フランス料理など、西洋料理のフルコースは料理が提供される順番が決まっているため、料理の種類とマナーをセットで覚えておけば、難しく考えなくても大丈夫です。国によって様々な種類の料理とマナーがありますが、今回はフランス料理をメインにご紹介していきます。
まずは、ドリンクのオーダー。リストにあれば「とりあえずビール」のオーダーをしても問題ないのですが、その日のメイン料理に合わせてワインを選ぶと、スマートで素敵です。
肉料理やクリーム系などコクのあるものには赤ワイン、魚料理やさっぱりしたメニュー、甘いものには白ワインを選ぶのが一般的。ワインの種類がたくさんあって迷ってしまう場合は、ソムリエに好みを伝えてオススメを聞きましょう。この時大体の予算を伝えると、金額の心配をせず安心していただくことができます。
オーダーが済んだら、ドリンクや料理が運ばれてくる前に、机の上に置いてあるナプキンを膝に二つ折りにして掛けましょう。オーダー前に広げてしまうと、「とてもお腹が空いている。早く料理を持ってきて」と言っているように見られてしまうので、気を付けましょう。
ただし、ナプキンがお皿の上に乗せてある場合は、着席してすぐに掛けてOKです。これは、メニューを広げた時にナプキンとメニューが当たるのを防ぐためです。
次にスープの飲み方ですが、「イギリス式」と「フランス式」の2種類があり、それぞれスプーンの運び方が異なります。手前から奥にスプーンを運ぶのが「イギリス式」。奥から手前にスプーンを運ぶのが「フランス式」です。フランス料理の際は奥から手前にスプーンを運ぶのが正しいマナーですので、注意しましょう。
持ち手がついたカップで提供された場合は、カップに直接口をつけても問題ありません。どちらの場合も、ズルズルと音を立てて飲むことのないよう注意しましょう。
そしていよいよ、メイン料理です。メインの料理は肉でも魚でも、必ずその都度左端から一口サイズに切りながら食べましょう。都度切り分けて食べると、料理を温かい状態でいただくことができますし、見た目も美しいです。はじめに全てを切り分けてしまうのはマナー違反に当たりますので、気をつけましょう。
貝殻のついた料理が出てきたときは、手を使っても大丈夫です。殻を片手で持ち、フォークで身をひねって取りましょう。
食事が終わったら、フォークとナイフの先がお皿の左上に向くように、お皿の右側に斜めに揃えて置き、ウェイターを待ちましょう。フォークとナイフを揃えて置くことで、食事が終わったことの合図になります。この時、ナイフの刃を内側にするのをお忘れなく。ナイフの刃が外側を向いていると「敵意がある」と思われてしまいます。
和食店に行く際のマナーの1つに、服装が挙げられます。女性の場合、ミニスカートや胸元の大きく開いたトップスなど、露出が多い服装は避けましょう。また、正座がしにくい服装や、夏でも素足はマナー違反です。
そして、和食を食べる上で欠かせないのが「正しい箸の扱い方」です。どれを食べようかな、と迷うように料理の上で箸を動かす「迷い箸」や、箸で器を引き寄せる「寄せ箸」、食事の途中にお椀などの上に箸を置く「渡し箸」などは無作法に当たります。食事中に箸を置く必要がある時には、箸置きを使用するか、箸袋を折って箸置き代わりにすると良いでしょう。
複数の料理が少しずつ盛り付けられた盛り合わせ料理は、左側から右側にかけて味が濃くなるように配置されています。食材の味を楽しめるように考えられた配置なので、左側から食べるようにしましょう。
ただし小鉢の場合は、1つのお皿を集中的に食べることは良くないとされているため、順番に小鉢をまわって食べることをおすすめします。また香の物などは、三口程度にわけて食べることが美しいとされています。
フランス料理を食べるとき、意外とやってしまいがちなのが「パンにスープやソースをつける」食べ方。これはフランス料理ではご法度です。ちぎったパンにつけるのは、バターナイフで塗るバターだけにしましょう。ただ、イタリアンなどではOKな場合もあるので、お店や料理に合わせましょう。
また、基本的には日本の蕎麦のように音を立てて食事をすることは下品であると認識されています。スープでも、パスタでも、コーヒーでも、すすったり音を立てて食べるのはマナー違反ですので、気を付けてください。
和食を食べる時に気を付けておきたいのが、椀物のフタの扱い方。フタのついた椀物が出てきたら、すぐにフタを開け逆さにして右端に置きます。食べ終わったらフタを元の位置に戻しましょう。戻す時にフタを逆さにする方がいらっしゃいますが、逆さにするとお椀を傷つけてしまうこともあるため、マナー違反に当たります。
また、左手を受け皿のようにする「手皿」は、一見上品に見えますが実はマナー違反。左手にはきちんと小皿を持ちましょう。極力おしぼりを汚さないように努めることも1つのマナーです。
いかがでしたか?テーブルマナーというのは、本来食事の時間を美しく優雅に楽しむために決められたマナーです。マナーに執着し過ぎてしまい、料理を楽しめないとなると本末転倒ですが、知っておいて損な知識ではありません。
マナーを守ることは大人のたしなみでもあります。日頃小さなことから意識して食事をすることで、テーブルマナーを向上させていきましょう。
今回はいろいろな文化の料理を俯瞰する形で、テーブルマナーをご紹介しました。が、そういった中でも特に見落としがちなのが、「日本食」のマナー。普段食べ慣れているからこそ、意外と正式なマナーは知らない、という場合も多いのではないでしょうか。そこでここでは さらに詳しく、「これだけは知っておきたい和食のマナー」をご紹介します。