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2019.11.12

市販薬との飲み合わせNGの食べ物、飲み物とは?薬のアドバイザー登録販売者が解説

市販薬との飲み合わせNGの食べ物、飲み物とは?薬のアドバイザー登録販売者が解説

ドラッグストアや薬局で手軽に買える市販薬 (OTC医薬品)ですが、食べ物や飲み物、薬同士の飲み合わせを間違えてしまうと、思い通りの効果が得られなかったり、副作用が出たりすることをご存じでしょうか。そこで今回は、薬のアドバイザーである登録販売者の資格を持つ黒川あさひさんに、薬の飲み合わせのNG例など、薬との正しい付き合い方を教えていただきました。

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セルフメディケーション、知っていますか?

セルフメディケーション、知っていますか?

健康への意識が年々高まるなか、最近話題となっているのが「セルフメディケーション」。これは、健康管理習慣の見直しをはじめ、ドラッグストアや薬局で売られている市販薬をうまく利用することで、自身の健康管理(疾病予防や軽度な身体の不調の手当)を行う取り組みのことです。セルフメディケーションを実践する上で必要なこと、実践することのメリットを黒川さんに伺いました。

「セルフメディケーションを実践するためには、病気や薬についての正しい知識を身に付けることが必要です。例えば自分がよく使う市販薬に関しては、用法・用量や注意・禁止事項を確認しておくこと。そのほかにも、自身に起こりがちな症状(発熱・鼻水・喉の痛み・咳など)はもちろん、自分にとって相性の良い薬を把握して適切に使うことが大切です」(黒川あさひさん)

「仕事や育児、介護が忙しく、なかなか病院に行く時間がつくれない方も少なくないと思います。そんな時に活用できる制度、それが『セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)』です。2017年1月よりスタートした制度で、控除を受けるには、健康維持等に関し、一定の取り組み(健康診査、予防接種を受けるなど)をしていることが条件ですが、対象医薬品の購入が年間12,000円を超えた時、超過分は税金の控除を受けられるようになりました」(黒川あさひさん)(※1)

注意したい飲み合わせ 食品編

注意したい飲み合わせ 食品編

「セルフメディケーションを実践しよう!」という場合に気を付けたいのが、薬の効果をきちんと引き出す方法。そこで、黒川さんに注意するべき薬の飲み合わせを伺いしました。

便秘薬と牛乳・乳製品(ヨーグルトなど)

「牛乳などの乳製品には、胃液の酸を中和する働きがあります。一方で便秘薬の多くは酸性では溶けず、中性で溶けるように作られています(腸を刺激して排便を促すものなので、胃で溶けてしまっては効果が得られなくなるからです)。つまり、便秘薬と乳製品を飲み合わせることで、腸で溶けるはずの成分が胃で溶けてしまう。便秘薬にはビサコジルという作用の強い成分が含まれているため、満足な効果が得られないことはもちろん、吐き気や胃痛といった症状を引き起こす場合もあります」

総合風邪薬と栄養ドリンク

「実は、これもNG。風邪薬の中にはカフェインが含まれているものがあり、同様に栄養ドリンク(医薬部外品)の多くにもカフェインが含まれます。カフェインには疲労感や倦怠感を和らげる効果がありますが、過剰に摂取すると頭痛や不眠症、めまい、吐き気、心拍数の増加などにつながることも。お茶なら大丈夫と思われるかもしれませんが、緑茶などにはカフェインが含まれているのでご注意ください」

高血圧の薬とグレープフルーツ

「高血圧などの治療薬であるカルシウム拮抗薬。その一部は、肝臓にある酵素で分解されます。一方で、グレープフルーツの果肉に含まれる成分には、代謝酵素を阻害する働きがあります。つまり、薬と同時にグレープフルーツを摂取すると、薬がいつまでたっても分解されることなく肝臓内に留まり続けるため、強い効果が出る可能性があり、結果として血圧の異常な低下や頭痛、めまいなどの症状を引き起こすことがあります」(黒川あさひさん)

注意したい飲み合わせ 薬編

注意したい飲み合わせ 薬編

総合風邪薬と咳止め薬

「総合風邪薬は、風邪の症状を全体的に緩和させる薬。そのため解熱鎮痛・咳止めなど、あらゆる諸症状に効く成分が入っています。総合風邪薬を飲んだ後に「咳がひどくなってきたから」と咳止め薬を飲む。すると成分が重複してしまい、効き過ぎや副作用が出る恐れがあります。そうならないためにも初期の段階で、発熱を抑えたいのか、咳を止めたいのか、鼻水を止めたいのかなど…どこを改善したいのかを明確にし、それぞれの症状に合った薬を選ぶことを心がけましょう」(黒川あさひさん)

鼻炎薬と乗り物酔い薬

「市販されている鼻炎薬の多くには、抗ヒスタミン剤という成分が含まれており、同様に乗り物酔い薬にも抗ヒスタミン剤が含まれます。眠気をもよおす成分が重なることにより、副作用として眠気が強く出るため、高所など危険な場所で作業する方、重量物を扱う作業をする方などは、思わぬ事故や怪我の恐れがあるので使用を控えてください。また、総合風邪薬や咳止め薬・アレルギー薬にも同様の成分が含まれています」(黒川あさひさん)

医療用医薬品と市販薬

「医療機関での受診後に保険薬局などで調剤を経て処方される薬は、診察した時点の症状に合わせて種類や量が決められたもの。もし追加で市販薬を服用したい時やどうしても別の薬を使用したい場合は受診した病院や薬剤師、またドラッグストアや薬局にいる登録販売者に相談することをおすすめします」(黒川あさひさん)

薬を選ぶ時、飲む時に気を付けるポイントはコレ!

薬を選ぶ時、飲む時に気を付けるポイントはコレ!

市販薬を選ぶ時、より効果的な飲み方が気になるところ。黒川さんに薬の選び方や適切な飲み方を伺いました。
「『CMで見たことがあるから使ってみよう』『値段が高いから効くかも』など、選び方は人それぞれあると思いますが、きちんと症状に合った薬を選びましょう。分からなかったらドラッグストアや薬局にいる登録販売者や薬剤師に『こういう症状なんですが、この薬で良いですか』と聞いてください。質問を繰り返すうちに薬選びのポイント、症状に関する知識も身に付いてくるはずです」(黒川あさひさん)

「また、薬を飲む時は、コップ一杯の水を飲み切るようにしましょう。水の量が少ないと薬が食道に引っ掛かってしまい、炎症を起こすことがあります。さらに飲む時間も大切。食前は食事の30~60分前、食間は食事をしてから2時間後、食後は30分以内と決まっています。正しい時間に飲むことで、薬はより高い効果を発揮します。飲み忘れたからといって『2回分まとめて』は絶対にNG。時間が空いている時は気付いた時点で1回分を飲んでしまっても構いませんが、時間が空いていない場合は1回分だけ飲む。効果が倍になるということはまずありません。ご注意ください」(黒川あさひさん)

薬や病気の知識を身に付けることは、自分や家族の健康を守ることでもあります。この機会に、ぜひ「薬との向き合い方」を見直してみるのはいかがでしょうか。

参考
※1:厚生労働省 セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について 参照

取材協力
黒川あさひ(くろかわあさひ)さん
仕事と育児に奮闘中の2児の母。結婚生活でのエピソードや、他にもいろいろな体験談を書いたブログを運営。一人目の育休中に2カ月間の勉強で、登録販売者の試験に合格。勉強法についての記事も執筆。
  
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