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2017.06.20

引用のルールや書き方って?意外と知らない著作権豆知識

引用のルールや書き方って?意外と知らない著作権豆知識

Webサイトや書籍、雑誌の文章を引用する際の正しい方法をご存知でしょうか。引用のルールや書き方を知っていれば、著作権のトラブルを未然に防ぐことができます。そこで今回は、意外と知られていない著作権の豆知識をご紹介します。

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著作者人格権と著作財産権

著作権は、知的財産権(自分が創作したものを無断利用されない権利)のひとつです。著作者の権利は、人格的利益を保護する「著作者人格権」と財産的利益を保護する「著作財産権」の2つから構成され、著作物を創作した時点で自動的に付与されます。

著作者人格権は、他人によって著作物を無断で公表されない「公表権(著作権法第18条)」、著作物公表時に著作者名の表示方法を決められる「氏名表示権(第19条)」、著作物の内容やタイトルを無断で改変されない「同一性保持権(第20条)」の3つがあります。著作者人格権は、譲渡や相続をすることはできません。

一方、著作財産権は複製権(自分が創作した著作物を無断複製されない権利、第21条)」などの権利を含み、一部または全部を譲渡や相続することが可能です。

著作権の保護期間

著作者人格権は著作者だけが持つ権利であり、著作者が死亡した場合は権利が消滅します。つまり、著作者人格権の保護期間は著作者が生存している期間です。

著作財産権の保護期間は、著作者の死後50年が原則(第51条)とされます。
ただし、著作物の種類によっては例外があります。例えば、「映画の著作物」は例外的に公表後70年(創作後70年以内に公表されなければ創作後70年、第54条)です。

著作権の権利制限規定

他人の著作物を利用するときは、原則として権利者の了解を得る必要がありますが、例外的に了解を得ずに利用できる「例外規定(権利制限規定)」が設けられています。

例えば、「私的使用のための複製(第30条)」は著作権法上認められており、家庭内などの限られた範囲で、仕事以外の用途で使用する本人が複製する場合、権利者の了解は不要です。インターネット上の著作物のダウンロードや印刷も複製に該当しますが、私的使用のためであれば問題ありません。ただし、「違法なインターネット配信による音楽や映像と知りながらダウンロードしない」「使用する本人がコピーする」などの条件があるので注意しましょう。

正しい引用のルール

正しい引用のルール

著作物の引用についても、著作権の例外規定(第32条)があります。ただし、引用する際は出所の明示が必要(第48条)です。

【著作物の引用条件】

1.公表された著作物であること
2.
公正な慣行に合致すること
3.
報道、批評、研究などの引用の目的上、正当な範囲内の引用であること
4.
出所の明示(複製以外はその慣行があるとき)があること

2の「公正な慣行に合致すること」とは、引用を行う必然性があること、さらに言語の著作物については引用部分がかぎかっこなどで明確にされていることなどを指します。

3の「正当な範囲内の引用であること」とは、引用部分とそれ以外の部分との間に質的・量的な主従関係があること、および引用する量が必要最小限度であることです。引用部分が著作物全体に占める割合が小さいからといって、必ずしも主従関係があるとは認められないため、気を付けなければなりません。

ブログで引用を行う際のポイント

ブログで引用を行う際のポイント

最近は趣味でブログを書いているという方も大勢います。ブログで他の人が書いた文章を引用するときは、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。

1つ目のポイントは、引用する文章を勝手に変更しないことです。
他人が書いた文章の一部または全部を、著作者の了解を得ずに改変することは、同一性保持権の侵害に当たります。

2つ目は、引用部分の出典を明示することです。
インターネット上の文章から引用する際は、サイト名やURLを掲載しましょう。書籍や雑誌の場合、著作者・書名・雑誌名・ページ数を記載します。出典の明示によって、読み手に安心感を与えられることも期待できます。

3つ目は、引用する文章とそれ以外との文章をはっきり区別することです。
他人が書いた部分はかぎかっこでくくり、自分が考えた文章との違いが明確に分かるようにしてください。ブログの場合は、引用部分をかぎかっこでくくる方法の他、blockquoteタグなどの引用タグで囲む方法もあります。

知的財産権を学んで、トラブルを防ごう

最近はインターネットを通して、他人の著作物を簡単に複製できるようになりました。しかし、著作権に対する理解が不十分なため、意図せずに他人の権利を侵害している方も少なくありません。トラブルから自分の身を守るためにも、著作権を含む知的財産権に関して学ぶことをおすすめします。

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