デスクワークが中心の事務職は、体力的な負担が少なく、長く続けやすい仕事と言えます。また、フルタイムの正社員から、派遣、パートなど働き方もさまざまで、家事や育児と両立しながら働きたいという女性にもぴったりです。
そんな事務職の中から、今回は4つの事務職について、「ディグラム診断」の開発者である木原誠太郎さんに解説いただきました。「ディグラム診断」とは、アンケート調査結果のデータベースを元に、心理学とマーケティングによって性格を分析する診断。その性格タイプ別に、おすすめの事務職をご紹介いただきます。
営業事務って、どんな仕事?
「営業アシスタント」とも呼ばれます。社外に出ていることが多い営業職をサポートする立場として、社内での業務を行います。仕事内容は、売上データ管理、顧客データ管理、顧客からの問い合わせへの対応、顧客への連絡、プレゼンテーション資料の作成、受注した商品の在庫確認や発送手配など。
会社の業績に直結する営業部門において、自分のサポートで営業職と連携しながら、チームとして動き、売上アップに貢献できること、お客様とコミュニケーションをとって信頼関係を築けることが大きなやりがいです。
木原誠太郎さんが診断!どんな性格タイプが向いている?
全体を見渡して足りない部分をサポートできる「縁の下の力持ち」タイプ
一言で言うなら「面倒見がよい人」。率先して周りを引っ張っていくというより、全体の様子に目を配り、足りないところにサポートに入るタイプです。常に忙しい営業部門は、「やらなくてはならないのに、手が回らないこと」が多いもの。そうした状況を見ながら、できることを判断し、先回りして行動を起こせる人が、営業事務に向いています。
「ディグラム診断」では「台形型Ⅱ」がこのタイプ。感情のコントロールが得意なので、トラブルにも臨機応変な対応ができるはず。コミュニケーション力が高く、人当たりもよいので、顧客からも信頼を得られるでしょう。
営業事務で活かせる資格・スキル
スケジュール管理、顧客対応、文書作成などの業務が多いことから「秘書検定」で学べるスキルが活かせるでしょう。
顧客データ管理では「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」でExcelのスキルを、顧客へのプレゼン資料作成では「パワーポイント(MOS対応)」のスキルを身につけると仕事の効率が上がり、評価アップに。近年では海外に取引先を持つ企業が増えているため、「英語力(TOEIC(R)L&Rテスト)」を磨けば、職場の選択肢が広がります。
秘書検定講座へのリンク
パワーポイント講座へのリンク
TOEIC(R)テスト講座へのリンク
経理事務って、どんな仕事?
売上や経費など、企業活動における日々のお金の出入りを管理するほか、決算期には決算書の作成、年度末には税務申告書の作成の補助業務を行います。お金を扱うだけに、特にミスが許されない仕事です。
どんな企業にも欠かせない仕事であるため、個人商店から中小企業、大手企業までさまざまな規模の企業や、幅広い業界に求人があります。経理事務をしている人からは、「会社の『お金の流れ』が見えることに面白みを感じる」という声が多く聞かれます。
木原誠太郎さんが診断!どんな性格タイプが向いている?
「神経質」とも言えるほど気を配る、チェックを怠らないタイプ
周囲がワイワイ騒いでいる時も、はしゃぐことなく冷静さや緊張感を保っている、また、周りから「神経質な人」と言われるほど、細かいことを気にしている……このような、「ディグラム診断」では「ACトップ型」に分類されるタイプが、経理事務では持ち味を発揮できるでしょう。与えられた仕事はソツなくこなし、締め切りもしっかり守り、チェックを怠らないのでケアレスミスも少ないタイプ。お金を扱う経理事務では「この人に任せておけば安心」と思われるはずです。
仕事に対しては、刺激よりも安定を求め、リスクをとるのを避けたいタイプなので、ルーティンワークを堅実に進めることが求められる経理事務はぴったりと言えます。
経理事務で活かせる資格・スキル
「簿記」の資格が活かせます。簿記2級レベルを取得すれば、アシスタントにとどまらず、責任ある業務を任せられる可能性があります。Excelで管理・入力・分析を行っている職場であれば、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」を学んでExcelのスキルを磨くのもおすすめ。さらにキャリアアップを目指すなら、「中小企業診断士」の知識を得て、経理上の数字から経営課題を分析するスキルを身につけるといいでしょう。
簿記2級講座へのリンク
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)講座へのリンク
中小企業診断士講座へのリンク
人事・労務事務って、どんな仕事?
