キッチンから出る臭いの正体は、バクテリア(細菌)やカビ。水の使用頻度も多いキッチン周りは湿度も高く、中でもシンク下は湿気がたまりやすいところです。湿気がたまることでバクテリアやカビが繁殖し、結果として不快な臭いにつながります。また、生ゴミを片付けず長期間そのままにしてしまうと、生ゴミが腐って「腐敗臭」が発生することも。特に、夏場は気温が高いため、生ゴミの腐敗スピードも速く、1日キッチンに置いていただけでもすぐに腐ってしまいます。
対処法としては、生ゴミが出たらすぐに廃棄し、キッチン周りをきれいに保つこと。しかし、生ゴミの収集日によっては数日間、自宅に保管しなければなりません。その際に、生ゴミを袋に詰めて放っておくだけだと、さらなる悪臭を生む可能性もあります。そこで、次の項目では生ゴミから出る臭いを断つ方法と、イヤな臭いを室内へ広げないアイデアをご紹介します。簡単に手に入るものを活用して、臭いの原因をなくしましょう。
排水口の臭いを改善するには、キッチンをこまめに掃除し、臭いの元を絶つこと。臭いの元を絶つために、キッチンを掃除したあとはエタノール(エチルアルコール)や、家庭用塩素系漂白剤を使用し、バクテリアやカビを殺菌・除菌してください。流しバスケットや三角コーナーを銅製のものに変えるだけでも、銅イオンによる殺菌効果に期待が持てます。
また、生ゴミを捨てる際には、できるだけ水分を除去しバクテリアやカビの繁殖を防止。方法としては、生ゴミの水分を絞って水気を切り、古新聞で包みましょう。さらに、生ゴミが入っていた流しバスケットに熱湯をかけ、氷などで一気に冷やします。これにより、カビやバクテリアの新たな発生を予防。
ちなみに、バクテリアは60~80℃の高温で死滅するとされています。カビの生育温度は25~28℃のため、沸騰したお湯で殺菌したあと一気に冷却すれば、生育温度を下回ることができるのです。
掃除や生ゴミの廃棄をこまめに行い、殺菌・除菌もしていても、臭いがしつこく残ってしまうことがあります。その場合は、次にご紹介する対策を試してください。
そもそも、臭いの成分にはアルカリ性と酸性があり、魚や果物が腐ったときの臭いはアルカリ性。アルカリ性の臭いは、掃除に使用するクエン酸や酢(食酢・木酢液)で中和させましょう。クエン酸や酢は、酸性のためアルカリ性の臭いを除去するのに適しています。
もし、この方法で十分な効果を得られなかったら、アルカリ性ではなく酸性の臭い成分が発生しているかもしれません。そんなときは、弱いアルカリ性を持つ重曹をかけて様子を見ます。重曹は、酸性の臭いを中和させるだけでなく、臭いの吸着剤にもなる優れものです。他にも、キッチンやその周りに活性炭でできた吸着剤を置き、さらなる臭い改善・予防に努めましょう。
キッチンの排水口や生ゴミの不快な臭いは、意外と頑固で取れにくいものです。しかし、正しい方法で臭い対策を行えば効果が期待できます。例えば、「掃除後はエタノールで殺菌・除菌をする」「生ゴミは水気を取ってから捨てる」「重曹やクエン酸を使用し、臭いを中和させる」などです。ご家庭でも実践しやすい臭い対策で、キッチン周りを清潔に保ちましょう。