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2019.10.17

マルチタスクよりシングルタスクの方が仕事を効率化できる?生産性を高める仕事術をご紹介

マルチタスクよりシングルタスクの方が仕事を効率化できる?生産性を高める仕事術をご紹介

一見、効率良く仕事ができるように見えるマルチタスクですが、近年は一度に一つの仕事を集中して行うシングルタスクが見直されています。そこで、マルチタスクとシングルタスクを比較しながら、集中力を発揮して生産性を高める効率の良い仕事術を紹介します。

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効率良く仕事ができる人はマルチタスク?シングルタスク?

効率良く仕事ができる人はマルチタスク?シングルタスク?

なるべく効率的に仕事をして生産性を上げたい。これは多くの人が意識していることでしょう。では、効率良く仕事ができる人とそうでない人とでは、何が違うのでしょうか。今回は、記憶術や勉強法の専門家・宇都出雅巳さんに、仕事の効率化にまつわるお話を聞きました。

会社などにおいて「できる人」と認識されることが多いのが、複数の作業を同時に、もしくは短期間に並行してマルチタスクをこなす人。 しかし宇都出さんは、一般的にマルチタスクとして捉えられているものは、本当の意味ではマルチタスクではないと考えています。

「マルチタスクと呼ばれているものは、実はシングルタスクの切り替えでしかないんです。例えば、何か他の作業をしているときに、パッとメールを返信したとします。それは同時並行で処理しているというよりも、今やっていることを中断して他の作業の割り込みを許している状況です。すなわちシングルタスクを、優先順位をつけて一つずつ処理していることになります。人のワーキングメモリー(作業記憶)は意外と少ないもの。一度に注意できる範囲は限られているので、いくつかのことを同時に行うのは、簡単ではありません」(宇都出雅巳さん)

実はマルチタスクは効率が悪いかも!?

実はマルチタスクは効率が悪いかも!?

さらにマルチタスクは必ずしも効率的ではないと、宇都出さんは加えます。

「先に述べたように、マルチタスクはいくつかのシングルタスクを切り替えて行っている状況です。切り替えのときには必ずロスが発生します。ロスというのは、元のタスクに戻るときに、必要な情報を思い出すために費やす時間のこと。このロスの積み重ねが、仕事の生産性を下げてしまいます。一つのタスクを終えてから次のタスクに取り掛かる方が、効率が良いと言えますよね」(宇都出雅巳さん)

ただし、それぞれのタスクを頭で考えるより先に、体で自然に処理できるくらいまでのレベルに達していれば、マルチタスクをうまく回すことができるそう。

「人間が頭で考える処理を同時に行うことはまず不可能ですが、体が覚えている状態まで落とし込んだ行動は、マルチタスクとして処理できます。例えば商品知識が乏しい営業の方がいたとしましょう。お客様に商品について聞かれたときに『あれ何だっけ?』とあたふたしていると、そこで記憶を思い出すために、ワーキングメモリーを使ってしまいます。さらに、お客様のちょっとした表情の変化に気づかずに商機を逃してしまうかもしれません。あらかじめ基本をしっかり身につけておけば余裕ができるので、仕事の質も生産性も上がります」(宇都出雅巳さん)

シングルタスクのメリットとは?

シングルタスクのメリットとは?

マルチタスクに対して、切り替えのロスがないシングルタスクは、他にどのようなメリットがあるのでしょうか。

「シングルタスクのメリットは、『ゾーン』に入りやすいことです。『ゾーン』とは一つのことに集中している極限状態のことで、マルチタスクでは到達不可能な領域です。一瞬ではたどり着くことはできません。深く考えて、煮詰まって、ようやくその先にあるフッと集中できる境地にいけるのです。ですから、集中する時間をある程度まとめて取ることが大切です」(宇都出雅巳さん)

シングルタスクが特に向いているのは、頭を使う「思考系」の仕事だとか。

「仕事の種類にもいろいろあるので、まずは自分の仕事の内容を見極めましょう。経費の精算やメールチェックなどの『処理系』の仕事は、パッパッと作業を切り替えるマルチタスクでもできるでしょう。対して、企画を立てたり文章を書いたりするなど、深く考える『思考系』の仕事は、マルチタスク化しないようにまとまった時間を取るべきです。仮に中断してしまったら、せっかく考えが煮詰まっていたところから意識が抜けて、ロスの時間が発生します。他のタスクの割り込みをいかに排除するかが大切です」(宇都出雅巳さん)

シングルタスクにおいても、注意点があるようです。

「全然集中できていないのに、今はこれしかやらないと頑なになっても、生産性を下げてしまいます。そういうときは思い切って別の作業に取り掛かるべきですね。また、先に進めておいた方が後々スムーズに進むことは他の人にお願いして、自分のところで仕事を止めないようにしましょう。重要なのは、生産性を上げるために自分が今、何をするべきかをきちんと考え整理することです」(宇都出雅巳さん)

シングルタスクで仕事を効率化しよう!

シングルタスクで仕事を効率化しよう!

最後に、シングルタスクで仕事を効率化するコツについてまとめていただきました。

「作業が中断されるとどうしても集中力は切れてしまいます。そのため、『思考系』の仕事をするときは別室に行く、スマホを手の届かないところにしまうなど、邪魔をされない環境を作ることが大切です。また、限られたワーキングメモリーを余計なことに使わないように、気になっていることは書き出すなど、いったん頭の外に出しておくと良いでしょう。まとまった時間が必要な仕事は、分解して考える癖をつけると良いと思います。そうすると、最初に何をすべきかが具体的になり、タスクを一つずつ処理することができます」(宇都出雅巳さん)

一つのタスクを集中して処理するシングルタスク。そこには仕事を効率化するヒントが隠されています。これを機に、自分の仕事の進め方を一度見直してみてはいかがでしょうか。

取材協力
宇都出雅巳(うつでまさみ)さん
トレスペクト教育研究所代表。1967年生まれ。東京大学経済学部卒。出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立し、トレスペクト経営教育研究所(現・トレスペクト教育研究所)を設立。30年にわたり、記憶術と速読を実践研究し、脳科学や心理学、認知科学の知見も積極的に取り入れた独自の勉強法を確立。受験生・ビジネスマン向けの講座・個別指導を行うほか、企業研修や予備校講師の指導も行う。主な著書に、『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』(クロスメディア・パブリッシング)がある。
  
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