会社にとって必要な人材を採用、教育し、その人に適した部門・職種に配置する、また、個々人が能力を発揮できる環境を整備するのが人事部門の役割です。社員のモチベーションを高めるために、評価制度や人事制度の整備も行います。中でも労務担当は、勤怠管理、福利厚生、社会保険の手続きなどを行います。
これらの業務をサポートするのが人事・労務事務です。社員が心地よく働き、イキイキと活躍できる環境をつくることに、やりがいが感じられます。
木原誠太郎さんが診断!どんな性格タイプが向いている?
心配事がある人、困っている人を見ると助けたくなるタイプ
「社員のために働く」というポジションですので、「思いやりがあり、世話好きで、気配りもできる人」が向いています。「ディグラム診断」では「M型」の人です。このタイプは、明るくていつもポジティブ。その場にいるだけで周囲の人が元気になるような存在であり、ムードメーカーの役割を果たします。
幹事を担当したらピカイチなので、社内研修や福利厚生のイベントなどを仕切るのもお手のものでしょう。企画力もありアイデアが豊富で、人を巻き込んでプロジェクトを動かすのも得意。昨今、多くの企業が取り組む働き方改革も、自主的な行動力によって推進していけるのではないでしょうか。
人事・労務事務で活かせる資格・スキル
「社会保険労務士」の知識を得て、社会保険・年金・労務管理の専門知識をつけると、評価アップにつながります。「メンタルヘルス・マネジメント(R)検定」の知識も、社員のメンタルヘルスケアの施策に活かせるでしょう。そのほか、「キャリアコンサルタント」「コーチ」などの資格もおすすめです。
社会保険労務士(社労士)講座へのリンク
メンタルヘルス・マネジメント(R)検定講座へのリンク
医療事務/介護事務って、どんな仕事?
医療事務の仕事は、医療機関での受付や会計、医療費の計算(レセプト業務)など。介護事務は、介護報酬請求業務(レセプト作成)や、ケアマネジャーのサポートを主に行います。
この2つの仕事の魅力は、医療機関や介護事業所が全国にあるため、配偶者の転勤やUターン・Iターンで地方に移住しても、働き続けられること。また、高齢化が進む中で、安定してニーズが高いことも挙げられます。フルタイム勤務のほか、派遣やパートなど、働き方も選びやすい仕事です。命や健康に関わる分野だけに、社会への貢献も感じられるでしょう。
木原誠太郎さんが診断・どんなタイプが向いている?
誰にでも平等に優しく接し、人に安心感を与えるタイプ
職場によっては事務作業が中心になりますが、医療事務として医療機関の窓口業務も務める場合は、患者さんとコミュニケーションをとることになります。介護事務も、介護サービスの利用者やその家族と接する機会が多数。そのため、思いやりや優しさがあり、「人に癒しを与えるような人」が向いています。
「ディグラム診断」では「NPトップ型」が当てはまります。自己主張がなく「聞き役」に回れるタイプですから、不安を抱えている患者さんや、介護が必要になった人、その家族に安心感を与えることができるでしょう。
医療事務/介護事務で活かせる資格・スキル
「医療事務」「介護事務」は、それぞれ資格があり、4ヵ月程度の学習で取得が目指せます。
医療事務講座へのリンク
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今回は4つの事務系職種について、「ディグラム診断」の「型」に基づき、それぞれに適した性格タイプをピックアップしました。自分の性格タイプ、志向に合いそうな事務職は見つかりましたか?職場で活躍し、必要とされる人材になるためにも、自分の持ち味をより活かせる仕事を選んでくださいね。