではなかなか難しいですが、幸い、昨今の風潮として働き方改革に取り組む企業が増え、ノー残業デーを実施する企業も現れています。そんな夜が増えればしめたもの!夜型のあなたの面目躍如です。
毎日継続するのは難しくても、チャンスを逃さず「夜活」に取り組めば、体質に合わない朝活よりも、ずっと成果を上げることができるでしょう。夜活でできることには、たとえば次のようなものがあります。
ある難関大学向け予備校の講師によると、「部活や生徒会活動をエンジョイしながら難関校に合格する受験生の特徴は、『コマ切れ時間を無駄にしない』こと。通学時間、休み時間など、10分、20分という短い時間ができたとき、その時間でできる学習内容を、あらかじめ自分で用意している」とのことでした。これは、忙しい社会人にも適用できることです。
仕事や飲み会のお誘いなど、邪魔が入らない朝活と違い、夜活は毎日できるとは限りません。かと思えば、突然残業の予定が消えて、ふとまとまった時間ができることもあります。そのため、「時間ができたらやりたいこと」を、あらかじめ計画し、空いた時間でできるように準備しておくことが大切です。
たとえば「ある作家の作品を読破したい」のであれば、いつ時間ができてもいいように本を持ち歩く必要があります。さらに読書を容易にするためには、タブレットやスマートフォンで電子書籍を読めるように設定しておくといいかもしれません。「いつか東京マラソンに出場したい」のであれば、会社のロッカーにジョギングシューズとウェアをしのばせておき、いつでもリュックを背負って出勤して、走って帰宅できるようにしておくのもいいですね。
「夜の時間を、豊かな暮らしのために充てる」という夜活もあります。より快適に暮らせるように、夜の時間を使って家事を充実させることは、生活のクオリティを上げることに繋がります。
たとえば、片付け。気の進まない家事かもしれませんが、不要なものを減らし、空間をスッキリさせるだけで、部屋は広々し、動きやすくなります。友達を呼ぶのも楽しくなり、居心地は格段にアップするでしょう。インテリア写真集を参考に、家具やカーテンをリメイクしたり、手作りしたりするのもおすすめです。
また、料理も同様です。外食にお金を使うのではなく、少ないコストでおいしいものを作れたら、毎日が見違えるように輝き始めます。夜なら時間がたくさんとれるので、凝った料理にもチャレンジできるでしょう。ごはんを土鍋で炊いてみたり、まるごとの魚をさばいてみたり、牛骨で本格的なスープをとってみたり……。「次は、これを作ってみよう」など、料理の計画を立てるのもワクワクするものです。
さまざまなことを楽しめる夜活ですが、最も大切な夜活は「明日の朝の準備」です。起きたらすぐに朝食がとれるようにセッティングしておく。すぐに出かけられるように着ていくものをコーディネートしておく。スマホを充電し、名刺を補充し、出先への交通経路を調べておく。明日の朝の自分のために、今日の夜の自分が段取りしてあげるのです。これで明日のあなたの行動は、朝からバッチリ!
「明日やろう」
「朝やろう」
と思っていても、なかなかできないのは、前日の夜の準備ができていないから。朝に良いスタートがきれるかは、夜活にかかっています。あなたも毎日を充実させるために、5分からでも10分からでも、夜活を始めてみませんか?
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