「スイーツコンシェルジュ交流会」とは、一般社団法人 日本スイーツ協会が年1回開催している交流会で、全国各地のスイーツコンシェルジュが一同に集う一大イベントです。「セミナー」と、「交流パーティー」の2部構成となっており、第1部のセミナーでは、代表理事の辻口博啓シェフをはじめとする、著名なシェフやパティシエなどを毎回お招きし、スイーツ業界の最新情報や、スペシャル対談などを展開。スイーツの知見をさらに深めることができる内容となっています。
「ロカボ」が、新しいスイーツのスタイルを作る!
今回、トークの中心となっていたのは「ロカボスイーツ」。ロカボとは、糖尿病の治療でも使われている「糖質制限ローカーボ」に比べて、より緩やかな糖質制限方法として、山田悟先生が提唱している呼称です(以下文中では「ロカボ」とは「緩やかな糖質制限方法」を意味します)。従来の糖質制限を、日常に取り入れやすくしたこの「ロカボ」では、制限するのは糖質のみで、カロリーやタンパク質、油は特に制限しなくてもOKとされています。
最近の栄養学では、この方法がカロリー制限以上の効果を持つことが明らかにされつつあるとも言われています。
すでに辻口博啓シェフ、鎧塚俊彦シェフともに「ロカボ」の提唱者である山田悟先生のアドバイスを受けながら、小麦ふすまや大豆粉、アーモンドパウダーといった低糖質の食材素材を使ったロカボスイーツの開発に取り組んでいるのだとか。その中でお二人が一番力を入れているのが「体に良い=おいしくない」というイメージを変えるということ。そのために素材選びや調理方法を試行錯誤されているというお話も印象的でした。お二人によって、『おいしく食べられて、しかも健康にいい』そんな夢のようなスイーツが生まれる日もそう遠くないはず。そうなれば、ダイエット中の女性もスイーツを楽しめたり、糖質を控えている方も、家族や友人と一緒にケーキを囲むこともできるでしょう。スイーツの力で今よりももっと多くの人を笑顔に……そんな新しいスイーツの可能性と未来を感じたトークショーでした。
会場には、パティシエやカフェ店員から主婦やサラリーマン、弁護士、医療関係者など、個性豊かなスイーツコンシェルジュがずらり! トークショーやパーティーでの情報交換を楽しまれていました。そんなみなさんに、交流会の感想を伺ってみました。
■「今日一番印象に残っている話は、200人の方に7~8つもロカボスイーツを食べてもらって、血糖値が微量しか上がらなかったという山田先生の実験の話です。糖質を抑えたスイーツなら、量を気にせずに食べられるという話には驚きました」(30代男性)
■「鎧塚さんがおっしゃっていた、オーストリアなどのヨーロッパではロカボスイーツがすでにスタンダードになっているという話には驚きました!」(40代女性)
■「辻口さんの『スイーツと異業種とのコラボレーションや融合』という話の中で、医療とスイーツの融合というお話は大変興味深かったです。病と闘う患者さんたちの心を元気にできるような本格的なスイーツが病院食でも出せるようになったら、医療現場に従事する私としては本当に嬉しいですね」(30代男性)
■「ロカボスイーツを作るための新しい素材のお話や、小麦粉や上白糖などを普段と違う素材で代用する場合、どんな工夫が必要か……など、鎧塚さんや辻口さんのような一流のパティシエの技術的なお話が聞けたのは非常に勉強になりました」(30代女性)
最後に、代表理事の辻口博啓シェフに本日の総括としてコメントを頂きました。
「今回の交流会でたくさんのスイーツコンシェルジュの方とお話ししましたが、スイーツとは全く違う業界や職種の方がたくさんいらっしゃったのが印象的でした。彼らのように異業界ならではの視点を持つスイーツコンシェルジュが日本のスイーツを広めていく活動をしてくれたら、私たちスイーツ業界の人間には思いつかないような発想や、想定外の相乗効果や驚きが生まれることもあると思います。異業種の方がどんどん関わることで、スイーツの新たな魅力が世界中に広がってくれれば嬉しいですね」。
今回のトークショーのテーマ「ヘルシーにスイーツを楽しむ!」は、参加したスイーツコンシェルジュのみなさんにとっても、関心の高い内容だったようです。彼らが取得した「スイーツコンシェルジュ」は、スイーツの文化、歴史、素材や製法といったスイーツの専門知識を高めることで、味覚からだけではない楽しみ方を総合的に習得することができる資格です。製菓や食品関連のお仕事をされている方はもちろん、なにより「大好きなスイーツについて学びたい」という方にとって、興味深く学べる内容となっています。
また資格を取得すれば、このスイーツコンシェルジュ交流会への参加もでき、著名なパティシエや専門家、一流ゲストとも交流できるチャンスも! スイーツ業界における交流の輪を広げることができます。スイーツコンシェルジュは「スイーツの世界をもっと広めたい」という方にはピッタリの資格です。あなたも、楽しく「スイーツな学び」スタートしませんか?
後編では、交流会の第2部の様子をお伝えします。
※辻口博啓シェフの「辻」は、本来一点しんにょうですが、環境依存文字のためパソコンの環境によっては二点しんにょうで表示される可能性があります。