冬に限らず、旬の食材はその季節に最も栄養価が高まり、うま味を蓄えます。例えば、冬に旬を迎える野菜や魚は、寒い時期に合わせて体内に栄養価を溜めこみ、その後訪れる冬を凌ぐ準備をします。旬でない季節のものと比べ、含有している栄養成分もグンとアップしているのです。
また、旬の食材を食べることで、その時期に人体が必要とするものを補うことができます。冬には根菜や、ブリなどの脂をたっぷり蓄えた魚が旬の食材として食卓に上りますが、根菜には体を温める効果があり、魚の脂には保温性や乾燥に耐えるための成分が豊富に含まれています。
さらに、旬の食材は旬の時季に豊富に収穫できることから、比較的価格が安いのも特徴のひとつです。うまく旬の食品を取り入れることで、家計への負担を減らしながら、おいしい食事をとることができるのです。
冬(12月~2月)にかけては、ゴボウやレンコンなどの根菜類が旬を迎えます。これらの野菜には体を温めて代謝を上げる効果があるため、寒い時期には積極的に食べておくと良いでしょう。
今や1年中食べられる長ネギや白菜、キャベツやレタスといった葉野菜も旬は冬で、この時期には甘みが強く肉厚なものを堪能できます。また、これらの野菜は粘膜を乾燥から守り免疫力を高めてくれるので、風邪をひきやすい冬にはもってこいの食材です。
魚ではブリやアンコウが旬の食材に挙げられます。冬が旬の魚は、寒さに耐えられるように脂がのっていて、栄養価が高いものが豊富。ウイルスや細菌に対する抵抗力を高めることにつながるため、風邪予防などにオススメです。
また、「冬と言えばこたつにミカン」と言われるほど冬の定番となっているミカンなどの柑橘類の多くも、冬に旬を迎えます。旬を迎えたミカンは甘みが強く、ビタミン類を多く含んでいるため、疲労を感じている人にピッタリです。
冬だからこそおいしく味わえる食材を、逃さず存分に楽しみましょう。
ここで、冬にオススメの料理をいくつかご紹介します。
冬と言えば、ズバリ鍋料理を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。冬の旬野菜たっぷりの鍋は、野菜が持つ本来のうま味や栄養を、存分に、そしておいしく食べられる、シンプルで手軽な料理です。
また、冬の風物詩であるおでんにも、冬が旬の根菜が多く使われています。アンコウ鍋やブリ大根も、冬だからこそより楽しめる料理の代表格と言えるでしょう。
魚でいうとブリやアンコウの他にも、金目鯛やサバ、ヒラメもそれぞれ冬に旬を迎えます。塩焼きや煮付け、刺身などさまざまな方法で味わってみましょう。冬の海産物では、タラバガニや毛ガニも寒くなる時期は一段と味が良くなります。プリプリの身やカニ味噌を堪能した後はダシをとり、お味噌汁や鍋にすると無駄なくカニを堪能できます。
野菜では、ブロッコリーやホウレンソウ、マッシュルーム、ニンジンなども冬が旬の食材のため、シチューやカレーといった煮込み料理にはふんだんに取り入れましょう、甘さ引き立つサツマイモも冬がおすすめ。大学芋にすることでより風味高いホクホク感が楽しめるためオススメです。
旬の食材は、味が良いのはもちろん、栄養も豊富。冬の寒さで冷え切った私たちの体を、やさしく温めてくれます。
今は1年中見かける食材も多くありますが、旬を意識した食材を選び、季節感やその味を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。
旬の食材を使っておいしい料理を作りたい! と思っても、料理が苦手だったり、あまり時間がなかったりして、結局はいつもと同じになってしまう……という方は多いのではないでしょうか。実は、料理の基本をしっかり学んでおくことで、時短なのにプロの味に近づけることができるんです。 そこでここでは、料理の基本となるコツをご紹介します。