ベランダ菜園と庭や畑の菜園との決定的な違いは、地面の土に植えるのでなくコンテナ(鉢・容器)で栽培するという点です。育ててみたい野菜はたくさんあると思いますが、栽培が難しかったり管理が大変では長続きしませんよね。
そこでビギナーにもオススメの、ベランダ栽培が容易で、毎日の料理に重宝する野菜やハーブをピックアップ。栽培を楽しみつつ、お野菜不足も解消しちゃいましょう!
ベランダ菜園を始めるにはプランターと移植ゴテ(シャベル)、培養土と育てたい野菜の種や苗、最低限これだけあればOKです。さらにジョウロと作業時に敷く園芸シートがあると便利。道具類は百円ショップでも売られているので、必要に応じて少しずつ揃えていきましょう。
各々の野菜の育て方については、種袋の裏面に記載されていることが多いです。種袋やポット苗のラベルにあるQRコードから、詳しい栽培法が閲覧できるものもあるので、活用しましょう。また種まき時期は育てるものや地域によって異なりますが、多くの場合「春の種まき目安は八重桜が咲く頃」と覚えておくといいですよ。
初めて家庭菜園に挑戦する方にオススメは、ラディッシュ!「二十日大根」という和名があるように種まきから約1ヵ月で収穫できるラディッシュは、何もかも初めてというビギナーにとって短期で結果が見えるのが嬉しいところ。
根菜は免疫力を高めたり、胃腸の働きを整える効果があります。ラディッシュで少し野菜栽培に慣れたら、次はプランター植えに最適なミニ人参も育ててみましょう。
健康維持に欠かせない緑黄色野菜も、ベランダで栽培しておけばサッとお料理に使えますよね。ビギナーには、種まき後に芽が出る確率が高いコマツナやチンゲンサイがオススメ。たくさん芽が出てしまっても、間引きながら使うことができます。
一回の使用量は少ないものの、無いと困るのがネギ。緑の葉の部分を食べる葉ネギ(小ネギ、万能ネギ)なら、ベランダで種まきから簡単に育てられます。
大量に必要なものではないので、もし店頭でポット苗を見かけたら苗から栽培してもいいですね。
種まきで約2ヵ月後に、苗からスタートした場合は約1ヵ月後に収穫できます。
イタリアンですっかりおなじみになった、バジル。実はシソ科の植物で、以前からあった青紫蘇の親戚みたいなハーブです。ポット苗を植えれば、簡単手間いらずな植物です。一鉢あると、新鮮な香りを楽しみながら次々と葉っぱを摘み取って使うことができますよ。 また手軽な栽培キットも市販されているので、種まきからの栽培にもチャレンジしてみてください。
5月頃になると、ミニトマトの苗がたくさん出回ります。赤、オレンジ、黄色…近頃は種類も増えました。夏の収穫を目指して、1株は植えておきたいですね。苗はガッシリした接ぎ木苗を選び、支柱を立てて栽培します。花が咲き実が付きだしたら、余計な脇芽を摘んで実に栄養を集中させるのがコツです。ツヤツヤの実を思う存分楽しんでください!
早くも収穫の期待に胸を膨らませている方も多いと思いますが、ベランダで家庭菜園を楽しむ上で幾つか注意すべき点があります。
まず重要なのは、集合住宅のベランダは火災などの非常時は避難経路になる「共用部分」であるという点です。隣との境にある避難壁を塞ぐような使用方法はNGです。
また、土の入った鉢植えは、水を含むと重さを増します。ベランダ部分の耐荷重も知っておきたいですね。
ほとんどの場合この二点に注意すればベランダ菜園を楽しめますが、お住まいのアパートやマンションの管理規約によっては様々な制限を設けている場合もあるので、いま一度確認を。なお、落ちた葉が排水口を塞がないようにお掃除をするとか、水やりの際に階下やお隣に飛び散らないようにするなど、ほんのちょっとの気配りで無用のトラブルを防ぎましょう。
いかがでしたか?ベランダという限られたスペースの中でも、様々な野菜を楽しむことができます。土に触れ植物を栽培することは、知らず知らずのうちにストレスを解消したり心身のバランスを取る効果もあります。少量多品種で、いつも緑のあるベランダ菜園を楽しみたいですね!
【執筆者プロフィール】
畠山潤子(はたけやまじゅんこ):
All About「ガーデニング」ガイド。花好きな母のもと、幼少より花と緑に親しむ。1997年より、本格的にガーデニングをはじめる。ガーデニングの素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいとの思いで、ガーデンライフアドバイザーとして記事執筆や監修、講習会の講師などの活動を行う。