「シュッシュと磨いて、歯をピッカピカにしようね!」……子どもを前に、こうしたオノマトペを使うことがありませんか?
オノマトペとは、「シュッシュ」といった音を表す「擬音語」と、「ピッカピカ」といった物事の様子を表す「擬態語」の総称です。「オノマトペ」という言葉自体はフランス語由来の外来語ですが、日本語は元々豊かなオノマトペを持つ言語として知られています。
オノマトペの面白さは、表現がより鮮やかとなり、相手の心に伝わりやすくなること。たとえば、「歯を磨いてきれいにしようね!」よりも、「シュッシュと磨いて、グジュグジュペーして、ピッカピカにしようね!」と言った方が、特に小さな子どもの心には、届きやすいものです。
1:言語の発達を促す
オノマトペは、音や物事をそのまま描写するという点で、通常の言語とは大きく異なります。
たとえば、子どもが初めて「犬」を見たと想像してください。目の前の動物と「イヌ」という言葉の繋がりは、「これはイヌよ」と何度か示されない限り、全く理解できないはずです。ところが、「これはワンワンよ」とオノマトペで示されるならば、目の前の動物が発する音がそのまま表されていますから、言葉との繋がりをより学習しやすいのです。
そのためオノマトペは、幼児の言葉の発達を促進することが分かっています(※)。
2:観察力、想像力、表現力が高まる
オノマトペを用いると、たとえば「雨が降る」という表現についても、「ザーザー降る」「ポツポツ降る」「シトシト降る」など、さまざまな雨の降り方を表すことができます。
また、「ザーザー」と大きな声で身振りを混ぜたり、「ポツポツ」とささやくような声で話したりすることで、より臨場感のある様子を描くこともできます。
幼児はオノマトペに触れることで、こうして周りの物事を観察する力や、さまざまな情景を想像する力、そして表現力を培うことができます。
3:注意をひきつける
「お皿が割れたら危ないから気をつけてね」よりも、「お皿がパリーンと割れて、床にガシャーンと落ちたら危ないから気をつけてね」と話した方が、幼児の注意をひきつけやすいもの。
オノマトペを用いることで、次から次へと興味の移り変わる幼児の関心も、しっかりとひきつけることができます。
4:楽しい気持ちになる
オノマトペは、聞いていても話していても、リズミカルな情感にあふれ楽しいものです。
たとえば「電車が来て踏切が閉まります」という言葉も、「シュッシュッポッポー、電車が来ます。カ~ンカ~ン、ス~と踏切が閉まります」と表すことで、子どもたちも、より生き生きと想像の世界を楽しむことができるでしょう。
※杉村智子・西村真実・石田慎二・岡澤哲子『保育におけるオノマトペ表現の役割と有効性 ―遊び場面における幼児へのことばがけの分析』帝塚山大学現代生活学部子育て支援センター紀要 第2号
1~2歳
乳幼児は好奇心の塊です。興味を示す身の回りの物事を、たくさんのオノマトペを使って表してあげましょう。道行く車に興味を示したら、「ブッブー、ブルンブルン」、水を触って遊ぶ子には、「ピッチャピッチャ」と繰り返してあげます。
3~4歳
簡単な単語を組み合わせられるようになる時期です。「ブッブーって車が走っていくね」「お水がピッチピッチはねてヒンヤリ冷たいね」など、オノマトペを盛り込んだ文章を用いて話しかけてあげましょう。
5~6歳
オノマトペを用いて周りの物事を表す遊びをしてみましょう。たとえば、風に揺れる草木を見ながら、「ソヨソヨ」「ユラユラ~」「ザッザザッザ」「サワサワ」など、いろいろなオノマトペのアイデアを出し合ってみます。
また、「日本語で雄鶏はコケコッコーと鳴くけれど、英語ではコッカドゥードゥルドゥー、イタリア語ではキッキリキー」など、世界中の異なるオノマトペについて調べてみるのも、言語感覚が磨かれる楽しいプロジェクトです。ぜひ、あなたもお子さんと一緒に、オノマトペを楽しんでみてくださいね。
子どもの言葉の発達を促し、観察力や想像力、表現力を高める効果が期待できるオノマトペ。「ももくろちゃんZ 音育絵本 みつけて!オノマトペ」では、そんなステキなオノマトペが、絵本の中に1200ヵ所も隠れています。
オノマトペを探すために使うのは、かわいいデザインの「音声ペン」。このペンで、絵本の中に隠されたポイントをタッチすることで、ももくろちゃんZによるオノマトペが流れる、という仕組みです。
「音声ペンでオノマトペを探す」という「参加型」の絵本なので、受け身になってしまいがちな普段の読み聞かせに比べて、子どもたちの集中力もアップ!また、手を動かすことで、脳の活性化も期待できます。
絵本の中に収録されている、全15作品(118分)の読み聞かせ、オノマトペ400語(1200ヵ所)は、すべてももくろちゃんZが録りおろし。ここでしか聞けない5人の声……ということで、知育商品としてはもちろん、ファンにとってもうれしいアイテムです。