──どのようなきっかけでミスインターナショナルに応募したんですか?
当時所属していた芸能事務所に薦められたからです。ちょうど大学4年生で、芸能関係の仕事をこのまま続けるか、きっぱり辞めて就職するかの瀬戸際だった時期で、将来の踏ん切りをつけるため応募しました。
──応募してからはどのような努力を?
私の強みである『身体づくり』は、ダイエットも含めて相当量やった記憶があります。中学校から高校まで陸上部で、今でも走るのは大好きです。
ただ、そういうフィジカル面での努力よりは、「ミスインターナショナルに選ばれたら、どう社会貢献をしていきたいか?」「そもそも社会貢献とはなんなのか?」などと、自分自身をとことんまで見つめ直すメンタルトレーニングに重点を置いていました。選考項目にはスピーチもあったし、そこをきちんと見据えていないと日本代表には選ばれない、と考えていたんです。今までの人生の中で、もっとも真剣に『自分』と向かい合った時期かもしれません。そして、このときの『自分探し』が今の私に活きているのは間違いないと思います。
──日本代表として世界大会に出場し、世界中の『一流の女性』と出会ったときの印象は?
「女性が社会で活躍できるために、自分はこういうことがしたい」という意志の強い人が多かった。18歳で社長兼大学生なんて女性もいましたし、「出身の国が貧しく、私がミスになることで国が豊かになる」と、まさに国家を背負って出場している女性もいました。自国の政治経済の状況やインフラなどにも詳しくて、ハタチそこそこの子たちがそういう議論で白熱しているところを見て、自分もなにかを変えなきゃと焦るばかりで……。
正直、世界大会から帰ってきたときは、自分の未熟さとカルチャーショックに打ちのめされ、1年くらい鬱状態になってしまいました(笑)。
──どうやって、その『どん底の状態』から立ち直ったのでしょう?
とりあえずもう一度、「自分が本当に好きなことはなに?」「自分の本当の強みはなに?」……と、改めて自分を徹底的に掘り下げてみました。
そこで行き着いたのが『スポーツ』と『美容』──それらを通じて自分が体感したことをアウトプットして、女性を応援していきたい……。さらに、その想いを実際の行動に移す段階で重要と感じたのが「資格」でした。
仮に私がなにかの知識に精通していても、資格があるのとないのとでは安心度と信頼度が全然違ってくると思うんです。だから、2013年頃からなにか資格を取得してみようと心機一転、決意しました。
──最初に取得した資格はなんですか?
器具を使ったスポーツインストラクターの資格を取ったんですけど、そうすると、今度は生理学や栄養学とかも勉強したくなって、トレーニング理論を勉強する資格も取って、さらにはウォーキングを教える資格も……と、次第に学びたい資格が広がっていくんです。
このような試行錯誤を重ね、女性の美をメンタル・フィジカル・ライフスタイル、それにお洒落の面でもサポートする『トータルビューティデザイナー』として、自分のキャラクターがようやく確立されたのが去年あたりからでした。
──現在お持ちの資格数は、いくつですか?
カラーや骨格など多方面からファッションをコーディネイトするものから、船舶関係まで、あと、普通自動車免許も含めたら(笑)15くらいかな?
ともすれば、器用貧乏と捉えられがちなのかもしれません。たしかにランニングならランニングだけに特化するほうが「売り」としてはわかりやすいですから。でも、遠回りにはなるけれど、結局はすべてが複合的に『美』へとつながっていくので、私はこれでいいと確信しています。
──村山さんご自身がとても美しいので、とても説得力がありますよね。その『美の秘訣』を教えてください。
ありがとうございます。でも、実はそこまで大したことはやっていないんですよ(笑)。食事に関しては、お米も食べるし、お酒も飲みます。ただ、肌荒れしたら揚げ物は控えたり、たくさん運動したら筋肉を落としたくないので、タンパク質を多めに摂る。自宅で大人しくしているときは食べる量を抑える……。
バランスは考えるけど「絶対に○○は食べない」という我慢はしないようにしています。
あと、歩くときは正しい姿勢を意識するようにしています。それだけでかなり有効なダイエットになるんですよ。これはウォーキングの勉強をしているときに学びました。
──村山さんの今後の目標は?
まず、「トータルビューティ」を提唱するには、現状、食の面が比較的浅いので、食関係の新しい資格を目指して(笑)、もっとがんばりたい。雑穀や野菜の知識を中心として、美容に良い食事について勉強してみたいですね。
次に、トータルビューティデザイナーとして、もっとひとり一人にアプローチできる手段を模索していきたい。その手段がDVDや書籍にまとめるのか、メディア出演というかたちになるのかはまだわかりませんが……。
そして、いずれは「トータルビューティサロン」みたいなものをつくるのが夢。運動をするにもエステをするにも別々のサロンや教室に行くより、一つにまとまっているほうが合理的だし、面倒臭くもないですしね(笑)。
──では、最後に一言お願いします。
本当の「美しい女性」とは、自分に自信を持てる女性。そういう女性は必ず人に優しいし、他人のためになにかをやれる人です。決して難しいことではありません。些細なことでもかまわないから、背中をポンと押してくれる『なにか一つ』を自分の中に発見できれば、誰だってすぐ「美しく」なれると私は思います。
「私の場合、資格を取って『自分にもなにかやれるかもしれない』という可能性を見いだせたことが自信につながった」と村山さんは語ります。加えて、「結婚願望も出産願望もある私にとって資格は、たとえ出産で仕事を一時休止しても、すぐに復帰できる大きな武器」だとも言います。とにかく興味を持ったら、「でも」や「だって」の言い訳をつける前に動くべき──この行動力こそが村山さんの『美の秘訣』なのかもしれません。
村山和実(むらやま なごみ)さん/27歳
トータルビューティデザイナー・モデル・タレント
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