一筆箋(いっぴつせん)とは、一般的に縦18cm×横8cmほどの、短冊型の細長い便箋を指します。標準サイズの便箋と比較すると文字を書く部分が5分の1程度のため、「多くの文字を書かなければならない」「書くのに時間が掛かって面倒くさい」といった、手紙を書くときのストレスを感じることがありません。また、手書きで文字を書くことが苦手な方や慣れていない方であっても、気軽に使用できる点が一筆箋のメリットです。
一筆箋は用件だけを書いて済ますことができるため、ある程度親しい間柄でのやりとりに使われるケースが多く、改まった形式的な手紙には不向きだと思われています。しかし、一筆箋にはさまざまな種類やデザイン、色柄があるので、目上の方へのメッセージであったとしても、贈り物の添え状などに大いに役立ちます。
また、縦書きだけではなく横書き用の一筆箋もあるため、贈り物のサイズや種類などによって使い分けることもできます。英語など外国語のメッセージを添えたい場合にも、横書きは重宝しますよ。
基本的な使い方としては、日常生活やビジネスでのさまざまな場面で人とやりとりをする際に活用できます。
・お中元やお歳暮、母の日や父の日、お誕生日やクリスマスなどの贈り物をするとき
・借りていたDVDや書籍を返すとき
・ビジネスで商品や必要書類、請求書や資料を相手に送付するとき
上記のタイミングで、メッセージやお礼の言葉をしたためます。少しのメッセージであっても、一筆箋を受け取った方は「気が利く人だな」とか「丁寧な人だな」と、送り主に対して好印象を抱くでしょう。
一筆箋の大きな特徴は、封書の手紙やはがきと違い誰でも気軽に書き始められて、しかも相手に自分の気持ちをしっかり伝えることができる点にあります。友人や知人、家族や親戚はもちろん、ビジネスの場面でも、会社の上司や取引先などに贈り物をする際に最適なため、今まで手紙を書く習慣がなかった方も一度利用してみてはいかがでしょうか。
一筆箋を使用する際、「必ず守るべきルール」は特にありません。
ですが、書き方の基本的なマナーとしては、最初に相手の名前、文末に自分の名前をきちんと明記することが挙げられます。また、一筆箋は行数が少ないため、本文は3~6行程度になるよう簡潔にまとめましょう。
目上の方に対して敬語で書くことはもちろん必要なマナーですが、親しい友人に宛てる場合は、普段話す言葉と同じように口語調で書いても問題ありません。
また、できるだけ読みやすい文章にし、相手に良い印象を与えるために以下のことに注意してください。
・全体的に読みやすく、すっきりした印象にするために、余白はたっぷりとる。
・こまめに改行して、書いているうちに文の中心が斜めに傾くことを防ぐ。
・絵柄が入った一筆箋を使用する場合は、絵柄に文字が重ならないようにする。
人に何かを贈る機会というのは、意外と多いものです。
贈り物を受け取る側としては、品物と一緒にほんのひと言でも手書きの言葉があると、嬉しさも増すはずです。手書きの文字には、ただ「手書きである」というだけで、愛情や人情を感じることができる価値があります。
贈り物やちょっとしたお礼の際には、ぜひ一筆箋をうまく活用してみてください。
一筆箋を書くときに気になるのが、自分の文字。同じ内容を書いていても、字がキレイだとよりいっそう、丁寧な印象を与えることができます。とはいえ、文字の癖は人それぞれ。そこでここでは、 文字の『癖』に表れる深層心理を解説します。