せっかくベランダがあるのに、「洗濯物を干すだけ」「荷物置き場になっている」というご家庭が多いそうですが、ベッドルームやリビングに隣接するベランダを活用できれば、使える床面積が増えるため、もっと広々と暮らせるんです。活用次第では、もう一部屋増えるくらいの効果があるのだとか!
外で過ごす、というと、庭に出るとか、ピクニックに行くとかをイメージしますよね。でも実際にお出かけするとなると、準備もそれなりに大変。そんな時はぜひベランダの活用を。アウトドアの面倒な部分は置いておいて、いいところだけを味わう「グランピング」気分を味わえます。
小さなガーデニングスペースを作ったり、小さなテーブルを置いてお茶してみたり、夜にはランタンを灯して映画みたいなワンシーンを作ったり、使い方をちょっと変えるだけで、全然違った暮らしが作り出せるんです。では実際にどうしたらいいのか、具体的な3つのアイデアを見てみましょう。
その1.ウッドデッキを敷いて、視覚的に部屋を広げる
ベランダは、多くがコンクリートむき出しのグレーですよね。いかにも「外に作業スペースつけときました」というふうな印象だとしたら、使う気も起きません。まずはベランダにウッドデッキを敷きましょう。このとき、リビングの床に近い色を選ぶのが重要なポイント。同系色の空間が増えることで、部屋が広がったように見えます。今までカーテンで仕切られていたベランダ側の空間もリビングの一部、と考えると、かなりゆとりのあるお部屋になりますよね。
その2.小さなラグや小さな家具を有効活用
ベランダに気軽に出るための工夫のひとつとして、使う時だけラグを敷き、簡単に持ち出せる小さな家具を用意する方法があります。ウッドデッキが敷いてあれば小さなラグを敷いて、クッションを並べ、トレーにお茶の道具を用意するだけで素敵なリラックススペースが出来上がります。スペース的に床に座り込むのが難しければ、折り畳み式のテーブルと椅子を用意すると、映画みたいな素敵空間のできあがり。
それも厳しい場合は、丸いスツールをふたつ。片方は座るため、片方はテーブル代わりに。重ねて収納できるスタッキングスツールを窓際に置いておけば、出し入れも楽だし、使う時にいちいち拭いたりしなくて楽。また、ベランダ専用の可愛いバブーシュ(かかとを踏んで履けるシューズ)を用意して、こちらも窓際に置いておくと良いそうです。
その3.ランタンやガーランドなどの小物で気分を上げる
SNSにアップしたくなるようなベランダは、ランタンやガーランド(花やフラッグを連ねた飾り)で作ります。最も簡単なのはランタン。ちょっとクラシックな印象の電池式のLEDランタンは、グランピング感が出るのでオススメ。ランタンと考えると大げさかもしれませんが、キャンドルと思えば気軽に使えます。いざという時には防災用品にもなる点が良いですね。
また、実際に外には出なくても、ベランダ側の壁を飾り、それを部屋の中から眺めるだけでも、奥行きによって部屋が広く感じられます。ベランダの壁がちょっと圧迫感があってツライ、という場合は、ガーランドで飾ってみてはいかがでしょう。併せてグリーンなども配置すると、より素敵さがUP! ガーランドにも電池式LEDのものがあるので、夜の小さなテラスを演出してみるのもオススメです。
いかがですか? ベランダの活用って意外に簡単そうですよね。いままで物置ぐらいにしか考えていなかったなら、上記のアイデアを試してみては? カーテンを閉めっぱなしで普段はベランダの存在が見えていない、ということほどもったいないことはありません。ぜひ窓を開けて一歩踏み出し、爽やかな風を浴びながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてください。
【執筆者プロフィール】
くろだあきこ
All About「インテリアショップ」ガイド。実家にあった「暮しの手帖」のバックナンバーを眺めて育ち、「住まい」や「暮らし」のことを考えるのが大好きだった子供時代。国立高専から大学院まで、ずっと建築を専攻。インテリアコーディネーターの資格を持ち、インテリアショップめぐりが趣味のひとつ。現在は会社勤めをしながら、フリーのライターとして雑誌づくりなどに携わる。